ドイツ語が1㍉もわからなくてもドイツ語Hiphopを聴いてほしい① 【Ski Aggu】
はじめに
最近ドイツの音楽シーンを盛り上げている(と思われる)ラッパーを取り上げていきます。
ラッパーといっても、真っ先にイメージするようなギャングスタ・ラップではなく、どちらかというと、テクノ、ポップ寄りです。
あんまりジャンルに詳しくないし、色々な意見があるので、細かいことはわかりません。
とにかく、タイトルに書いたとおり、ドイツ語が1ミリもわからなくても気持ち良いし楽しいので聴いてください。
Ski Aggu
1人目、ベルリン出身のSki Aggu(シーアグー)。Skiはドイツ語でスキーという意味です。名前のとおり、いつもスキーゴーグルを着けています。
Joost x Ski Aggu x Otto Waalkes – Friesenjung
オランダのラッパーJoostとコラボした最新曲『Friesenjung』は、
5月25日にアルバム発売されるなり、ドイツのチャートで1位を獲得。
「パーティー音楽という感じです。Ski Aggu自身の分類によればこの曲は「Gabberpop」だそう。
「Bin ein Friesenjung」というキャッチーなフレーズがたくさん繰り返されています。
「Friesenjung」とは、「フリースラント出身の人(Friesen: フリース人, Junge: 男の子、青年)」という意味です。
「俺はフリース人」というフレーズがひたすら繰り返されているというわけです。
フリース人の住むフリースラントは、ドイツとオランダにまたがる地域です。
Joostは西フリースラント(オランダ)、Ottoは東フリースラント(ドイツ)の出身です。
Ski Aggu自身はフリースラントに関係ありません。なので、彼の歌っているところではこのようなフレーズがあります。
直訳すると、「ベルリンの子供であって、フリース人の若者ではない」ということです。Kindlの部分は、綴りは通常Kind(子供)ですが、ベルリンのビール「Berliner Kindl」にかけていると思われます。
このように、Ski Agguの特徴は豊富な言葉遊びにあります。
ドイツ語の話を続けて申し訳ないのですが…
「Hier wird nicht eingebrochen, doch wir hören ein'n Brecher」は(直訳気味に言うと)「ここは押し入られていないが、侵入者の音が聞こえる / 私たちはイケてるもの(=この曲)を聞いている」と、「Einbrecher」と「ein'n Brecher」で二重の意味になっています。
この曲は、ドイツの超有名コメディアンOtto Waalkesの曲『Friesenjung』のサンプリングです。OttoはMVにも登場します。
元ネタはこれ。Ottoが1993年にStingの世界的ヒット曲「Englishman in New York」をパロって発表した曲らしい。
チャートの1位に駆け上がったのは、レジェンドOttoのネームバリューも(かなり)影響しているかも、でもそれだけではありません。
Ski Aggu – Broker
この曲はMVに英訳がついています。
(個人的にはこっちの方が『Friesenjung』より好き。)
Ski Agguが一文無し(Broker)や盗みをやっていたところから、アーティストとして成功するまでの道のりを描いた曲です。
次のフレーズ、「フェンスを登ってクラブに忍び込んでいたのに、今はそこでライブをしている」が夢があって、好きです。
Ski Aggu x Domiziana – Tour de Berlin
最後にもう一曲(これも『Friesenjung』より好き)。
「Bae will wissen, ob ich dippe, aber fragt nicht, wieso」の部分、dippenはここでは「MDMAを食べる」と「去る」の2つの意味があります。
「彼女は俺が MDMAを食べる /クラブを去る かどうか知りたがるけど理由は聞かない」となっています。
「Baby mag keine WG, doch will mit mir zusammen zieh'n」の部分、zusammenziehenは、「一緒に住む」と「(薬物を)鼻から吸引する」のの2つがかかっています。
「彼女は、WG(シェアハウス)は嫌だけど、俺と 一緒に住みたい / 鼻から吸いたい」という意になります。
さいごに
他に、好きなラッパーMakkoを紹介しようと思ったのですが、力尽きたので次に回します。
色々書きましたがもはや読まなくていいので、聴いてください。
ドイツ語音楽、広まれ❣️
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