漉き機丸刃主軸ラジアル※ガタ調整ヤクモ・801編
※タイトルがスラストガタになってたのを修正しました
ヤクモNLS-7506の説明。ワープロ辞書が無い時代のものなので送り仮名とか一部あれれになってるが「この機械の命は何んといってもナイフが心振れなく回転することです」気持ちがこもってる。わかっちゃいるけど面倒で…という方もこれを読むと心を入れかえてちゃんと調整して使おうという気になりますよね。そしてニッピのよりはるかにマシな調整法説明、28番ロックナットの扱いがちゃんと書かれている。だけどマグネットベースに載せたダイヤルゲージでガタ量確認しないのはどこも同じ、気持ちがこもっているようでいてほんとに調整をやってる人が書いた文章ではなさげ、というかミシンを組んでる会社で作られてるとそうかな、と。
次はTA KING TK-802BLの説明書…いやいやTA KINGは旧型801でもボールベアリング支持(802のアンギュラ―ボールベアリングでなく深溝玉ベアリング)でメタル式じゃないから蛇足どころか説明書にこれが載っていると誤解を与える。内容は実質ヤクモ説明書の英訳版です。図ではダブルナット26Aだったのを25Aに誤植、つまりヤクモの日本語を元に英訳したっぽい。日本語がわかるネイティブや中国人の英語ではなく、日本人の英語。
CONSEWのDCS-S3などの説明書はパーツリストしか残っておらず、TA KINGの802BLについてきたこの説明書のこの図はヤクモの同じだけど英語資料としては貴重。802のだいぶん前の機械の図なので802の説明書としての価値はない。802にアンギュラボールベアリングが入ってるってのは説明書に説明も部品図も一切なく、主軸をバラさないと判らなかったですし。
面白いので韓国の801のマニュアルを発掘、たぶん韓国人の英語、ナットがknotになっており翻訳前の言語はおそらく日本語ではないかと。英訳をつけんと輸出できんから、と言われて実機には触れることなく隣国の日本語マニュアルから訳したんだと思う。結果ニッピの説明書と肩を並べれるくらいのデキになっています、そう、ヒドイ方向でです。
英語圏のミシンディーラーではヤクモNLS-7506当時のまんまのメタル摺動801ばかり扱ってるんで、それを選ぶに値する調整ノウハウがメーカーからディーラーに伝えられてるのかというと全くなく、中華圏のクローンミシンに自分とこのロゴマークをつけて売ってる流れのまんまだからそうなってるだけのようです。そういう状況でFortuna丸パクリとはいえTA KINGのTK-802BLでアンギュラボールベアリングを組み込んだのは偉いです。丸パクリが恥ずかしいのか、それをみた他所から丸パクリの丸パクリをされたら悔しいからなのか、なにも言わずこっそりアンギュラボールベアリングが入ってますけどね。説明書で主軸周りが上述のように雑なのはわざとトボケる目的かも。
革漉き機にSingerネジとメトリックネジが混在してるのは嫌すぎる。Fortunaは全部メトリックネジです。
ニッピの作動板カバーのネジが足りないので作りました。#10-UNS28TPI。ミシンとは関連なくFortunaで開発販売された革漉き機を日本でパクって製造を始めたのがミシンを作ってる会社だったってことなんでヤクモはそうだろうなと思ってましたが、ニッピもそうだったのかと。原型のFortunaにはSingerネジはついていませんが、当時の日本ではメトリックの皿ネジJIS規格がなかったかほとんど出回ってなく、Singerネジなら滑沢に流通してたのかも。