【#ちいハコ】Act.1 ep.2 僕の仕事
最初に教えていただく仕事の内容って
会社で行う仕事の末端も末端の、さらにその先端の部分、というイメージがある。
だけどこの会社はどうやら、そういう僕のイメージを壊したいらしい。
実践的な仕事をさせてもらっている。
型破り、非常識。
ともすれば“偉い人“から後ろ指を指されるやり方だ。
僕はそんなやり方が
気に入っている。
常識で塗り固め、
都合の良い歯車を
量産するのが好きな
この「せかい」のことが、
僕は嫌いだ。
...などと考えていると、
眉間に皺が寄ってくる。
仕事に集中しないと。
あ、ペットボトルを落とした。
置き場所をちゃんと意識して行動しないと。
しっかりしろ、僕。
えーっと。なんだっけかな。
あー。考え事しながらだと仕事が
進まないな。集中、集中っと。
しっかし。
この仕事、ほんとに意味あるのかな。
こんだけの量の過去の取引・事例を閲覧して、
そこから先は自分で考えて行動をおこせ。
としか言われてないけど。
僕としては、
改善案を1つでも多く見つけ出して、それを上に報告して、よりよい方向へとこの会社を進ませる。っていう行動をするつもりだけど。
なんかありきたりなんだよなー。
あ、また落とした。
今のは肘に当たって落ちた。
あれ、なんか配置変わってたな。もしかして誰かがぶつかった拍子に微妙に位置がズレたのか?この部署、この時間、やたら人の出入り多いし。
...などと、分析してる場合じゃない。
「あ。すみません。ありがとうございます。」
親切な同僚さんがサッと拾ってくれた。
「当然のことをしたまで。感謝されるほどのことはしていない」
とでも言うように、サムズアップをしてくれた、と同僚さんのその行動を解釈した。
あ、また分析しちゃってる。
また降ってきたな。今日は仕事終わりに寄る
ところがあるのに...。
終業時間には止んでてほしいな。
...。
そこから約4時間。
そんなこんなでもう終業時間か。
とはいえ、キリのいいとこまで終わらせたいな。
「おーい、ムツキくーん。退勤のタイムカード切れよーっ。もう定時だぞー」
少し離れた位置から先輩社員の方が呼びかけている。あれ、先週までそんな感じじゃなかったのに。
この会社、というかこのグループ。
方針をコロコロと変えすぎでは。
なんか社長さんが変わって、色々なやり方を試しているらしい、みたいなことを上司の方が愚痴ってたような気がするなぁ。
今は退勤時刻に厳しい方針?なのかな。
このご時世、「残業」には何かとうるさいからな。
困ったな、仕事の持ち帰りも禁止だし。
切り替えるか、考えても仕方ないし。
今日の仕事はなんだか、「やりがい」を感じられなかったなぁ...。
to be continued…
*このシナリオはフィクションです。
実在の人物や団体・事件などとは
一切関係ありません。
Act.1
episode.3
6.?.2024.