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東京トンネルに吸い込まれて

いきなりだが、東京トンネルをご存知だろうか?

首都を代表するトンネルとして、たいそう立派な響きのトンネルではあるが、聞いたことのない方が殆どだと思われる。

たしかに東京トンネルは実在し、それなりに長大なトンネルではあるが、小仏トンネルや青函トンネルと比較すると知名度は圧倒的に低い。

実はこの東京トンネル、JR横須賀線の東京駅から品川駅の間の区間を指すのだが、高低差が激しいうえ、スピードもかなり出すので、さながら遊園地のアトラクションのようなのだ。

さて前置きが長くなったが、今回は東京トンネルを走行中に感じたどうでもいい事を書き連ねる。

日本一スリリングな通勤電車

昨日の夕方、ふと亀戸で飲みたいと思い品川から横須賀・総武快速線で錦糸町まで向かうことにした。

品川駅を出ると、間もなく15両編成の快速電車はスピードを落とすことなく東京トンネルに吸い込まれる。

年季の入った電車は時速100キロでトンネル内をかっ飛ばし、なおかつ窓は半開きの状態なので車内には轟音が響き渡り、会話もままならない。風もビュンビュンと入ってくる。おまけに時折、原因不明の金属音が断続的に鳴る。
通勤電車に乗っているにもかかわらず、非常にスリリングな体験ができた。

暗闇の中をハイスピードで突き抜けてゆく様は、スペースマウンテンに乗っている時と変わらない刺激を受け、仕事終わりにスカッとした気持ちになれた。

横須賀線だけにスカッとね。

スピード狂と生の実感

わたしは疾走感溢れる乗り物を愛してやまない。
バイク、窓全開の車、新幹線、新快速、ジェットコースター、そして横須賀線…。

そこには小さな危険に曝される刹那的な快楽や、彼岸と此岸を彷徨う感覚と似通うものがあり、これらの物体を通じて、生を享受していることを間接的に実感できるからだ。

同時に感じる風は強ければ強いほど爽快で、気分が晴れやかになると思っている。

つまり、わたしは乗り物やそれに付随するスピードと風圧に恍惚たる快感を見出す特殊性癖を持っているのだ。

さいごに。

わたしは生まれて約25年間、穏やかに、のんびりとした空気の中で過ごすことを善しとする人間だと思ってきたが、実はスリリングな体験から生を享受するという新たな一面を見出すことができた。

自分自身に対する気づきは案外、道ばたの石ころのように転がっているのかもしれない。

今日はこの辺で。
















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