未界域暗黒界完全解説-デッキ構築編【遊戯王マスターデュエル】
本記事について
本記事は遊戯王マスターデュエル環境の未界域暗黒界の解説投稿です。この記事をもとにした動画を作成するつもりのため、もし内容に対して意見ある方はX(Twitter)の@degurum_mdまでご連絡ください。
エクシーズ召喚及びそのモンスターの事をX、同様にリンクの事をL、シンクロの事をSとして表記しています。
はじめに
未界域暗黒界とは
暗黒界
というテーマと
というテーマを組み合わせる事で遊戯王テーマの中でも屈指の展開力を誇るデッキタイプです。
暗黒界の強み
暗黒界は効果で手札から捨てられた際に、暗黒界カードのサーチであったりドロー、特殊召喚を行うという効果を発動できます。
これは言い換えると効果で手札を捨てるという基本的にデメリットの行為をメリットに変換できるテーマという事で、手札を捨てる事の多いテーマとの相性がとても良いです。
もちろん暗黒界テーマ単体(以降、純暗黒界)でも機能するパワーがありますが、その場合は手札を捨てることができる暗黒界魔法カードや捨てる効果を持つ悪魔族モンスターが初動となるため、基本的に事故率が高く他のテーマと組み合わされていることが多いです。
未界域の強み
未界域は自プレイヤーに対してランダムにハンデスを行い、同名カード以外が選ばれた場合は自身を特殊召喚して1ドロー、自身が選ばれた場合はその場合の効果を発動するカードです。
この同名カード以外が選ばれた場合がとても強力で、モンスターを特殊召喚しつつハンデスで失った分のカードはドローできるため、手札・盤面・墓地リソース総合でみると得しかしないという事となっています。もちろんハンデスはランダムのため必ず得になるとは限りませんが運しだいでとても有利なゲームを進める事ができます。
このハンデスは『効果で捨てる』ため、暗黒界を併用してさらに得(アド)を稼ぐといいうのが未界域暗黒界です。
効果で手札から墓地へ捨てられた場合とは
遊戯王において手札を捨てるというのは大きく分けて2つの種類があります。
コストで手札を捨てる
効果で手札を捨てる
この2つの差はテキストから読み取る事ができ、『手札を1枚捨てて発動できる。このカードは……』という様に効果の発動の前にカードを捨てる場合コストで捨てる処理となり、発動後に手札を捨てる場合は効果で捨てることとなります。
マスターデュエルにおける未界域暗黒界について
歴史
2023年10月現在未界域暗黒界は今後強化がされるデッキとなっています。
2023年6月まで: ゲーム公開から1年と少し経つが大きな新規なし
2023年7月以降から現在: OCG(紙の遊戯王)にて前もって公開されていた暗黒界カードであったり、デスキャスターという悪魔族サポートリンクモンスターが追加される。
20NN年N月: 暗黒回廊というサポートカードやカラレスという融合体が追加されるNo.1 インフェクション・バアル・ゼブル といったカードも期待できる。※OCGでは実装済みで現在MDでは未実装
という歴史と未来があります。
MD公開初期の暗黒界解説動画・記事やOCGの記事についてはそのままの利用は難しい場合がある事は理解が必要です。
ルール
OCGの大会では基本マッチ戦と聞いていますが、MDでは原則1試合での勝敗が全てです。
これは暗黒界にとってとても有利な差です。
暗黒界にとって墓地メタやドロバといったメタカードは天敵となり1枚でとまる可能性を孕んでいますがこういったカードはマッチ戦以外では比較的採用されづらいカードとなっているためです。
未界域暗黒界のゴールについて
採用されるカードについての説明をする前に、未界域暗黒界のゴールを認識して、イメージをつかみましょう。
未界域暗黒界は先攻が強力なテーマのため、その前提でゴールを提示していることは認識しておいてください。
先攻制圧型
効果無効や効果の書き換えを利用した制圧型
暗黒界軸
リンクモンスター等のEx軸
ハンデス型
罠型
デッキ破壊系罠
スキルドレイン等によるビート
先攻ワンキル型
マシュマック型
カタパルト型
一撃必殺居合ドロー型
特殊勝利型
(出張カード群を混ぜた混合デッキ)※本投稿では解説対象としません
私が認識している限り、先攻のゴールは大きく2つに分かれています。
2つからさらに細かく派生し、場合によって複数の要素を持つデッキも作成できます。
