見出し画像

⑥ミュンヘン公立幼稚園の見学・前編


【2020年1月30日(木)ミュンヘン】

ミュンヘンに着いて最初のディナーは、有名レストランへ行きました。
みんな長時間のフライトでお疲れ気味なので、食欲もあまりなかったけれど、ドイツ料理はいつもこの大盛り。シェアして食べる文化がないドイツですが、私たちはシェアしないと到底、食べきることはできない量です。

そう、ドイツでは「シェアして食べる」という習慣がないのですよ。
1人が1品ずつは必ずオーダーします。
食べきれなくても一人一人前ずつオーダーする。それが、礼儀。
しかし…フライト疲れでほんっとーに食欲がなかった私たち。なんなら夕飯は抜いて部屋で寝るかという話をしたメンバーもいたぐらいですが、お腹空いたと言う人もいたし、事前に予約しておいたので「行ってみようか」という重い足取りでたどり着いた状況。

オーダーを聞きにきたお店のお兄さんに「ごめん…」とジェスチャーしながら(思い返せばこれ、日本式のジェスチャーだから通じてないね?)、人数の半分ぐらいのオーダーで勘弁していただくことにしました。
チッ、マナーを知らないアジア人め、と思われたかも…と一瞬落ち込むも、「疲れてるし、こんないい店にはもう来ないと思うからいいや、知らん」と切り替えました(この辺は典型的B型。後に引かない切り替えの早さ)。

しかしお店のお兄さんが「コーヒーはどう?」とか「お味はどう?」とかって、何度もニコニコしながら様子見に来てくれました。
…何度も来るよね…ドイツのレストランの人って。気にかけてくれてありがたい。けど、ごめん・・もう何も追加はいらないの・・でした。

★お店情報
AUGUSTINER
ドイツのミュンヘンのマックスヴォルシュタット地区にある伝統的なレストラン兼ビアガーデンです。レストランは19世紀前半にオープンし、ミュンヘンで最も人気のあるビアガーデンの1つです。

【ミュンヘンのトラム(路面電車)に乗る!】

ホテルでぐっすり眠りました。日本とドイツの時差は-8時間。
眠ったからか、時差ぼけや体調不良はないです。
日本からドイツの場合は、時差ぼけを感じたことがないんですよね。
ドイツから日本は、毎回4日ぐらい寝込むぐらいきついんですが。

さて今日は、ミュンヘンの公立幼稚園の見学へ出かけます。
移動はトラムです。
ミュンヘンを走る市内交通は、主にトラム(Tram)、地下鉄(U-Bahn)、近郊鉄道(S-Bahn)の3つです。

道路の真ん中にトラムの乗り場があります

ドイツのトラムは切符(チケット)を自分で買って、車内の機械に自分で通して日付を刻印するシステムです。運転士さんが切符や日付をチェックすることはありません。
でもたまに抜き打ちチェックがあって、切符を持ってなかったら高い罰金を払わなくちゃいけないそうです。ちゃんと切符は買いましょうね。


乗り場にあるチケット販売機です

切符(チケット)販売機はすっきり、無駄がないデザイン。
さすがドイツ、といちいち感動します。日本なら、交通機関か行政の(変な)キャラクターが描いてあるものね・・・。

路線図を見て切符を買います。もちろん、ドイツ語なのでね。

切符の券売機は日本語対応です!

国旗のマークの言語に対応しています


言語選択で日本語がありますので、楽々と購入できます。
ちょっと不思議なフォントですが、わかりやすいですね。
6人組だったのでグループ券を買うことにしました。

購入成功。

切符は駅から駅の料金ではなく、ゾーン制です。

来たー!乗るよ

地元の人に交じってトラムに揺られていると、数分で最寄り駅に到着。
駅で待ち合わせしていた、今日の見学をアテンドしてくださる方と合流しました。
住宅街の中にある公立幼稚園へ歩いて向かいます。

途中、こんな風景も。

クリスマスツリー捨て場です

クリスマスツリーとして使ったもみの木を、この地域の住民の方が捨てる場所だったようです。根っこから掘ってきてクリスマスに飾りつけをして、また森へ戻すということも昔は行われていたようですが、今は本物のもみの木の使い捨て。ちょっと複雑な気持ちになりますね。
我が家の近所のIK○Aでも、クリスマスツリー用のもみの木とスタンドが販売され、クリスマスが終わると山積みで回収されてるのを見かけます。どうしても私はあのスタンドで支えているもみの木を見ると「足を切断されて泣いているもみの木」に見えてしまうので、購入する気持ちになれません。インスタなどで「本物のもみの木!」と嬉しそうに報告している写真を見ても、切なくなる。価値観、感じ方の違いですが、おひさまやで取り扱っている、<本物みたいなGROBALTRADEのクリスマスツリー>でいいんじゃないかな、と思います。

【ミュンヘンの公立幼稚園を見学】

さて、今回の幼稚園見学をアレンジしてくださったのは、BLANCOMarie MIYAYAMAさんです。お子さんが通っていた幼稚園をご紹介くださいました。

ここが幼稚園の入口。女性がアテンドしてくださったMarieさんです。

幼稚園の建物に入ると、すぐ右手に大人のための飲み物が用意されているコーナーがありました。

左からコーヒーが入ったポット、ジュース、炭酸水です

最初は「おぉ、もしかして私たちのために用意を?」と思ったのですが、そんなことはなく、保護者の方と先生がここで飲み物を1杯飲みながら、子どものことをお話するためのコーナーでした。
「何か飲み物を飲みながらだと、気持ちがほぐれるでしょう?」と園長先生。

