【体験】仕事しながら不妊治療時間の捻出方法
不妊治療経験者の5人に1人は退職する現実
仕事をしながら不妊治療を行おうと思うと、どうしても両立が大変になってきます。私の職場はフレックス制かつ、リモートワークOKだったのですが、それでも、それですら、仕事とどうにもならない事態が多々ありました。記事によれば、5人に1人は退職するそうです。
治療中の方は目下直面しているかと思いますが、「治療」にも時間かかるし「治療以外」にも時間がかかります。
治療で時間かかるのはしょうがないとして、なんで治療以外に時間がかかるの?という点ですが、次のようになります。
人気の病院は予約が何週間も先なんてことも…
みんな少しでも確率が高い病院に殺到します。初回の予約とれるのが1か月先なんてのはよくあります。あなたがこの1年で妊娠したいなと思っていたとしたら、1か月はすごく貴重な時間です。私は、この仕事のプロジェクトが〇月に終わるからそのタイミングで産休に入るにはこれぐらいに妊娠して~と、想定組んだりもしてたんですが、綺麗さっぱり通用しませんでした。通院時間
病院とご自宅は何分ぐらいかかりますか?何時間?そもそも近所に不妊治療の病院ありますか?いい病院が近所になければそれだけ遠くに通う必要があり、時間ごっそりとられます。診察(問診)の時間
どの検査も治療もすべては、当たり前ですが診察(問診)をしてからです。私の病院では予約してたとしても、たった3分の診察のために、1~2時間待ってました。診察で色々聞きたいことがあればもちろんそれだけ時間もかかりますし、治療方針を夫に相談しようとなるとではまた次の診察で話を聞きますね、では今日は帰って1週間後!とか平気で言われたりします。検査の時間&検査結果の待ち時間
治療するには検査が必要なものがあります。毎週血液をとられたり、採卵のための卵は育っているかな?とエコー検査受けたり、子宮の内膜は大丈夫かカメラを入れたり…歯医者さんみたいにぱぱっと治療は始まりません。1時間待って診察して、採血して、血液検査の結果を1時間待って、でもめちゃくちゃ診察混んでて、結局2時間待って診察で結果を聞いて、薬を待って、お会計待って、~なんてざらにあります。
というか、検査結果1週間後なんでまた来てください、など。
「こっちは暇じゃないんだよ!!!」と毎度毎度毎度思います。薬の受け取りの時間
検査で問題点が分かったり、治療方針が決まれば、お薬を処方されますが、病院で受け取るもの、処方箋だけ出されて最寄りの薬局でもらってこなきゃいけない場合もあります。これだって3分じゃ終わらないですよね。お会計の時間
病院ってのは会計に時間がかかる(笑)色々終わってへとへとでまた会計で待たされます。必要書類作成の時間
助成金用に役所に出す書類、人によっては会社に出す書類、何かあれば印刷して、ちまちま記入しなきゃいけません。地味に時間かかります。必要書類取り寄せの時間
助成金ように病院に出してもらう書類もあれば、住民票も必要、領収書30枚コピーしなきゃいけないからコンビニのコピー機独占、など記入すればいいって問題ではない書類もありますのでその時間もかかります。
いいですか、上記は治療以外にかかる時間です。
これに治療時間がはいります。
治療時間だけ算出するのは難しいですが、結局私は約1年半ほど、月に1~8回通院し、別途自宅でも自分で注射打ったり12時間ごとに薬を膣に入れたり色々やりました。
時間がとてもとてもかかるのは伝わりましたでしょうか。
問題は仕事をしながらこの時間をどう捻出するかです。
私の具体例を次に書きます。
仕事と両立させるためにやった4つのこと
私がやったことは、リモートOKフレックスOK有給もとろうぜ!という会社だったからできたことです。
(出社がマストのお仕事ですと、途中までは有給や早退などでどうにかなるかもしれませんが長期化すると、時短勤務にしたり休職したり結局退職を選択しないと治療を優先できないのが、悲しいですが現実だと考えます)
【1】「通院時間」をゴリゴリに削る
私は、どうしても行きたい病院がありそこに通ったのですが、我が家から片道電車で45分程度でした。仕事終わってから通院しようにも、みなさん似たような状況で予約がとれません。病院終わってから仕事!にしたくても、どれだけ待たされるか想定しづらく、資料作りならまだしも、会議などは入れられません。
よって、いっそのこと通院時間を消しました。通院時間を消す方法ですが、次の事をやりました。
①始業時間から病院内(待合所や併設のカフェ等)で仕事する
②始業時間から近くのカフェやファミレスで仕事する
③始業時間から近くのカラオケボックスやネカフェで仕事する
④始業時間から近くのレンタルスペース(会議室)で仕事する
リモート勤務OKだからできることですし、状況によるかと思いますが、実際に上記をやっていました。
病院にいつまでもいれる作業スペースがあればでできるのが一番楽ですが、電源とれない、リモート会議はできないなどあれば、カフェやファミレスに移動です。ただコロナの影響でカフェやファミレスではリモート会議しないでくださいという時期もあったので、ネカフェ探したり、気分を変えてレンタルスペースで小会議室をレンタルしたりしました。
ただし、カラオケもコロナで閉まっている箇所も多いですし、ネカフェは座席での電話NGだったり…結局、ファミレスかレンタルスペースの2択でした。レンタルスペース、最近数も増えているので意外と使えます。
【2】病院での待ち時間を減らすために病院に相談してみる
これは正直、病院や担当の医師によりますし、その時の混雑状況にもよります。が、ダメもとで病院の受付や医師に「今日は〇時から〇〇の理由でどうしても病院を出たいのですが可能でしょうか?」と聞いてみてください。