派生した分類を上から見ていきましょう。
1.1.1 暗黒界を軸とした先攻制圧
純暗黒界と呼ばれるデッキの安定感を上げるために未界域を組み込んでいるタイプのデッキです。つまり未界域の運に左右されづらい構成のデッキタイプですが、展開力と初動が後述の型と比べて劣る場合があります。トリッキーな制圧が得意で、トロイメア・グリフォンといった永続効果による制圧や暗黒界罠・魔法によるメタデッキとしての動きにアクセスしやすいです。
最終盤面に強力なモンスターを並べる必要性がないデッキレシピにしやすいため、初心者にもおすすめしやすいですが、一方で暗黒界罠・魔法は手札にある暗黒界モンスターを利用して妨害するため、手札管理も必要になる事を想定したデッキビルドが必要になり、とても奥が深くもあります。
妨害を手札やフィールドのモンスターと魔法罠に分散できるため後攻デッキが用いてくる冥王結界派や壊獣に対して強いのもメリットです。
妨害の手段はカードの効果書き換え、永続効果によるロック・妨害、相手ターンに相手フィールドのカード破壊する(暗黒界魔法罠で手札のグラファ墓地送り等)などが軸となるでしょう。
デッキ例
手前味噌で恐縮ですが動画も作ってます。
1.1.2 リンクモンスター等のExモンスター軸
モンスター効果に対しての妨害力が強いデッキです。アポロウーサやアストラムといった強力なLモンスターの他、チューナーを採用してバロネスによる万能無効を両立したりします。
以前はデビフラから罠・魔法を封殺できたのですが、デビフラが禁止になったため相対的に弱体化したデッキレシピとなっています。現在はこのデッキでは魔法・罠をどう対策するかが腕の見せ所となっており使い手の個性が見られる点です。よく見るのは「トライゲート・ウィザード」や「フルール・ド・バロネス」でしょうか。前者は相互リンクが居るためリンク展開についての考慮が、後者はどのチューナーをデッキに組み込んで出すのかが鍵となります。魔法だけを対策する場合「No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー」は攻撃誘導もできる事から優先されます。ただ魔法だけの対策は拮抗勝負1枚で瓦解する危険性を孕むため、私としてはあまり単体での採用はおすすめせず、相手フィールドにモンスターを置く事を前提とした展開や構築と併用することをおすすめします。
相手のフィールドゾーンに「超魔神イド」を出して相手のモンスター召喚・特殊召喚を完全に封じるということをする事もあります。
妨害の手段としてモンスターカードによる効果発動無効や永続効果によるロックが主軸となるでしょう。大体の事ができる代わりにどこまで事故率を下げれるのかが腕の見せ所です。
1.2 ハンデス型
先攻で相手の手札をなくせば(全ハンデスかそれに近い事をすれば)勝てるというデッキです。
基本軸としてはExモンスターで軽い妨害を立てながら、自分フィールドに暗黒界の導師セルリやトリシューラをを特殊召喚する事を繰り返して相手の手札を減らしていきます。かつてはより効率的にハンデスできるシルバというカードが存在していたので比較的全ハンデスは容易だったのですが、禁止となっておりかなり上級者向けのデッキです。
相手の手札全ハンデスは特に運に左右されるため、他の型と組み合わせるのが良いでしょう。
私はこのデッキタイプの経験がそこまで深くないため、デッキレシピはシロちゃまgame様の物を紹介いたします。
1.3 罠型
暗黒界の大型モンスターは墓地から簡単に蘇生できるため、闇のデッキ破壊ウイルスのようなフィールドいる高打点のモンスターをリリースして相手の手札を破壊する罠カードと相性がとても良いです。
また、暗黒界モンスターは主に墓地で効果発動するため、スキルドレインの様なフィールドでの効果無効を受けづらく、スキルドレインで相手のモンスター効果は封じつつ手札を捨てるカード暗黒界モンスターの打点で相手のLPを削りきるという動きをします。
手札が事故っていても初手に来た罠だけで妨害できる可能性があるのはメリットですが、デッキとして考える場合、罠を持ってくる手段を考える必要があります。もちろん他の型をメインにして、運が良ければ罠をセットするという構築でも問題ありません。
最近では三戦の号もでましたので、闇のデッキ破壊ウイルスは使いやすいでしょう。
