完全ワイヤレスイヤフォンとスマホカメラ
一眼カメラには「レンズ沼」という、落ちるとなかなか抜け出せない底知れない沼がある。もしかするとこの沼も同じくらいヤバイのかもしれない。
そう、「イヤフォン沼」である。共通する要素として、比較できるスペックが豊富にある、差が分かりやすいということが挙げられよう。
年末から立て続けに5つのイヤフォンを聴く機会があり、3つ購入、一つは手離し、残り2つを手元に置く事態となっている。
そもそものきっかけは、たまたま家に転がっていたBeyeahというブランドのTWSを試してみたことから始まる。はるか昔から完全ワイヤレスには関心があり、ゼンハイザー「MX W1」を所有していたこともあるくらい・・。(充電式のボタン電池が潰えてお蔵入りとなってしまったが) Kleer方式は他にもいくつか所有しており、随分その音の良さを楽しませてもらったものだ。
最近はもっぱらAKGの有線メインだったが、なんとも線が長い。いくら網コードとはいえ、からまるものはからまるのだ。そして、だ。前置きが長過ぎたが、よくある話でスマホを代えたら3.5mmのジャックが無く、Bluetoothイヤホンの出番である。
Beyeahが聞くに堪えない音ではてどうしたものか、というところで、昨今の(10年ぶり?)ワイヤレス事情を調べた次第。そうか、LDACだ。各種記事でBluetoothも相当進歩しており、AptX Adaptiveだの、スナドラサウンドだのがあるらしいが、新しいスマホはLDAC対応のみ。(ChipsetがKirinという時点でまあ、そうなりますわな)というわけでほとりに立ったのである。それが底なしかもしれないイヤフォン沼とも知らず・・
さて、沼の話は追ってじっくり書くとして本題である。『完全ワイヤレスイヤフォンとスマホカメラ』スマホの「カメラ」の話なのだ。
お気づきの通り小生の今度のスマホはHuawei。それはそれは素晴らしいカメラ性能を持っている。昨今GoogleもPixel 7 proのような素晴らしいカメラスマホを出している。共通するのが「コンピュテーショナル」なフォトグラフィーということのようだ。端的に言えばデジタルで「補整」をかけて「見栄えよく」現実を「超えた」写真となる。まるで今いまのVRだXRだのメタな世界の体験そのものである。
そこでHuaweiのワイヤレスイヤホン、FreeBuds Pro 2の出番。スマホがLDAC対応なのでちょうどいいや、という勢いで揃えてみたもののどうもおかしい。何か余裕のない音が出てくるのだ。「素」の良さナチュラルさがあまり感じられない。もっと率直に言えば「作られた音」が聞こえてくるのである。
もちろん色んなレビューを読み、なかなか良さそうだ、という期待をもって購入している。でも違う。そこで結論に行き着く。ああこれは「コンピュテーショナルサウンド」だ、と。
超大昔のスピーカー自作で言えばフルレンジ一発どうしても鳴らせなくて、アッテネーターでいじるような。だったら最初から3WAYで上手にクロスオーバーさせたもの買え、ってんだ、みたいな。
すみません、話が逸れ過ぎました。言いたいことはスマホのカメラがレンズやセンサーの限界をデジタルで補っているのと、まったく同じ「繕い」を感じたということに尽きる。これで良いのか?きっとほとんどの人はこれで幸せなのである。しかし写真でしか知らなかったグランドキャニオンが、映像やVRで見られるようになり、大いに「感じ方が変化した」レベルのような気がする。それとて実際に現地で感じる空気とは全く違う。えっ?究極はライブに行けって?それも違う話だろう。
この話はきっと つづく
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