考慮してくれる場合もあります。
私も通院して…3回ぐらいはどうしょうもないときがあって、受付に相談してみました。2回ぐらいはどうにかしてくれました。
【3】会社の上長に相談してみる
雇われの身だと相談しにくい、会社に不妊治療していることを知られるのは心苦しいなど…色々とありますよね。わかります。
ただ自分の人生の優先順位を考えたときに、私は子供を産みたかった、そのためにやれることはやりたかったので、上記の1~2の対応含め仕事の調整も全部やったのちに、どうにもならない時期がきたときに、上長の時間をとって相談しました。
私の場合、相談したとて、仕事量は減りませんし休みが増えたわけでもありませんが、急な対応時に事情が通りやすくなりました。言わないよりよかったかなという感じです。
相談した内容は、仕事を減らしてくれ、とかではありません。会社にとって避けたいのは「あなたが、不妊治療をすることで仕事に穴が開くんじゃないのか」「あなたが、不妊治療で仕事を辞めるとかいいだすんじゃないか(急に人がいなくなると会社が困る)」です。
私が上長に伝えたのは「今、不妊治療をしていて週に〇回ほど通院している、場合によって会議時間の調整を入れたり、仕事の開始・終了時間が変則的になったり、中抜けの時間等が発生しますが、プロジェクトには影響でないようにします。ただ治療で体調を崩したり、どうしても病院から指定された日にいかないといけない日がでるかもしれないので、その際には相談させてください」ということです。状況をお伝えしただけです。
多くの方は、不妊治療で具体的に何をやるのか、全然イメージできません。上長も同じです。どれだけあなたの不妊治療が大変で仕事との調整で悩もうが、上長からすればよくわからないし、そもそも知ったことっちゃないんです。
それを、それを言い方乱暴ですが、ちょっと配慮してほしいのはこちらの都合なので、円滑に仕事を進めるコミュニケーションの一つとして、上長に自分の今の状況をお伝えしておくのは、最終的には私に有利に働くのかなと思い、伝えました。
幸いにも理解ある上司でしたし、妊娠してからも色々と配慮いただけ、私はこの会社で成果を出せるようこれからも頑張ろう!と心に決める要素になりました。
【4】夫の協力要請
仕事と治療で大変な日々ですが、人生それだけじゃないですよね。日常の家事もあるし、家族や親せきの付き合い等々、生きてると色々とありますよね。
ただ治療始まると、仕事と治療で手一杯になるので(私はなったので笑)、夫にたくさん助けてもらいました。
私は不妊治療していることを心配しそうな親には言えなかったですし、実は似たような状況かもしれない同年代の友人にも言えませんでした。
結果、一人で調整し、一人で抱え込み、一人で堪えることが増えます。
病める時も健やかなる時も…で結婚したのであれば、ぜひ旦那さんを頼りましょう。
旦那さんに、病院で今日やったことと、自分の気持ちを伝えてください。やってほしい事も伝えてください。仕事と治療でやばいから、家事でこれはやっててほしいとか、この日は夕飯できてないから外食かウーバーにしようぜ!とか。
私は夫にとても助けられました。最初はあまり辛い事など話さなかったのですが(私が原因の治療なので、愚痴るのは違うかなと思っていました)、そうすると、私のメンタルも持たなかったですし、家のことが回りませんでした。夫も具体的に何やってるのか何が大変なのかイメージわかないので対応に困ったみたいです。
病院がどんなに大変か、薬の副作用が辛いか、仕事の調整が鬼ムズか…当事者ですら直面してわかるレベルなので、他人はわかりません。言葉で伝えましょう。
人によってはそんな辛い話聞きたくないという旦那さんもいるかもですね。それはそれで別の問題発生ですが(笑)
旦那さんも状況がわかったほうが、安心したりします。私も後から夫に言われましたが「辛そうで心配で聞きたいことは色々あったけど、傷つけるのではないかと思って、辛いね、大変だねしか言えなくて、代わってあげられないのが辛くて…治療やめようって言いたかったんだけど…」と…。
…それは~まじごめん、って感じです。
最後に
以上、仕事と不妊治療を両立させるためにやったこと4つでした!
細かい話をすれば、もちろん有給もとりましたし、業務調整もむちゃくちゃやりましたし、業務の見直しや細分化もしましたし、タイムマネジメントを学んだりして生産性上げるなどもしました。
タイムマネジメントはいい学びでしたので共有しますね。ネットにもいろいろとあります。
個人的に突き詰めるところまでやって、最終的に時間捻出で1~4をやったイメージです。
ぶっちゃけそれでも、治療内容によっては足りません。
そうなると、いったん仕事とキャリアをとめて、治療に専念するか、その場合は費用はどうすべきか、などのステップに移行します。
大切なのは、自分が人生で何を大切にしたかかなと今になって思います。
周りから言われたり、周りからどう思われるのか、気にあることたくさんあるかもしれませんが、あなたはどうしたいですか?
周りの人は、あなたが幸せになるための責任はとってくれません。
さらっとまとめてますが、私もスムーズに仕事と両立できたとは思っていません。私のせいで、負担やご迷惑をかけてしまった方々たくさんいます。
それでいいんです、とはとても言えませんが…
アドラーも「馬を水飲み場へ連れていくことはできる。しかし、馬に水を飲ませることはできない」って言ってたんでね、私はやれるだけやってもう色々それはそれはやるんだけど、最終的に相手がどう思ってくれているのかは、考えない事にしてます。