古くからある型となっています。
また、フェスなどで展開パーツが制限されている場合もこのデッキタイプは使える事があります。
デッキレシピは暗黒界軸やEx軸に強力な罠を入れる構築となりがちなので省略します。
【良いデッキ作れないか試行錯誤中】
2.先攻ワンキル型
先攻のターン中に相手のLPを削る事を目的としたデッキレシピです。
いくつかの型があります。
1と2に関しては基本的に同じです。自身か相手のフィールドに高打点のモンスターを置いてその攻撃力を参照してダメージを与えるカードを利用します。同様の手法で固定ダメージを何回も与えるデッキも存在します。
3の居合ドロー型はデッキを空にする勢いでドローして、デッキボトムに居合ドローを仕込むタイプ。スカルデッドが規制された原因とされています。
4はエクゾディア等での特殊勝利です。少し趣旨とは異なりますが、ターンスキップコンボなどもあります。
での型でも一定の成功率はあり、強力な捲り札が活躍する現環境においては相手にターンを渡さないメリットこそ多いものの、1と2の型に関しては中盤以降に未界域モンスターを駆使して適切なランクのXモンスターを適切な位置に出し維持する必要があったり、3に至ってはデッキを引き切るのが必要とかなり展開が難しいです。また、相手がこちらのデッキタイプを適切に読んできた場合、1枚のキーカードを止められるだけでかなり厳しいというデメリットもあります。初心者にはお勧めしづらいですが、理解している人であれば駆け引き含めとても楽しいデッキタイプでしょう。
デッキレシピはメタクズ様の物を紹介いたします。
どうでしたか?色々な事ができるデッキなのが分かってもらえたかと思います。
主要なものについては私や、先駆者のデッキレシピを載せています。
未界域暗黒界は人によって「馴染む」構築があるはずで、どんなに偉い人が使ってる構築でも貴方にとっての最善ではありません。好みのデッキタイプや組み合わせを選んで、カスタマイズできるように知識をつけていきましょう。
デッキレシピで共通する必須カードについて
未界域暗黒界においてどのデッキでも「これは必須カードだよね」というカードは存在しています。
もちろん意図があるなら抜いても構いませんが、枠がある限り入れておきたいカード達を見ていきましょう。
ただ、それより前しっておいてほしい事があります
前提: 暗黒界のデッキを構成するカードの種類について
暗黒界のデッキを構成するカードの種類は大きく分けると以下に分けられます
メインデッキ
手札を捨てるカード
捨てられて嬉しいカード
それ以外の展開力を補助するカード
エクストラデッキ
制圧札
展開を補助するカード
エクストラデッキに関しては他のデッキでも同じようなものだと重いますが、メインデッキについてはとても特色があります。「相手の妨害をするカード」(手札誘発)や「相手の妨害を防ぐカード」(後攻用のカード)がありません。
※入れてはいけない訳ではないです。それ専用のカードは積極的に採用されないという理解でいてください。
これには明確な理由があります。未界域暗黒界はたとえ後攻となっても相手の妨害は手数で踏み越えるため相手の妨害をメインデッキに入れないという選択を取るり、相手の妨害も手数で受ける事が多く、その方が先行では事故率が下がり後攻でも勝率が安定します。
そのため、未界域暗黒界について理解が浅い内は「増Gもうららも入っていないから入れよう」では無く、その部分はそのままにしてみてください。
繰り返しますが、入れてはいけない訳ではありません。
前提2:捨てる札と捨てられる札
このデッキにおいて手札を捨てるカードはそのまま初動札という理解で問題ありません。もしデッキをカスタマイズする場合どこまで手札を捨てるカードを採用して、それ以外の初動になりえないカードの枚数は何枚の方が良いかというのはある程度考えておくと良いでしょう。個人的には捨てる効果を持ったカードは40枚デッキなら15枚前後は欲しいですね。初手に9割の確率では居てほしいと思います。
では共通する必須カードを見てみましょう。
文字を読むのは疲れたと思うので画像にしておきました。
※権利者の方へ必要な連絡を行う場合、report@degurum.comへとお願いします。
必須カード達
まずは未界域
