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消費と流通の今を捉え、明日を読む2025~講演内容、早速まとめました「流通大会2025」<1日目>

こんにちは。「流通大会2025」1日目の講演内容のポイントを研究員がご紹介します。ライブ視聴された方は、振り返りにぜひご活用ください。

まとめと一言:公益財団法人流通経済研究所 主任研究員 後藤 亜希子


講演者紹介

公益財団法人 流通経済研究所 理事/拓殖大学 名誉教授
根本 重之

講演:消費と流通の今を捉え、明日を読む2025

〇独自の進化を遂げた日本の小売業

 まず、21世紀の第1四半世紀を振り返り、日本の小売業は欧米とは異なる独自の進化を遂げてきたことを確認しました。しかし、今後は人口減少による市場縮小が避けられず、小売業の構造変化が進む可能性がある点が指摘されました。また直近の動向として、コロナとその反動減、インフレが与えた小売売上への影響と、消費支出の変化をおさえました。

〇小売業は売上総利益の確保が重要

 つぎに、小売業が人口減による市場縮小やコスト上昇といった課題を抱える中で、売上総利益を確保することの重要性が高まっていることが指摘されました。そして近年業績の良い小売業の例として、伝統的、正統派の取り組み、チェーンストア理論の実践、またそれとは対照的に現場への権限移譲を進める取り組み、小型店展開などが取り上げられ、進化のいくつかの方向性が示されました。

〇卸売業、小売協業体の役割

 あわせて、卸売業も流通インフラ供給者としての機能を高めながら進化を遂げ、欧米と異なり成長を続け、利益率を上げていることが紹介されました。とくに、総合機能型の卸売業が生産・小売双方の多様性維持に貢献している点が指摘されました。
さらに、小売協業体についても、地域密着型の中堅・中小チェーンを支える重要な役割を果たすようになっていることが取り上げられました。

 まとめとして、メーカー、卸売業は、進化を続ける小売業とどのように協業していくかをより重視し、非収益的な取引を抑える決断も必要ではないかといった提言がなされました。


[研究員からの一言]

 環境の変化に適応しながら進化することは、生物だけでなく企業にも当てはまる法則です。今回取り上げられた小売業や卸売業の進化の方向性は、それぞれの環境に適応した結果であり、大変興味深いものでした。今後、日本の流通業がどのように変化し、生き残りを図っていくのか、引き続き注目していきたいと思います。

<注>
各講演の「概要」は、筆者がリアルタイムで聴講した内容をもとに記述しています。聞き違いなどを含んでいる可能性がある点にご留意ください。また、「研究員からの一言」の内容は筆者個人のものです。

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