停電の夜
台風で、停電のニュースが流れていました。停電は大変ですね。
それで、思い出すのは、もう50年以上前のこと。
私が小中学生のころの話です。
その頃住んでいたのは、北海道。
国鉄本線からローカル線に乗り、さらに「レールバス」という一両のディーゼル機関車(たぶん)で入っていった山の中にありました。
私たち家族は、父の転勤で九州から北海道に渡りました。道内でも引っ越しをして、3ヶ所目の住まいでした。鉄鉱山があり、住んでいたのは、ほぼ鉱山関係の家族ばかりでした。
小学校6年の時に、引っ越してきたのですが、私たちの学年は21人。もちろん、1クラスです。
そこは豪雪地帯で、3mは積もったと思います。屋根の雪下ろしをしたら、窓が塞がり、家は真っ暗です。今度は窓の雪をどけます。
朝起きると、新雪が積もっており、母が毎朝、大きな道路まで、「かんじき」で道をつけてくれました。
あの頃、暖房は薪ストーブでした。いや、石炭ストーブだったかも。給湯器などなく、ストーブの熱を生かした湯沸かし器で、お湯を沸かしていました。母は苦労したと思います。
吹雪もよくありました。
そしてよく停電になりました。停電になっても、すぐには復旧できません。山の中ですから。
夜なら、到底無理で、真っ暗な中、布団の中で吹雪の音を聞いていたことを思い出します。
あれから鉄鉱山は閉山になり、今は誰も住んでいません。それどころか、家も学校も、人が住んでいた形跡はひとつも無いと聞きました。
本当の「山」になっているそうです。
*ヘッダー、お借りしました。吹雪。