両手に華な箱根旅行
先日、友人2人と一緒に箱根に行ってきました。
僕の仕事の関係で集合時間は13:00。
少し遅めのスタートですが、そんな怠惰さえ感じる遅めの集合時間こそが旅の高揚感を加速させました。
みんな、僕の仕事に合わせて待ち合わせ時間を遅くしてくれたのに勝手にワクワクしててごめんな。
ガキンチョムーブをカマしてしまい前日の夜は一睡もできなかったので当日の朝仕事をした記憶が殆どありませんが、
柄にもなくきちんと整理した荷物を持って新宿に集合していたので恐らく仕事はしたのでしょう。
ある程度真面目に仕事に取り組んでいる僕ですが、この日だけはそんなことはどうでも良かったのです。
友人と旅行に出かけるのなんて何年振りでしょうか。
鈍行で揺られる小田急線に乗って、僕はあの日体験できなかった青春を今まさに取り戻そうとしていたのでした。
電車の中を舞う羽虫も、手すりにかかった蜘蛛の巣も、都会の汚い人と街に比べたら可愛いもんです。
車内でウトウトしながら見た景色に、僕は故郷を重ねていました。
小田原で乗り換え、初めに向かったのは箱根湯本。
初日は観光はそこそこに何か美味しいものを食べ、すぐに宿にチェックインする予定だったので商店街を少しブラブラしました。
串に刺した餅と、串に刺したチュロスと、串には刺さっていない牛肉を食べました。
どうやら串に刺した食べ物は外で食べると素材の味が生きるらしい。
美味しい食べ物も良かったけど、あてもなく灰皿を探す旅が僕は一番好きでした。
宿は山の中にあり近辺にコンビニもないということで、食事を済ませて夜食を買い込んでからは宿へ向かいました。
宿の設備や内外館も素晴らしいものでしたが、そんなものそっちのけにして僕らは自分たちの写真を撮り、温泉に入り、次の日の予定をリスケしなければならない時間までカードゲームをして過ごしました。
今年で30になる僕ですが、この歳になってこんなことに付き合ってくれる友人がいるのは決して普通ではない幸せな体験だと思います。
1日目の箱根の夜は曇り空時々小雨。
東京では地下鉄が水没するほどの雨が降ったそうですが、そんなものこちらはどこ吹く風。快晴な2日目を迎えました。
漁港で寿司を食べ、僕らの胃袋はもうあの頃に戻れないことを嘆きました。
頼みすぎたご飯を食べ切るのに苦戦してしまい、気づけば乗るはずだったバスの時間がかなりギリギリの時間に。
そんな時はタクシーです。
10代の僕へ。僕は大人になったぞ。
タクシーのおかげで黒卵売り場の営業時間に余裕で間に合った僕らは大涌谷へ。
自然とはすごいですね。なぜ硫黄なんてものが狼煙を上げながら地面から立ち込め、それが壮観な景色となりうるのか不思議でした。
お目当ての黒卵とお土産を購入し、ロープウェイで下山。
ロープウェイを降りた先で、船に乗って港へ。
船の外観写真は友人が撮ってくれたのですが、人が多くて写り込んでしまってるので載せるのはやめておきます。
当の僕は船に乗る前も乗った後もなんだか興奮して写真を撮ることを忘れていました。
新潟出身の僕は小さい頃にフェリーで佐渡に行ったことがあってそこで盛大に船酔いをした記憶があったのですが、今回の渡航では全く酔わなかったです。
フェリーほど大きく船が揺れなかったというのもあったと思いますが、綺麗な景色とこの旅の楽しさが僕の三半規管を正常に保ったのでしょう。
船を沿って揺れる白い波を見ながら、遠く湖に佇む鳥居を見ながら。
僕はこの旅行がもうすぐ終わってしまうことの寂しさとか、もう少し優しい人になってもいいかもなとか、ぼんやり生きていたからこんな幸せを当たり前に感じていて鈍くなっていたなとか。
なんともセンチメンタルなことを考えていました。
船を降り、とうとう旅も大詰め。箱根湯本に戻ってきました。
駅の近くで川を見つけ、みんなで休むことに。
何も考えずにみんなで川の流れを見ているだけで、僕は満足でした。
そうです、これだけで僕は満足なのです。何を欲張っていたのでしょうか。
都会は何かと誘惑が多くて、漫画で見たような悲しいことが沢山起きます。
明るかったあいつが犯罪に手を染め、僕を支えてくれたあの子は自ら命を絶って、倹約家だったあいつはギャンブルで借金まみれです。
そんなことお構いなしにこの川の水は流れていて、それを見ていると少しだけ自分の心も洗われたような気がしました。
沢山ひどいことをしてきて、されてきて、
擦れた大人になってどこかそれでいいと思っていましたし、自分を守るにはそうしかないと思っていましたが。
仮に僕が短命で60まで生きるとしても今でようやく人生の折り返し地点です。
何かを悟ったつもりになって諦めてしまったり、過去のトラウマを足枷にして生きていくなんて悲しいことだからやめようと前向きになれた旅行でした。
結局1泊2日の予定だった旅行は延長戦に突入し、新宿で朝を迎えて仕事に直行。
仕事後は同じメンバーでご飯を食べ、解散しました。
みんな本当にありがとう。楽しい旅でした。
仮にもダイエットのブログなのにろくに更新もせず、食べてばっかりで幸せで申し訳ありません。
体重の減らない僕でした。
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