週末の小さな大冒険~中津川林道 (Mud&Dirt) 191006
甲斐の起伏に富む山々が青空に映える。透明感溢れる朝、山梨県営林道川上牧丘線をひたすら登る。途中同じ道筋をたどる絶滅危惧種のマウンテンバイカーとお互いの旅の無事を祈り、おばあさんや、軽トラのオッチャンからはガンバレーと応援を受ける。なんだか気分のいい土地だ
出発から5時間で標高2360mを登りきり大弛峠に到達。休む間もなく山荘にチェックインし軽登山へ装備変更、稜線上に金峰山を目指した。2時間後その頂を踏んだ。 夕食の後は、おきまりの泊まり合わせた人で談話タイムだ。僕は精一杯社交的に過ごした。今日の行程を話すと皆ビックリしていた。さすがにヘトヘトで僕は早めに失礼し7時半には眠りについた
夜11時頃目覚め外に出てみた。満天の星空に天の川が見えた。 朝食は5時半。山小屋の朝は早い。気温は8度。ダークオリーブ色のカーゴパンツにコットンのTシャツというマウンテンバイク乗りらしくワイルドな出で立ち。 しかし僕を迎え撃つ川上牧丘林道のダートはもっとワイルドだった。ハードグラベルの路面は崩れ落ちた岩だらけ。走行ラインが全然読めない。 汎用街乗りマウンテンバイクと僕のテクでははっきり言って持て余す。おっかなびっくり降っているうちにハンドルがとられて派手に落車。半ベソかきながら下る
川上村の農道でこの村の豊かさに気づく、家や車やトラクターが全部でかい。高原野菜の収穫期は終わりに近づいていた。 長野側からの三国峠へのアプローチはターマック。冬の気配が近づいている山道を淡々と登り返す
とうとう憧れの三国峠のあの表示板を見た。長く土砂崩れで通行止めになっていたが今年復旧。この先18km悪路、未舗装。との注意書きが。望むところだ。 全線ライト〜ミディアムグラベルで走りやすい。しかも下り坂のみ。非常にご機嫌なダート道を堪能した
ターマックに戻り美しい中津川渓谷沿いを右に左に秩父に下る。いつのまにかロックンロールなシェリルクロウ姐さんの大ヒットナンバー、エブリデイ・イズ・ア・ワインディングロードを口ずさんでいた。ややアブナイ人になりつつあった。やり終えた達成感とともにビクトリーランのようにゆっくりとライドを楽しんだ。 三峰口駅で小一時間電車を待った。駅前の食堂で缶ビールで祝杯を挙げた。充実感と心地よい疲れ、そしてビールの酔いでウトウトした。僕の乗る西武秩父線は単線をガタゴトのんびりと飯能へ向かっていた