②結婚して、すぐ夫が転職。出産、アトピーとの戦い。
独身の頃、ホテルでウエディングプランナーをしていた私。
どちらかというと結婚式場で騒ぐ“子ども”が苦手でした。
約250組のウエディングをお手伝いした後、自分の結婚式の準備を最後の仕事に退職し、専業主婦になりました。
当時、商社マンだった夫は土日が休み。
私は土日勤務で、一緒に過ごす時間がないのはとても辛かったことと、自分の結婚式が仕事の総仕上げという気がして、躊躇なく退職しました。ところが結婚してすぐ、夫が「子どもの頃からの夢を叶えたい」と転職するために商社を退職することを相談されました。
夫とは高校生の頃に出会いました。その頃から彼が憧れていた職業だということ、新卒では思い叶わずに商社へ就職したことも知っていました。彼の思いの強さはじゅうぶんわかっていましたので応援することにしました。
貯金を切り崩しながらの生活は、不安も苦労もありましたが、いくつかの試験をクリアして、無事に希望の会社へ転職。夫は夢を叶えることができました。
結婚の翌年に生まれた息子は、生後すぐにアトピー性皮膚炎の兆候を見せました。
耳がとれるんじゃないかというくらい耳たぶのあたりが切れ、いつも肌が真っ赤にただれていました。
健診で一緒になる他の赤ちゃんのすべすべのお肌を見ると悲しくて落ち込みました。息子の肌を他のお母さんに見られるのが嫌だったので、おくるみでグルグル巻きにして順番を待っていました。
寝入りばなは体温が上がるためかかゆがって、息子はなかなか眠りませんでした。
寝たかなと思って布団に息子を寝かせようとすると泣きだします。抱っこしたまま、座ったままいつの間にか私が寝てしまうこともしばしばでした。
初めての新生児の子育ては、とにかく不安です。
泣けば「いやに泣いている。具合が悪いんじゃないか」と体を調べました。
珍しくぐっすり眠っていれば「ちゃんと生きてるかな」と息子の息を確かめました。
朝、目が覚めると、私が眠っている間に自分でひっかいたのか、顔も服も血だらけの息子が隣にいました。
「どうして私の子どもだけがこんなに傷だらけで、手がかかるの!」と泣いていました。
アトピー治療によい病院があると聞けば遠方でも通いました。病院をいくつもさまよっては、変わらない症状を嘆いていました。
夫の転勤で長崎へ異動になり、知り合いがほとんどいないまま出産、育児へと突進したことも追い打ちをかけました。
あるとき、夫の母から「いつも子供のそばにいる母親が本当の主治医よ。私も息子(=夫)のぜんそくで苦しいときにそう思ったんよ。秀子さん、アトピーのプロになりなさい。できることは何でもやってみよう」と励まされました。
それからは猛勉強です!!
ハウスダストをカットするため、息子がハイハイを始めると、朝4時に起きて徹底的に床をぞうきんで拭き掃除。電気のかさやカーテンレールも週に2回は拭き上げました。
お掃除も洗濯も、色々な化学薬品を含む洗剤は使わず、ナチュラルクリーニングで。
そうじしやすいように物を減らすよう、買い物のときも厳選して購入すること、「とりあえず買い」はしないことを心がけました。