人生全てをかけて作った曲、それから起きた出来事

新たなる一歩を踏み出し天下を取るため、自分の最高傑作を生み出してやろうと奮い立ち作った曲。
なおこれを完成させた後大きな問題にぶち当たる。(後述)

前作sorrow cold rain.完成後すぐにこの曲の製作に着手した。
この時、一人の人間と出会った。そいつとは今も付き合い続けているエンジニアになった。
・・・

この曲のテーマは崩壊と再生。
これから無名の私が最も強みとする、
一番輝ける曲は何か?と考えた時、
それは
「速い メロディアス 激しい」

この三点セットしかなかった。

とにかくわかりやすいメロディ、激しくも叙情性のあるギター、ピアノ、ストリングス、
叫び続けるようなドラム、まくし立てるベースをテーマに、完成までこぎつけた。

この曲は初めての試みであるボーカロイドを使っているが、その波形は生の人間そのもの。

わざわざボーカロイドの調教の為にボーカリストを見つけ、
エンジニア、ディレクターを雇い、
スタジオを借りてレコーディングをした。

イラストや動画製作者も必死に探し、マネジメントをしてくれていた人に流行の歌詞製作を依頼し、
金銭も精魂も尽き果てながら投稿にこぎつけた自身最高傑作の曲。
このクオリティはニコニコ動画ならミリオンはいけるはずだと私の心は奮い立っていた。

・・・しかし最後に落とし穴があったのだ。

それは、広告費がまったく足りなかったのだ。
数々の有志が宣伝をしてくれていたが、圧倒的に宣伝費が足りなかったのである。

ここまでやっても、たったの宣伝費がないだけで埋もれてしまう動画。

こんなに、すぐに無かったことにされてしまうのか。

他の楽曲にあっという間に奪われてしまう再生数。
中には金で工作員を雇い再生数や人気を掴む輩もいたと。
これには耐えきれない苦渋を舐めた・・・
苛立ちから壁を殴る日もあった。


どんなに優れた楽曲を作ろうとも、広告という宣伝がなければ埋もれてしまうのが現実。

こんな片手間達にも負けてしまうのか俺は・・・

「金」と「現代の知能」に負けたと全身でかみ締めた瞬間だった。

この後、何をしてもお金がなければ意味がないと精神を病み、
しばらく全く曲がかけなくなってしまい、焦燥と自己非難の日々。

さらにこの曲を作り上げたことにより、今後もこのサウンドクオリティを維持しなければならないのか・・・?と余裕をなくした私はこれから全く投稿出来なくなっていた。
焦れば焦るほど、良い曲はできない。
何十曲と没になった曲は数しれず・・・


つまり、私はこれが言いたい。
拙い文章で申し訳無かった。
せめてここだけ読んで欲しい。

自分を奮い立たせ天下を取ろうと走り続け掴んだ結果は、

自分の首を絞め追い込んでしまうという皮肉な結果になってしまったのだ。

・・・私はまた、このサウンドクオリティで生きていきたい。

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