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世界は誰かの仕事でできている~昆布漁編~

人材紹介のお仕事をしていると、めちゃくちゃ沁みるジョージアのCM。

【世界は誰かの仕事でできている】

企業様や求職者さんとの出会いの数だけ、こんな仕事もあるんだな、誰かがこういう仕事をしてくれていたんだな、それが連鎖して・つながって私たちの生活があるんだよなぁ・・と、リスペクトの気持ちを持てる機会をいただいてます。

実は最近、プライベートでもその感覚を味わう機会がありました。

きっと、皆さんもまだ想像されたことのないお仕事ではないかな!?と思いますので、知らない世界をちょっと覗いてみようかな~と気になった方はぜひご覧ください^^

北海道 浜中町の昆布漁

私は今、北海道浜中町からリモートワークをしています。夫の実家でお世話になっているのですが、お義父さんは漁師、お義母さんは飲食店を経営していておふたりとも自営業です。

サラリーマンと専業主婦の間に育った私にとっては、両親揃って自営業というだけでも刺激的なのですが、金沢でふつうに暮らしていると「漁師」って自分の職業の選択肢になかなか入ってこないと思うんですよね!

「漁師」といっても色々だと思いますが、浜中町は『こんぶの故郷』と言われているほど天然昆布が育成するのに最適な産地だそうで、なんと全国の水揚量の1割を占めています。

お義父さんも6月~10月は昆布漁をされていて、今回私たちが滞在する期間とベストマッチ!!先日、はじめてお手伝いをさせてもらいました!

6月 漁に出るチャンスは2回だけ

そんなことも知らなかったんかい、と思われそうですが、漁師といってもいつでもすきなときに自分のタイミングで漁に出られるわけではありません。

天候や波の状況などをみて、漁協が出漁を判断します。

また、時期によってとれる昆布の種類も違います。

今年は6月15日~30日までの間に、棹前(さおまえ)昆布漁が2回出られることになりました。

本漁は7月5日~。10月まで約3か月間で30~40日程度の出漁になるそうです。

今回お手伝いすることになって1番大変だと思ったのは、当日になるまで漁が出るかどうかわからないという点。

毎朝早起きをして、漁協からの連絡を確認しなくてはいけません。漁に出るとなればそれなりに準備も必要なので、明日出るかもしれない!と毎日思いながら、いつ出ても良いように日々を過ごすのって結構大変です。

漁は出なければ全くお金にならないですし、かと言って波が高い日や天候が良くない日に出漁すると漁師さんたちにリスクや負担を背負わせてしまいます。出漁するかどうかの判断をしている人も大変な役割を担っているものだな~としみじみ思いました。

年によっては、6月に1回も出漁できないこともあるのだとか。自然を相手にするお仕事なので、自分でコントロールできないことを受け入れる忍耐も問われますね。

今年の6月は無事2回出漁ができたので、漁がある日の1日の流れをざっくりとご紹介してみたいと思います!

棹前昆布漁の1日

●AM4:00 お義父さんはもう起きています。
漁協からの出漁の連絡をきいて、船を出します。

●AM6:30 家族や親戚も臨戦態勢に
昆布漁は家族や親戚みんなで手伝うため、この時間が起床のデッドライン。
顔洗って歯を磨いて日焼け止めをたっぷり塗って、軍手をはいたらGO!

●AM7:00 お義父さんが漁から帰ってきます
岸壁に次々と到着する船の中から、お義父さんを探します。
船からトラックへ昆布を移し、干場(かんば)まで運びます。

●AM7:20 昆布干し
とってきた昆布を網から出して、1枚1枚天日干ししていきます。
何十本かの塊になっているので、それをほぐしながら片手に2本ずつぐらい昆布をもって、となりとひっつかないように引きずりながら干します。

こんぶ

完成形がこちら!

大人も子供もみんな中腰になってずるずると長い昆布を引きずっていきます。(ちなみに、翌日内ももが筋肉痛になりました笑)

昆布の量や作業をする人の数にもよりますが、今回はこの写真の状態になるまでに2時間もかからなかったと思います。

青空の下できれいに整列する昆布を見ながら、みんなでおにぎりを食べている瞬間が一番達成感がありました~。

●AM10:00 昆布の状態チェック
干し終わってから30分~1時間後ぐらいに、お義父さんが一度渇き具合をチェックします。そこで、午後の作業の大体の開始時間を決めます。

霧がとても出やすい地域なので、天候次第では天日干し⇒乾燥機へ移すことも。

●PM01:30 集める・切る・片付ける
昆布が乾いたら、30本毎に束にして昆布を切っていきます。
集める作業と切った昆布を結ぶ作業は私たちも手伝います。
さらに、切れた昆布も沢山集めておけば売ることができるので、落ちている切れ端もすべて拾い集めて小屋へ運びます。

この後、お義父さんは目視でひとつひとつ昆布の状態をチェックして売り物にする準備をするそうです。私たちが見ても全く判別ができずかえって邪魔になるので、この先は職人の域ですね!

梱包までしたら、漁協に納品します。

棹前昆布はやわらかいので、出汁用というよりもそのまま煮物などに入れて食べてもらうそうです。沖縄でもよく使われているとか!

浜中町の昆布については、下記サイトが写真付きでわかりやすかったのでこちらも参考にさせていただきました。

つながっている

今回私はみなさんの指示を受けながら、言われた通り作業しただけだし、そんなに難しいことはしてなくてたどたどしかったと思うけれど。

今日干した昆布、いつか沖縄で誰かが食べてくれるのかな~
って想像するだけで、なんだか不思議な感覚になりました。

「つながっている」
この感覚がもてると、なんだか他人が他人でなくなるような気がして。

漁師さんのお仕事は特に自然相手でもあるので
私たちってそもそも自然とつながって生きてるんだよなぁという感覚も同時に味わうことができました。

今月も、今週も、今日1日も。
みなさんお仕事本当にお疲れさまでした。

(もちろん、お仕事に家事や育児も含みます!)

今日も自分のために、誰かのために
働いてくれてありがとうございます!

明日からもまたがんばりましょうね。

そして、もしも「働く」ことについて悩んでいたり迷っていたりしたら、いつでもご相談いただければ幸いです。

それでは!


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