長崎市の地域課題をテーマに新規事業アイデアを創出!「第3回デジマ式 plus」開催レポート
地域課題×企業のチカラを掛け合わせるワークショップ「第3回 デジマ式 plus」を開催!
自治体が抱える地域課題をテーマに、企業のチカラで解決に向けた新規事業を創出していくためのワークショップ「デジマ式 plus」もいよいよ3回目の開催となりました。過去2回は宮城県仙台市、山口県宇部市の課題をテーマにワークショップを行っており、各回ともにその後の事業化に向けた動きをみせています。
そして今回の自治体は「長崎県長崎市」です。人口約41万人(2020年1月現在)、ここ数年は世界遺産登録などの追い風もあり観光客数も増加している長崎市。そんなポジティブな要素がある反面、長崎市が抱えている課題は何か?「デジマ式plus」では自治体職員が自らプレゼンを行い、参加企業が解決に向けた新規事業アイデアを創出していくワークショップです。
今回の参加企業は過去最多の6社。企業として地域課題にどのように向き合っていくのか、地域課題の解決プランを考え、そして提案へ。3時間のワークショップの幕開けです。
長崎市のテーマは「漁業者の所得アップのために、観光客による長崎の魚の消費を拡大したい」
今回、プレゼンテーションを行ったのは長崎市の水産農林政策課です。テーマは「観光客による長崎の魚の消費拡大~漁業者の所得アップのために~」です。
そして参加企業は以下の6社です。
各社3名ずつチームとして参加。ワークショップの構成は、プロローグ、本編、エピローグの3つに分かれています。
1.プロローグ
まずは「デジマ式 plus」のコンセプトを主催企業の伊藤忠テクノソリューションズの松元さんよりご説明をいたします。既存事業をそのまま当てはめていくのではなく、地域課題に向き合うことでそこからヒントを得ながら新規事業プランを展開していってほしいというコンセプトをお伝えして、司会をバトンタッチします。
司会は同じく「デジマ式 plus」を共催する株式会社イー・エージェンシーの五十嵐と甲斐が務めます。
タイトルコールのあとは、場の一体感とワークショップへの集中力を高めるためのアイスブレイクを行います。リラックスした雰囲気を作り出すとともに参加者それぞれの個性を出していくことで、参加企業同士のコミュニケーションも生み出していきます。
次に参加企業が自社の紹介を行い、各社のミッションを共有していきます。
2.本編
そして本編です。まずは長崎市のプレゼンテーションです。このプレゼンは、オンラインビデオツールを使用してのリモート発表です。
今回は長崎市の出島と、ワークショップの開催会場である東京都 品川区 五反田の「Innovation Space DEJIMA」を繋ぎ、長崎市水産農林政策課の川上さまよりプレゼンテーションを行っていただきました。
プレゼンテーションの後は、さっそく参加者のワークがはじまります。
まずはプレゼンテーションで聞いた内容と配布資料をもとに、参加者はそれぞれの経験や知識をもとに、プレゼンターである自治体とは異なる視点や切り口で課題を深堀りします。得られている情報は少ないながらも長崎市の課題をあらためて考えることで、長崎市が自分のことのようになっていきます。デジマ式 plusの「自分ごと」化のプロセスです。
原因を考えるの中で、参加者の頭の中にはさまざまな疑問が沸いてきます。それらの疑問は、次のステップで全員参加の質疑応答を行って解消していきます。
質疑応答を終え、全員の理解レベルがある程度揃った上で、各社のメンバーは自分たちが挙げた原因を土台として改めて宇部市の課題を考え直します。
デジマ式 plusでは、自治体のプレゼンテーションで出てきた課題をそのまま考えるのではなく、各社がそれぞれの切り口で課題を再設定します。そうすることで課題は自社のこととして捉えなおされ、各社にとって解決を目指しやすいものになります。
その後、各社が再設定した課題を発表し、全員で共有します。課題設定は、各社ごとの捉え方の特色が出ており、宇部市の担当の皆さまにとって気づきの多い課題設定になっていました。
次は、自分たちで再設定した課題を解決するために自社で「できること」を考えていきます。そして各社ごとに、自社で「できること」を整理、選別、アイデアを深めて、ひとつの「サービス」としてブラッシュアップしていきます。さらにそのサービスが、長崎市に普及するストーリまでを考えます。
最後のステップでは、そのサービスが普及することで、長崎市に実現する未来を言語化します。
3.エピローグ
いよいよ、エピローグ。新しいサービスを長崎市さまへ発表する時間です。
ビデオツールで長崎の「出島」と五反田の「DEJIMA」は繋がり、長崎市を「自分ごと」のように思う各社が、長崎市の担当者のみなさんにそれぞれ思い描く「地域の未来像」を実現するためのサービスについて説明しました。
以上の発表を聞いた後は、長崎市さまより「総評」をいただきました。
次は提案へ
デジマ式 plusは、ここで終わりではありません。
参加各社のアイデアは実現の可能性を探るべく次のステップへと進んでいくことになっています。
アンケートより参加者の声
・「とても新しい取り組みだなと思いました!企業側から、自治体では日頃仕事していて気づかないような視点から意見が出ていたので、興味深かったです。」
・「オープンな場で意見を出し合うことでクリエイティブな発想ができると感じました。 また、課題を提示する側としてもこのような場で課題を整理することができ今後の方向性が定まるのではないかと感じました。」
・「行政サイドが本当に困っている課題を把握できるとともに、自社以外のソリューションの切り口も知ることができ、コラボレーション含めて今後の街づくりの参考になった。」
・「長崎市の実情が予想以上に課題が多いと感じた。各社の特徴があり大変良かった。」
・「長崎以外の方の長崎に関する認識を知れたのと各企業の専門分野を生かした課題解決策を知れたのが良かった。」
・「長崎市様へのご提案も価値がありましたが、様々な企業からのプレゼンと聞くことができ、イノベーションのきっかけの場にも繋がる可能性を感じた。」
アンケート内容や当日の気づきを含めて、「デジマ式 plus」はさらにバージョンアップしていきます。
デジマ式 plusに関するお問い合わせ
デジマ式 plusについてのお問合せ、ご質問がある方はこちらのメールアドレスへお願いします。
参考:デジマ式 plus × 東京都品川区の商店街
デジマ式 plusとは