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ひとりの本好きが、本好きの友だちと交わす往復書簡。

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読んだ本について手紙を書く。本好きから本好きへと書く手紙。往復書簡。手書きの必要はありません。ここから始まった往復書簡がいくつもあります。あなたの手紙、待っています。
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#文学

現在と過去のあわにいざなわれる——倉橋由美子『暗い旅』【書評】

拝啓 昼間であれば、窓を開けていてもゆったり読書できる季節になりました。それで積読タワー…

既視の海
1年前
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エスプリのきいた愛の物語——ダヴィド・フェンキノス『ナタリー』【書評】

拝啓 足早に2月が逃げ去っていきます。忙しいとは心を亡くすことだとは、よく言ったものです…

既視の海
1年前
6

つづれ織りのような人生と文章——パスカル・キニャール『約束のない絆』【書評】

拝啓 東京も明日は雪が降るというのに、今日は穏やかな青空がひろがっています。暖かさにくる…

既視の海
1年前
3

「お」の抽斗をつくりたい

拝啓 この冬で一番の寒気が近づいているなかで、あなたの言葉一つひとつが胸をじんわりと暖め…

既視の海
1年前
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【7通目】生と死のあわいにある声——ジャン=ポール・ディディエローラン『6時27分発…

拝啓 一年で最も昼が短い日、冬至を迎えました。夏が好きなので、子どもの頃は最も嫌いな日で…

既視の海
1年前
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【6通目】破滅にむかって時が静かにすぎる切なさ——ジョルジュ・シムノン『離愁』【…

拝啓 冬至が近づき、日がほんとうに短くなりました。寒さをまぎらわせるために、心温まる物語…

既視の海
2年前
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【5通目】小説が先か、映画が先か——ジョルジュ・シムノン『仕立て屋の恋』【書評】

拝啓 昨晩は今年最後の満月でした。ご覧になりましたか? ただ正直にいえば、満月よりも、ちょいと欠けた居待月のほうが、私の好みです。まだか、まだかと東の夜空にのぼるのを待ち焦がれる切なさでしょうか。 さて、あなたが映画も好きだと知り、一度たずねてみたいと思っていたことがあります。それは、映画と原作小説、どちらを先に観るか、読むか、というものです。それを考えさせられたのが今回のフランス小説であるジョルジュ・シムノンの『仕立て屋の恋』です。フランスにおける初版は1933年。でも

【4通目】静けさからうまれる愛——クリストフ・バタイユ『安南 愛の王国』【書評】

拝啓 一年でもっとも澄んだ空がみられる季節になりました。暖かさを求めてお日さまの方ばかり…

既視の海
2年前
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【3通目】空虚だからこそ悪がはびこる——アメリー・ノートン『午後四時の男』【書評…

拝啓 いくら師走になったからといって、そんなに急ぐことはないのにと独りごちました。窓の外…

既視の海
2年前
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【2通目】喪失感を抱いて夕陽に泣く——カズオ・イシグロ『日の名残り』【書評】

拝啓 時雨ならば風情があるものの、晩秋には似合わない生温かい風と雨が、散りゆくもみじを湿…

既視の海
2年前
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読書と言葉が「生」を照らす——M・オンダーチェ『イギリス人の患者』

拝啓 昨夜は屋根に激しく打ちつけていた雨も明け方には上がり、いまはすっかり晩秋の日差しと…

既視の海
2年前
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