ワクチン接種、できるかな? 3
もうずいぶん前から、医療機関にかかる際にはメールアドレスを登録させられるようになった。これまでは事後アンケートが送られてくる程度だったのが、パンデミック以降、寄付を募るメールがビシバシ届くようになった。週に十通以上届くことも。件名にDonationが入っているわけでもなく、自分の健康に関する内容かもしれないので、一応開けてみると「ヒーローに寄付を!」「母の日だから寄付を!」「研究のために寄付を!」といった内容なのだ。
そりゃね、ワイも人の子。医師にも、看護師にも、清掃員にも感謝してますよ。業務はもちろん、通勤だけをとっても、リスクの上に成り立っているのだから。でもね、寄付しようにも、肝心要のおきゃねがないのよ。他でもないコロナのせいで、こっちも窮しているのよ。
「あーもー、ごめんなさい」と心のなかで謝りながら、メールを削除する日々が続く。そんな中、いつからかワクチン開発の進歩具合が盛り込まれるようになっていった。そして年が明けると「お前さん、ワクチン接種資格があるよ。予約する?」という内容のメールが届きだした。年明けの時点では、単純に年齢だと65歳以上が対象だったのだが、職種や既往症によっては、それ以下の年齢でも資格があるらしい。複数の医療機関から同様のメールが来たので、データベースのなにかが当てはまっているんだろう。でもまあ、打つ気はさらさらないので、次々に届く「予約する?」メールを削除しまくったのであった。
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