帰国後、このコーナーのことをいくつかの園でお話しました。
すると「コーヒーの香りが職員室から漏れてくることに保護者からクレームが入ったことがあって、うちではコーヒー淹れるの、禁止なんですよ」という園があり驚きました。えーーーーー?!
詳しく伺ってみると、「保護者は仕事に行く前や仕事帰りでバタバタしているのに、保育士はのんびりコーヒータイムなの?!はぁ?!」というお怒りがあったそう…世知辛い…。
日本人は余裕がない働きかたをしているんだな、と改めて感じたひとこまでした。

入ってすぐの棚。コートやヘルメット、ブーツを置く場所です

【朝のお集まりと今日の活動の決めかた】

朝のお集まりから見学させていただきました。
見慣れない外国人に、子どもたちは興味津々です。


壁にかけられたドラ(実は我が家にもこれ、ある)

このドラを先生が叩き、「ぶわぁぁああん」という音が鳴ると、3つのお部屋からこどもたちがわいわいとホールへ集まってきました。
園舎の真ん中にある少し開けたスペースに、先生や子どもたちが集まりました。

真ん中あたりの子たち、私たちのことが気になってしょうがないみたい

今年のテーマは「スポーツ」と決まっています。オリンピックイヤーだからみたいです。
最初にみんなで『ボブスレーの歌』をジェスチャー付きで歌います。

ボブスレーでカーブを曲がっているところ


ゴール!金メダル、ゲットだぜーみたいな歌です

壁にも金メダル、銀メダル、銅メダルが貼ってありますね

歌が終わったら、今日の活動(音楽、体育、美術、自由遊び)それぞれの担当の先生がみんなに内容を説明します。
音楽なら「今日は楽器とお人形を使って〇〇のおはなし遊びをします」という具合です。それぞれの活動は異年齢混合で定員制です。

やりたい子は手を挙げて、色付きのピンをもらいます。活動によってピンの色が違います。

この先生は音楽。

先生のスカートにピンがついていますね。
先生は音楽なので、黄色のピンの数が今日の定員ということです。
音楽をやりたいと思った子は黄色のピンをもらいに行きます。ピンがなくなったら満員です。今日はその活動に参加できません。また明日ね、と話します。
ようすを見ていると「わたしが先!」みたいに割り込む子はひとりもいませんでした。ちゃんと活動が保証されているから「無理なら明日でいい」と思えているようです。

ピンをもらった子は、それぞれのお部屋の入口にある自分のマークと名前がかいてあるところにピンをはさみます。

今週は何の活動に参加したか、先生にも保護者にもお友達にも分かるようになっています。

ここで面白いのは「何にも参加しない子」が認められていることです。
たとえばこの「カメレオン組さん」には、ピンがひとつもついてない子が3人います。逆に、同じ色のピンが3つもついてる子もいますね。
「Aくんは3回も音楽の活動したでしょ!Bちゃんにゆずりなさい」なんていうことは、絶対に!ない。

ここで『私は』こうします、と自分で決めるという、ドイツの『Ichの文化』を感じました。これをしなさい、あれをやってみたら?と保育者が誘導していませんでした。『自分で決める』『自分でやることを自分で選ぶ』練習を、幼稚園のころからしているのですね。
日本は「指示待ち人間が多い」と言われるのはなぜか、その答えがちょっとわかったような気がしました。

【おへやを覗いてみましょう】

それぞれの活動を2~3人ずつおへやに入って見学してもよい、と言われたので順番に見学させていただくことにしました。
活動を見学する前に、園内をぐるっと見学しました。

子どもにも保育者にも保護者にもわかりやすい、つたわりやすい工夫があちこちに見られます。

「むし組」さんは、714cm先にあります…道路の看板みたい!


何時からどんな活動があるかの表示がミニチュアでしめしてあります。時刻がずれてるけど。


これは「歯医者さんで検診を受けようキャンペーン」のポスターです。

歯医者さんで子どもが検診を受けると、それぞれの歯医者さんがシールをくれます。それをここに貼って、全員が貼れたら、歯ブラシなどが幼稚園にプレゼントされる仕組みです。

こんなシールをもらえます。

とっても面白かったのが、こちらの壁面です。


これは登園したかどうかを示すもの。それぞれのお部屋にあります。

ひとりひとりの「おたより帳」や「シール帳」はありません。
登園したら、おうちスペースにある自分の写真のマジックテープをベリッと剥いで、大きなおうち=園のスペースへ写真を移動させます。

結構、強めのマジックテープです

子どもひとりひとりのおうちスペースは、毎年、子どもたちが好きな布や紙を使って好きなデザインで作るそうです。センスがいいわ~。
強めのマジックテープを剥いで貼っての作業で、指先を使うことを毎日経験させるそうです。



次回は、それぞれの活動とお外遊びの様子をご紹介します!






いいなと思ったら応援しよう!