癌サバイバーとの生活②
《注意》ここでは、癌サバイバーになった母と暮らす私の目線で経験を書きます。現在、癌を患っている方・支えている家族の方などは、ストレスを感じるかもしれません。心配がある方は、この先を読まないほうが良いかもしれません。
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(前回からの続きです。)
すぐに入院する事になりましたが、抗がん剤を使うのは転移しているか等の検査も必要だったので、すぐではありませんでした。
抗がん剤は何種類もあるそうで、同じ病気の人でもそれぞれ合うものが違うようです。また、効果があるかどうかは、しばらく使わないと分かりません。ちなみに、抗がん剤は、同じものを長期間使っているうちに、使っている抗がん剤は効果がなくなってしまいます。
だから、いかに早く病気に気づいて受診をするかが重要だと思います。怖いけれど、きっと手術で取り除けるうちに受診した方が良いです。
抗がん剤の処方が始まると、面会をしに行った私に「今日は帰って!」と言うこともありました。みなさん知っての通り、副作用で嘔吐と脱毛がありました。
食欲もなく、どんどん体重が落ちるばかりでした。
この時に、私が心がけていたことは、なるべく病気の話をしないこと・母の前で泣かないこと・退院したら◯◯に行こう!や、◯◯を食べよう!と楽しみをつくることでした。
かなり進行していたので、癌が消滅することはありませんでしたが、少しだけ小さくなりました。
退院後は、通院して抗がん剤を処方される事になりました。
私は、母に何かあれば仕事を休んだり早退したりしないといけないので、職場にも伝えていました。
すると、良かれと思ってのことだと思いますが…
職場の人で、私に何度も「お母さん大丈夫?」と聞く人がいました。これがしんどかったです。
母は治る見込みがない進行する病気なので、「大丈夫?」と聞かれるのは辛くなります。
はじめは、あまり心配させるのも悪いな…と「大丈夫です。」と答えていましたが、だんだん疲れました。
途中から、興味本位で聞いてんのか?とさえ思いました。
たまに、「ステージは?」と聞いてくる人もいます。
内心苛立ちます。失礼すぎる。
寄り添おうと思うのなら、ただ側にいて、いつもと変わらないどうでもいい話をするだけで十分です。
患者や家族が病気について話さない時は、無理に聞く必要ないのです。