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takatsuki_illust
真珠のネックレス
朝の目覚ましをラジオにしてみたら、
「昨日今日と雪の予報も出ていて心配されていた方もいらっしゃるでしょう。昨日は銚子で初雪も観測されましたが、雪雲は海上に逸れて今日はよく晴れそうです」
と話していた。
そうか、今日は成人の日だ。毎年成人の日のニュースと雪の情報はセットで流れている。
祝日、図書館は忙しいので私は大抵出勤だ。
電車が空いていて嬉しい。
少し前のこと。
通勤の電車で、隣に座った小さな女の子が「わたしもそろそろ真珠のネックレスがほしいな〜」と呟いていて可愛かった。
お母さんが「もうちょっとお姉さんになったらかな」と答えると、
「6歳ぐらいになったら?」
「うーん、中学生.......高校生くらいになったらかな」
「ふーん」
「高いからね。大人がつけるものなんだよ」
「そっかあ」
会話の全てが微笑ましかった。
高校の卒業記念品で真珠のネックレスを貰ったことを思い出した。
まだ18歳は未成年で、行動範囲が広がるにつれて未成年であることの不自由さを実感し始めていた高校生の頃。卒業式の日に初めて貰った本物の真珠のネックレスに、これから自分が一人の大人として受け入れられていくんだろうなって何となくだけど感じて嬉しかったな。
今の私は子どもから憧れられる大人になれているだろうか。朝から襟を正す思いになった。