真説・女装メスガキ男性地獄変

『これより、国立メスガキ学園入学式をとりおこないます。』

 多目的(意味深)ホールに集まった数々のメスガキ候補生。
 彼女らはそれぞれがいかに蠱惑的で幼いながらも艶めかしい魅力を振り撒けるかにアレンジした自作のメスガキコスチュームを身に付けており、多目的(意味深)ホールはメスガキコスチュームに多く使われているエナメル生地の光沢と彼女達の希望により眩く輝いている。

『入学式の開会にあたり、国連事務総長からの挨拶を…』

 多くのメスガキ候補生達が青~中年男性の人間椅子に跨って国連事務総長の言葉を聞いている中、人間椅子の連なる先頭右端でぎこちなく市長に跨るメスガキだけは上の空で挨拶を聞き流していた。

「(どうしよう…どうしてこんな事に…)」

 このメスガキはメスガキ入試にて最高得点を叩き出し、見事市長を自分の≪雑魚オジサン《ガキスレイヴ》≫として従えた今年度の筆頭メスガキ候補生。
 しかし、そんな筆頭メスガキ候補生には秘密があった。

「(僕はただ…女装が好きなだけの男なのに…)」

 そう。彼はメスガキの振りしているだけの男。
 普段から女装ライフをしている為、男なのにも関わらずうっかりメスガキ入試を首席でクリアーしてしまったのだ。

『続きまして、新入生代表の言葉。新入生代表、芽菅 希緒さんお願いします』
「(とうとう来た…)」

 そして、首席なので入学生代表として壇上に上がって挨拶をしなくてはならない。

「(でも、ここまで来たらバレた時が怖いよな…市長に座っちゃってるし、足も舐めさせたし…覚悟を決めるしかないか…)」

 流石にここで男とバレではどんな報復を受けるか分からないと思い、希緒は覚悟を決めて椅子の尻を叩いて気合を入れる。
 そして、いつも配信で見ている女の子の言動を頭の中でシミュレートし、それを真似る事でメスガキとしての演技を始める。

「はぁ~い!わざわざ私の為に来たヒッマな大人達ぃ~、聞いてる~?」



【つづく】

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