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御食事いわさき (240913)

珍しくオノボリ東京出張。たしかこの辺だったよなと有楽町の定食屋へ。おぉ!まだやってたコロナ禍を生き抜いたんだ。老夫婦は御健在だった。人当たりの良いおばあさんが接客し、おじいさんが調理、娘さんが全体を切り盛りする家族経営。大正9年(1920年)から続く老舗。失礼ながら特段美味しい訳でもないし、昔常連客だったわけでもないけど、大衆的なメニューに良心的な値段とノスタルジックな店内で近くに行ったらふと思い出し立ち寄りたくなるお店。いいね。また来よ

肝心の商談は手応えゼロ。今に始まったことではないが、社内力学や組織力学という内部事情に大きく歪んでいった大本営発表の耳障りの良い販売計画や夜郎自大なセールスピッチとは裏腹に、顧客の期待値に遠く及ばないプロダクト提案。格安の中国競合品でほとんどお困りのない現実に技術担当員の自信なさげな商品説明。左遷降格の上敗戦処理要員となった俺はしどろもどろで取り繕いなんとかその場を収めた。改めて人口8400万人の敗戦国ドイツにGDPで追い越されたその生産性の乏しい、かつてジャパン・アズ・ナンバーワンと輝いていた本邦の加工貿易の終焉を、最底辺の現場で目の当たりできるというのはある意味貴重な経験だ

まぁもうこのキャリアの延長線上に目指すものはない。とは言え、旧態依然のブラック企業で終身雇用を前提とした雇用・給与制度のもと長年心身をすり減らしてきた。低評価、低賃金ながらもとりあえず直近糊口をしのぐための収入源として考えると簡単にすてるわけにもいかない。トランジションまでレッドオーシャンを得意の2ビートクロールでエネルギー消費を抑えつつ泳ぎ切ろう。まだまだ先は長いぜ

東京・名古屋を96分で結ぶのぞみ号の車窓から、分厚い雲に覆われたマウンツフジは観測出来なかった。ゼロ富士アタックを棺桶リストに書き連ねたが、その頂を踏む日が来るのだろうか?鉛色の空を見上げ発泡酒であいかわらず不確かな未来に乾杯した


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