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【DeFimans勉強会】世界的金融不安が引き起こす、仮想通貨市場への大きな影響

2023年3月10日、Ethereum Price ChartによるとEthereumの価格が一時的に急落し、直後再び価格上昇となりました。この背景にあるものは一体なんなのでしょうか。

シリコンバレー銀行の破綻

背景にあるのは米銀行のSilicon Valley Bank(SVB)の破綻です。アメリカのシリコンバレーを中心にスタートアップ企業などに金融サービスを提供する銀行であるSVBが倒産したことで、準備金を預けていたステーブルコインUSDCに信用不安が発生。一時ドル連動を大きく外れたことで大きく売り込まれ、価格は0.87ドルまで値下がりしました。

USDCチャート

そもそも、ステーブルコインとは?

ステーブルコイン(Stablecoin)とは仮想通貨の一種で、一定の価値を持ち続けるように設計された暗号通貨です。ステーブルコインの価格は通常、法定通貨(例えば、米ドル、ユーロ、円など)にペッグされています。

ステーブルコインは仮想通貨市場の変動性や不安定性を軽減するために利用されているため、一般的には、仮想通貨市場に参加する際に法定通貨の価値の上昇や下降による損失を最小限に抑えることができます。また、ステーブルコインは、ブロックチェーン技術を利用した金融サービスや、国際送金、オンライン決済など、様々な用途で利用されています。

ステーブルコインには、中央集権型と分散型の2種類があり、中央集権型ステーブルコインは、一定の金融機関や企業が発行する場合が多く、法定通貨を担保に発行される一方、分散型ステーブルコインは、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによって発行され、ユーザーが担保を提供することで発行される場合が多いです。

USDCの価格が1ドルから外れた原因は?

今回話題に上がったステーブルコインUSDCはCircleとCoinbaseが共同設立したステーブルコインの一種で、1 USDCは1米ドルにペッグされた暗号資産でした。
USDCの価格は、1USDC=1ドルで固定されており、Circle社が保有するドルの準備金によって裏付けられています。USDCを購入する場合は、1USDC=1ドルの価格で購入することができます。また、USDCを保有している場合は、いつでも1USDC=1ドルで、Circle社によって銀行振込みによる償還が可能です。
しかし、シリコンバレー銀行が破綻したことにより、Circle社での銀行振込みによる償還が一時停止されました。これにより、USDCの信用不安が高まり、USDCの価格が1ドルから外れることになりました。
信用不安が高まると、償還再開を待たずに、USDCを売却する動きが増え、価格が下落することになります。これが、USDCの価格が1ドルから外れた背景にある要因です。

今後注目される金融の動き

この事件を受け、USDCを売って買われたものの一つがビットコインやEthereumといった仮想通貨です。ステーブルコイン最大手のUSDTも買われ、710億ドルから720億ドルに時価総額を増やし、1日で、2年もの米国債金利は9.3%、10年もの米国債金利は3.9%低下するという事態に発展しました。

米金融当局の利上げペースの減速および停止思惑がETH上昇の主因とも見えますが、金融システムの安定を優先し、このタイミングで政策転換されるかどうかは、今後注目されることでしょう。

(勉強会内容:北野、文:ちゃんぺっつ)


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