言えんかった。
今日のこと。
電車の中。
吊り革には手をかけずに立っていて、
ラインで文章を打っていた。
すると、急に目の前の人が倒れた。
座ってる状態から崩れるように横になる。
意識が無い訳ではない。だけど、かなり気持ち悪そう。
「大丈夫ですか?」と声をかけてみた。
「大丈夫。」と力無い声が返ってきて。
そこからどうしたものかと。どうしたら良いだろうと、考えた。少し固まった。でもそれしかできなかった。
近くにいた人が「人が倒れてます!」とか「SOSボタンありますか?」とか大きな声で言ってくれて。
でも特に次の駅に着くまで、何をしたら良いかも分からなくて。もどかしさと焦りを感じながら、つっ立っていた。
それから駅に着いて外へ出るの手伝って。
僕ともう1人手伝った方が、大きな声で色々言ってたくれた方に「ありがとね」って言われてた。
惨めだった。
声を出せなかった。
「人が倒れてます。」くらい言えたんじゃないかって。
できんかった。
怖さに負けてしまって。
間違ってたらどうしよう?とか。
余計なこと言ったらどうしよう?とか。
人の視線が怖い。
また言えんかったなって。
何も言う気がなかった訳じゃない。
他人事にしてた訳でもない。
自分のために声を上げていきたい。
そう思っているけど萎縮して。
深いところでは、まだ変わりたくない。できないまま甘えていたい。そんな思いもあって。
そんな惨めさを抱えて、降りた新宿の駅前で撮ったハト。
なんでだろう。
ハトを見るとビクビクして怯える自分が思い浮かぶ。
そんなハトの目は、思いのほか力強くて。
言うのは怖い。
けど、怖い上でどうするか。
どうするか。