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2024年総務省「通信市場の動向」を要約!最新の通信市場について簡単インプット
先日ニュースにもなりましたがahamo(ドコモ)を皮切りに、KDDI・ソフトバンクもプランの実質値引きを発表しました。楽天モバイルも、2024年にはいり家族割、こども割、13歳以上22歳以下割、シニア割などを立て続けにリリースしました。各社のプラン低廉化競争も、消費者にとっては嬉しい情報ですよね!
さて、本記事ではこの低廉化競争の裏側のお話をしたいと思います。2024年4月に総務省が発表した「通信市場の動向について」資料内容を要約しますので、ぜひ通信市場の近況をキャッチアップしていってください!
何とな~くニュースで見聞きしていると思いますが、この携帯電話の低廉化の動きは、総務省が2020年より本格始動した取り組みによるものです。
ドコモ・KDDI・ソフトバンクの3キャリアの通信市場の寡占状態による携帯電話料金の高止まりは課題視されており、2020年以前より国の課題とされていました。
小難しいので詳細省きますがいくつかの法改正を施行し、現在では、みなさんもご存じのように楽天モバイルの参入や、多くのMVNO事業者の台頭がなされ、携帯電話料金の低廉化が実現しつつあります。
3キャリアもまた、通信費の低廉化に協力的な姿勢をみせている状況のため、低廉化競争は過熱してきています(今のところやや国の期待通りの動向です)。
■総務省「通信市場の動向について」の要約
1.契約数・事業者数の動向
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・MNO(自社回線をもっている事業者)はドコモ・KDDI・ソフトバンクに加え2020年4月に楽天が加わり4者に
・MVNO(MNOから回線をレンタルし通信サービスを提供している事業者)は1,890社と増加傾向
・しかしいまだ3キャリアのシェアが9割強と市場内競争の低迷が依然課題
➡ 3キャリアのシェア率が依然として高すぎるということです!
2.通信料⾦の動向
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・通信料金の平均支払額は、2019年の改正事業法施工前*の約4287.4円と比較し、現在(2024年3月時点)は約2390.9円はマイナス44.2%。通信料の低廉化は大きく進行。
・MNO(主に高シェア3キャリア)が低廉な料金プランを提供しているためMVNOにとって価格優位性が低下。この状況をうけ独立系MVNOは2023年12月電気通信事業法の27条の3の指定対象外となった。
*改正事業法について詳細資料:https://www.soumu.go.jp/main_content/000913308.pdf
ざっくりいうと「端末代金+通信料」あわせて値引きをしていたものを、「端末代金」「通信料」を分離させ「端末代金」の割引に上限を設けることで、「通信料」を安くする動きを起こすための改正。
➡ 携帯電話料金の低廉化は国の期待通り進んではいる!
3.利⽤者の動向
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・乗り換えたい、乗り換え検討中の方の乗り換え先として、「 NTTドコモ:ahamo(19.9%) 」が最も多く、次いで、「楽天モバイル(19.0%)」、 「 UQモバイル:くりこしプランS+5G(11.2%)」、 「Y!mobile:シンプルS(11.0%)」、 「povo(9.8%)」の順。
・乗り換えない3つの大きな理由は「現在のプランに特に不便を感じていないから(24.1%)」、次いで「(乗り換えると、)今より料金が高くなってしまうから(19.3%)」、「手続きを行うことが面倒だから(17.3%)」の順。
➡ 消費者は、安いプランや3キャリア以外の事業者への「乗り換え」に不安を感じている方が多く、各事業者はもっとアピールが必要な状況! 国としても通信市場で競争を常に起こしてほしいと願っている!
4.事業者の経営状況
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・2022年の売上高はKDDI・ソフトバンクは横ばい、ドコモは微減していたが、2023年度は3者とも微増。
・以前、3社のシェアは高水準となっており、3者以外の事業者と競争できる環境整備が重要。
➡ 3キャリアの圧倒的シェアが揺るがない!つよい。。
■タロコ見解
各社の消費者獲得への動き
市場内で競争が発生し低廉化プランが各社から多く出てきたことで、消費者は以前より多くの選択肢が増えました。
一方で、携帯市場のシェア率は依然として3者が多くを占めており、通信市場での競争が継続しにくい状態です。
しかし、消費者はどんどん賢くなってきており、大手3キャリアが低廉化プランを出したとしてもすぐに飛びつくわけではなく、自分に合ったプランを冷静に選ぶ風潮にあると感じます。また、3キャリアを利用しているシニア層の方にとっては、乗り換えはまだ難しい状況かと思いますので、ほか事業者はシニア層への対策を強化するのではないかと考えます。
納得のいく乗り換え先選択のための比較検討
冒頭でも少しふれましたが、ahamoが、20GB→30GBへ利用データが増えたが月額料金据え置きの2780円にするなど注目を集めています。
その点でいうと、楽天モバイルは30GBで3168円(※家族割適用後)となり、「30GB」ピンポイントでみるとahamoのほうがやや安いです。
ただ、ahamoは月額固定ですが、楽天モバイルは「使わないと勝手に費用が安くなる」という料金プランなので、20GB未満の月であれば2068円、3GB未満であれば968円(※いずれも家族割適用後)と自動で安くなるので経済的です。
このような比較検討も、3キャリア以外のプランを乗り換え先選択肢に入れなければ得られない視点だと思います。
現在、MVNO各社プランも含めると選択肢が非常に多いです。各社比較検討した記事も非常に多く参考にしてみてください。ただ、最後はご自身で、各社の最新情報が掲載されているWebページを見に行き確認されることをお勧めします!
選択肢を広げることで検討が当然大変にはなりますが、その先で本当に納得のいく選択ができると思います。
長い歴史をもつ大手3キャリアか、成長のMNO第4者の楽天モバイルか、安さを追求するMVNO各社か。
色々な情報を吸収してぜひ各社を比較検討してみてください!
出典資料「通信市場の動向について」
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