日本で流通している革漉き機の分類をしてみた
今回も良し悪しには触れません。
1.NIPPY
ニッピ機械(過去にはニッピー)。近隣国輸出用で国内で売っていない機種もある。skiminiというコンパクト機を独自開発。
2.西山
廃業のため新品は買えないんですが、機械寿命どんだけ長いんだよ。
3.ヤクモnls-7506 801/802
中華系801・802の源流がこれらしいことがわかった。中華漉き機台湾TAKINGもこれに属する。右端に砥石ベルトのオンオフ水平レバーがあるのはすべてこれ。その機構模倣元のニッピの一部機種ではレバーでなくダイヤル。
↓2段ずつヤクモNLS-7506と801の画像検索結果。
古い情報をwebで検索するのは不可能で、Yakumo MADE IN JAPANとプレートに入ってるけどヤクモ中島製作所の工場で作っていたかどうか、ヤクモブランドの漉き機と中華801系漉き機の流通とどちらが先だったのかも全くわかりません。ヤクモの漉き機が中華漉き機のコピー元と言いたくなるかもしれませんが、そこは中島製作所の関係者に教えてもらうしか…
上画像の中にも中古機の説明で、
『Yakumo NLS-7506ですが「○○ミシン商会」で整備の手を入れたため○○のプレートを付けています』というのがチラホラありました。ほんとにその漉き機はYakumoだった?中国から仕入れたんじゃないか…
ってのがたぶん10年以上前の話で、その後はもう「元はYakumoの漉き機」と説明してもそんなのあったの?と言われてしまうから、そんな売り方はしていません。
801系の現在は、「台湾TAKING安いのに良いです、他の中華は劣化コピー、中国製を仕入れて名前つけて売ってる日本の業者はヒドイ」というキャンペーンが進行中なのは皆さんご存じの通りです。801にはYakumo NLS-7506という型原型があるように思われるのだけど、そこまで主張するということは台湾TAKINGはその昔、JUKI松江になる前の中島製作所と業務提携し、漉き機を設計・受託生産してたのでしょうかね。
ベビーロックのCompanionブランドの漉き機もこれに含まれます。
形はどれも同じですが、全く使えない⇔めちゃめちゃ良い、の振れ幅が凄いのはほんとうです。
4.Fortuna
LEADERという代理店が廃業後「うちでドイツ本社との取引きまでバッチリ引き受けよう」という商社が現れていない。→「信頼のニッピ西山、外国製はゴミ」というガラパゴス化した市場で売るのは大変でしょうし。ウグイスのうんち色の50PUタイプ中古が流通している。平たいFortuna新型機が出たころにはその代理店がすでに元気なかったのでそれの中古も含めほぼ国内にはないです。色が黒かった時代の機械が日本でインスパイアされて漉き機製造が始まったようですが、古い話でパクった人たちはもう生きていなさそう。うぐいす色旧型のコピーは無し、新型の中華コピーは現地やイタリアではぼちぼち流通。うぐいす色のは丸刃と押さえ以外の部品寸法が他と互換性が低いのでジャンク起こしは大変、程度の良い機械を入手できた場合はラッキーですが丸刃等の消耗品以外を壊したら死にます。アメリカだと純正パーツを販売するディーラーがありますが、ウェブサイトなどはなく、電話注文とチェック決済、カードお断りになるんではないかと。
もともと中華圏でパーツの委託生産すらやってなかったらしく、ニセモノ丸刃以外aliexpress等には存在していません探しても時間の無駄。
5.Seiko、Nowman
どちらも昭和の機械。Seikoの漉き機初号機はSingerのOEMですが、どちらがOEM元なのかもわかりません。二号機はニッピや西山に似ているけどヤクモのような砥石オンオフノブが付いています。Seiko自体、謎が深い会社、北米ではミシンと同様Consewブランドで売られていました。
Nowmanは東京の会社で田中角栄が活躍していた頃に廃業したそうです。
まとめ
801の源流はYakumoの漉き機のようです。
【追記】801に東洋軽機の漉き機ってのもあったようです。昭和55年頃(ヤフオク)主軸オイル口が〇フタの古いタイプ、あるいはそれを今でも製造している中華製なのか、Yakumoとの関連がどうなってるのか知りたいです。
知らなかった会社なのでググると、
折畳機と腕ミシン、後者はオリジナルっぽく他では見たことないです。漉き機は精度に気を使う箇所がミシンとは全然違い、ミシン製造の応用で作れる機械ではないので…とは思います。