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カプリコ

高校時代の話。


同じクラスのヒーちゃんが当時のアイドルの追っかけをしていた頃、飼っていたミニウサギのカプリコを預かったことがある。


カプリコはミニウサギなので手のひらサイズ。ひょいっとカゴから脱走して私のベッドの下にオシッコをやられた。カプリコはちっちゃくてかわいいけどまた預かってと言われてもやんわり断ろう…ミニウサギでもオシッコは臭い。

ある日、夜遊びしてヒーちゃんちに泊めてもらった。ヒーちゃんの家は電気屋さんをしていた。ヒーちゃんの部屋は離れにあり夜遊びで遅くなっても店舗兼母屋のお父さんお母さんにはバレない。


ヒーちゃんの部屋は推し(当時はそんな言い方なかったね)のポスターが張り巡らせていて、そのアイドルが常に見ているようで実は落ち着いて眠れない。


電気屋さんの横の細い通路をコソコソ小声で奥に進み、今で言うガレージハウスみたいな狭い(失礼)空間だけどヒーちゃんにとってはアイドルと過ごせる夢の空間なんだろうけど。


夜にその通路を通った時は暗くて気づかなかったが…次の日の朝、ケージの中に何かがいた。物音で気づいたがそこには巨大化したウサギがいた!ケージのサイズギリギリのウサギはおそらくケージの中で向きを変えられないのではないかと思うほどのデカさ。


目を疑った私…。

まさかあの小さくてすばしっこくてフワフワのカプリコですか??

目はギョロッとゴツゴツした眉間。
背中は硬そうな毛で覆われている。

高校生の私にはそれはそれは衝撃的だった。


ヒーちゃんのお父さんに朝ごはんを食えと勧められてもあまり喉を通らなかったほど。


電気屋さんはもう家電や電球の販売はしていなくて乾電池の自販機が店の前にあるのだが乾電池が買えるのかお父さんに聞こうねって話していたのにカプリコの衝撃ですっかり忘れていた。



その後、しばらくして私達は高校を卒業した。ヒーちゃんは上京し、あの電気屋さん、そしてカプリコの消息はわからないまま。



先日、別の友達の誕生日会で使うクイズの問題を考える時に久しぶりにカプリコの名前が出てきた。私の衝撃も同時に蘇ってきた。



動物園の小動物コーナーのニワトリやハムスターやモルモットやウサギ。あんまり得意ではありません。



『いつまでも小さくはないミニウサギ』
かあさん川柳ww





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