色がついてるものが該当します。色が濃いほど優先度高め。レベル8は基本後攻まくり札であったり、8エクシーズを出すためのものとなっています。その層を厚めにしたい場合は優先度気にせず2枚づつでも問題ないでしょう。
レベル4の二枚はモスマンが実質的な暗黒界の取引で、チュパカブラが悪魔族で暗黒界とシナジーがあり、デュガレスまで行けるので両方必須級ですね。
ネッシーはハンデスされた時の効果で他の未界域をサーチできるのが強力ですね。このデッキにおいて手札が減らない事は極めて重要です。
ジャッカロープも盤面にすでにモンスターが居る場合に自分が墓地に捨てられた際にそのモンスターとエクシーズに繋げられたりリンクに持っていけるのが強力です。
画像中でビッグフットとジャッカロープの種族が同じことに言及していますが、これは主に「アカシックマジシャン」や「ライトロード・ドミニオン キュリオス」の特殊召喚時に気にする必要があるためですね。
暗黒界モンスターに行きましょう。まず使われないカードは省いています
暗黒界モンスターは上記の通り。
暗黒界軸であればパアル以外は全て採用するのが良いでしょう。
暗黒界魔法罠については、『暗黒界の門』と『暗黒界の文殿』以外は必須とよべるものがないため省略します。
個人的には暗黒界軸でもその2枚以外は必須ではありません。どのカードも事故札になりえます。(なのでコンセプトに合わせて最低枚数入れて最大限に使いましょう)
ここまでデッキの要である2テーマのカードについて示しました。
次は魔法罠やモンスターで入るカードを見ていきましょう。
デッキタイプによって必須なカードは変化します。先ほど紹介したデッキタイプ全てで必要なカードはおよそ2枚しか存在しません。ただ、これも人によって考えが違う部分でしょう。スペースの都合上、終末の騎士やチキンレースはどれも必須というほどではない認識のため省略しています。
個人的には暗黒界の門と貪欲な壺、終わりの始まり、闇の誘惑それらのドローソースの併用はかなり難しいため、相互互換として運用するところから始めてみてください。合計3枚から増減調整するのが良いと思います。先ほどは暗黒界の門は必須枠と言いましたが、デッキレシピによっては思い切って抜いても良いカードの位置ではあります。
Exも見ていきましょう。
主に使われているカードを列挙して、その中で優先度高いものに色がついています。
このあたりはとても自由度が高い領域です。シンクロ軸や融合軸、エクシーズ軸と無限に可能性は存在しています。
追記: ディスパパラッチについてはイドロックで用いる場合、イドの攻撃誘導を行えるという利点があります。
追記2: 上記画像には載せ忘れていますが、セキュリティ・ドラゴンも強力です。セルリのように相手のフィールドに送り付けた暗黒界モンスターの回収などを行えます
〆
今回は暗黒界のデッキレシピの種類とその構成札について簡単に示しました。自分でデッキを構築したりカスタマイズするのに必要な知識はだいたい網羅できたと思います。
次回はプレイングであったり、環境の不利対面について記載予定です。
長文の記事読んでいただき、ありがとうございました。
余談: デッキを太らせて不純物を入れよう!
未界域暗黒界においてデッキは必ずしも40枚である必要性はありません。
太らせるメリットは以下があります。
同じ未界域や暗黒界の門を2枚素引きする可能性が減る
不純物を入れても同時に2枚引く様な事が減る
デメリット
ゼンタ、スノウ、レインといったキーパーツへアクセスできない可能性があがる
割と重大なデメリットです。
ただ、どうしても後攻を重視する必要があってサタンクロースを3枚入れたりする場合はこのデメリットを受け入れてデッキ枚数を増やすべきだと思います。そうしなければ満足に回せるだけの手札にならない可能性があるから。
体感で申し訳ないですが、50枚にすると4~5枚くらいならば完全なロマン枠として運用が可能です。通常の未界域暗黒界にサタンクロース3枚であるなら45枚でも良いと思います。
未界域暗黒界のカスタマイズは内容だけではなくデッキ枚数すら操ってください。
私はプログラムを組んで初動率を確認したりしてます。
未界域暗黒界の可能性について
私は、暗黒界というテーマの本当の強みは「効果の書き換え」で、未界域と合わせた時の強みは「マストカウンターを非公開領域に隠しておける事」だと思っています。