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カスミ流DX新業態「BLΛNDE」の挑戦~講演内容、即日まとめました「流通大会2025」<2日目>

こんにちは。「流通大会2025」2日目の講演内容のポイントを研究員がご紹介します。ライブ視聴された方は、振り返りにぜひご活用ください。

まとめと一言:公益財団法人流通経済研究所 主任研究員 三坂 昇司


講演者紹介

株式会社カスミ 専務取締役 事業戦略担当 兼 マーケティング本部マネジャー 兼 プロダクトマーケティングマネジャー/
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社 プログラムマネジャー
満行 光史郎 氏

講演:カスミ流DX新業態「BLΛNDE」の挑戦

 本講演では、カスミが展開する新業態『BLΛNDE』について紹介されました。従来のスーパーマーケットとは異なり、『BLΛNDE』はオープンがゴールではなく、オープンを起点として進化し続ける業態であることが強調されました。今回は、日々顧客価値を最大化に挑戦している取り組みについてお話いただきました。

〇「BLΛNDE」の提供価値と取り組み

 買い物するだけの場所ではなく、買い物体験を通じて楽しみたい、そのような場所でありたいという理想からスタートしたとのことです。
『BLΛNDE』では提供価値として「突き抜け鮮度」「商品との出会い」「エンリッチ(買物体験を豊かにする)」「繋がり創出」を掲げ、商品開発、サービス開発を行っていることが紹介されました。

〇 革新的な顧客体験

 デジタル技術を駆使し、従来のスーパーにはない革新的な顧客体験として、Scan&Go決済や店内デジタルサイネージの活用などの顧客における利便性を向上だけでなく、三郷店では有名店の元店主が担当する「おでんBar」(営業時間限定)、錦糸町店では店内でにぎりたての鮨が食べることができる「鮨Bar」(営業時間限定)などの取組は従来のスーパーにおける「買い物する場所」という考え方からは大きく異なる取り組みと言えます。お客様の声に答え、サービス拡大も検討しているとのことです。
 一方で、収益性の課題は大きいとのことが述べられました。従来の小売りにおける「値入」の考え方から転換する必要がある、という提言もいただきました。


[研究員からの一言]

 先日、私自身『BLΛNDE』を訪問しました。店舗に入った瞬間、通常のスーパーマーケットとは異なる雰囲気を感じました。入口の青果コーナーで展開される季節の果物、近海でのとれたて鮮魚、店舗奥のジェラート販売、ワインバーまで、顧客体験を意識した空間であることが、訪問した私にも伝わってきました。

 また、講演の中で、『BLΛNDE』の名前が「ブランデー」に由来し、さまざまな「融合」をテーマにしていることを知りました。従来の店舗づくりの考え方と、新しい顧客体験の提供を融合させ、具体的に具現化している挑戦であると実感した講演でした。

 余談ですが、講演内で満行様より「BLΛNDEに訪問した方は手を挙げてください」との問いかけがあり、会場では半数程度の人が手を挙げました。『BLΛNDE』への関心の高さを改めて認識する機会となりました。 

<注>
各講演の「概要」は、筆者がリアルタイムで聴講した内容をもとに記述しています。聞き違いなどを含んでいる可能性がある点にご留意ください。また、「研究員からの一言」の内容は筆者個人のものです。

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