⑩さくら舎の丸山さんと出会う。解体作業、開始!
物件に出会ってから、あっという間に1か月が経ち、数年前から「もし物件が見つかったら相談しよう」と思っていた工務店や設計事務所でないところをイチから探すことになってしまいました。どんなお店にしたいか、は決まっているのだからと、不動産屋さんに「本契約します」と連絡しました。大家さんと不動産屋さんの信頼関係が厚いので、ここまで待ってもらえました。
最初に不動産屋さんから大家さんに「おもちゃ屋さんが入りそうですよ」と伝えてもらったときから、大家さんは「そうね」と歓迎してくださり、「改装の打ち合わせやらあるやろうけん、契約初月の家賃はいいよ。改装も好きなようにしていいし、もし出るときも元に戻さんでそのまま出ていいよ」と。テナントは通常「原状回復義務(元の状態に戻す)」「スケルトン渡し(骨組みのみの状態に戻す)」必要がある物件がほとんど。お金をかけて改装してもすべて元に戻すとなれば、またそれなりの費用がかかります。
おひさまやはできるだけ長く新店舗で営業したいので、思い切り改装したいと考えていました。でも、買い上げではなく賃貸契約なので、極端に言えば、お金をかけて改装しても「出ていって」と言われたら出なければなりません。「いつまで借りられるか」で「どこまでお金をかけるか」が変わってきます。不動産屋さんに相談して、長く借りられるよう特約をつけてもらう交渉をお願いし、大家さんに快諾していただきました。これである程度本腰を入れて改装できます。改装費用を稼げるまで頑張るぞ!と気合も入りました。
一方で「誰に頼むか」がまだ決まりません。ふと「このお店の感じ、好きだな」と思ったケーキ屋さんを思い出しました。おひさまやに長く来てくださっているお客様、早野さんが古賀市でオープンしたケーキ屋さんです。
ケーキを作るのはパパさんです。ママさんのHさんは看護師さんでした。食についてたくさん勉強なさっていたのでお話が興味深く、来店してくださるのが楽しみなお客様。ご夫婦で古賀市にケーキ屋さんをオープンしたと伺い、家族で何度か訪れていました。店内にロフトがあったり、ちょっと手作りっぽい店の作りがあったかくて、いいなぁと感じていました。Hさんに相談すると、「とってもいい人がいますよ!津屋崎の設計士さんで女性!」とウキウキ話す様子に、楽しいお店づくりができたんだなと嬉しくなりました。その日のうちにHさんが設計士さんに連絡を入れてくださり、津屋崎の事務所でお会いすることになりました。
またもや夫と一緒に行きました。長らくアレルギー性の咳が続いていて体調がすぐれないのと、またダメだったらどうしようという不安とで一人は心細かったので!
『さくら舎』の設計士、丸山優子さんの事務所は木の香りがいっぱいで居心地のいい空間でした。あぁ、おひさまやの現店舗と同じ香りがする、というのが第一印象。「職人さんが健康を害するような材料は使いたくないと思っています」と柔らかな笑顔で話す丸山さんに同感しながら、どんなお店にしたいかを言いたい放題(笑)語らせてもらえました。
「プランを考える間にも、テナント料は発生しますから、なるべく早く完成を目指したいですね」と、私が考えていることを知っているかのように話す丸山さん。とてもとても話しやすくて、おひさまやに来店してくださったこともあるし、これはもう丸山さんにお願いしよう、と心の中ではほぼ決まりました。念のため、プランを1週間後に提案していただけるということで、拝見してから正式にお願いすることにしました。
帰りしな、夫が「新しいおひさまやが見えたね」と言ってくれました。夫は夫で、丸山さんが紹介してくださった建築家・中村好文さんの本『小屋から家へ』に興味を持ってすぐに購入し、「これは面白い」と熟読していました。
『縁』や『くるべき時(とき)』というのは、やっぱりあると思っています。もがいてもがいて、たぐりよせても絡まるばかりのときは、やっぱり無理しちゃダメなんだということ。縁ある人はスッと現れる。気持ちだけ盛り上がって逸って行動しても、“そうでない”ときはうまくいかないということ。ああ今だ、と実感できる瞬間が必ずある。そのときが来ていることに気づける自分でいることが必要なんだろうと思います。
1週間後、丸山さんから提出されたプランを見て、またびっくりしました。いいなと思っていたけれど、今まで相談した4件の会社に「それはお金がかかりすぎる」「ちょっと難しい」と言われてあきらめ、封印して丸山さんには話さないでいたアイデアが、店内のあちこちに入っていました。頭の中のイメージを共有できる人と、出会えました。紹介してくださった早野さんにも大感謝です。
すぐに打ち合わせを開始し、6月24日に設計を正式に依頼する本契約を結びました。さあ、本格的な店づくりのスタートです!
どんなお店になるでしょう!
解体作業、始まる
7月に入り、いよいよ解体作業が始まる日。7月4日です。台風接近で小中学校が明日は休校になることも決まっています。雨が降っていますが・・・・朝、新店舗へ行ってみました。あ、車が停まっています!
古い建物なので図面がありません。大工さんが柱や構造を確認しながら解体していくそうです。
Before
解体屋さんではなく、リノベーションしてくださる大工さん自ら、ハンマーで解体作業をしてくださっていました!意外と地道に壊すのね~。
After(反対から見てますが)
たくさんガラが出てます。畳の処理代なども1枚いくらとかかりますので、スケルトンでなく、解体してからリノベーションする場合、改築費用+解体費用を予算だてしておかねばなりません。今回は大工さんが手作業でひとつひとつ確認しながら進めていますので予算も抑えてくださっていましたが、見積もりをお願いした別の工務店では、解体専門の会社に外注するとのことで解体費用の見積もりが150万くらいで入っていました。外注かどうかでも変わってきますね。
駐車スペースにあった(前の入居者さんが設置していた)柱つきの屋根も取り除きました。これがあるせいで、非常に駐車しにくくて・・・。今にも柱にぶつけそうでした。お客様も怖いだろうなと思ったので解体してしまうことにしました。
Before
我が家の車ですら、柱が怖くて屋根の下には駐車できませんでした。
After
すっきり!これなら駐車しやすいですね。外構はこのままでなく、屋根下にあるコンクリも剥がして樹木を入れる予定です。
庭は設計士さんのご紹介でプランニングしていただけることになりました。マメに草むしりなどできない私が管理しやすいよう、苦心してくださっています。