【考察】奪い合いが起きないバチェロレッテ?なぜバチェロレッテ3は波乱の展開となったのか🌹
バチェロレッテシーズン1が始まったと思ったらあっという間にシーズン3まで来てしまった。
シーズン3が始まるという話はきいていたものの完全に出遅れて、ちまちまとみていたのだが、Xのタイムラインがあまりにも同じ話題でうまっているため一気見した次第だ。
同じ話題とは何かというと「ジーンズ加藤の本気にさせて欲しい」から始まり「セバスティアンの妹発言」「梅谷友達発言(これに関しては認識の齟齬あり?)」「ローズ欲しくない北森」「選ばれても付き合いたくない櫛田」・・・といったバチェロレッテを奪い合わず、むしろファイナルローズを譲っているかのようにみえる一連の行動についてだ。
ここから、ハイスペ女性はモテない〜とか女は愛嬌が大事〜といったジェンダーも絡みそうな社会派モテ論争まで勃発している。
バチェロレッテジャパンは今回含めて3回目なのでパターンや出場者の傾向が決まりきっているわけではないのだが、今回は辞退者が多く出るという波乱の展開となった。
1視聴者として最終回を楽しむためにもなぜこのような事態となったのか、独断と偏見をまじえつつ考察していきたい。
ちなみに想像以上に長くなってしまって読みにくいのでご了承いただきたい。
今回の主役・バチェロレッテ武井亜樹
まず語らざるを得ないのは今回の主役、バチェロレッテ武井亜樹さんについてだ。
亜樹さんは東大卒、元官僚の才色兼備。現在、フリーランスとして宇宙関連のプロジェクトに携わっているという誰がどうみても聡明で自立しているハイスペックな女性だ。
バチェロレッテ1の萌子さんや、2の美紀さんが聡明でないということではないのだが、やはり一線を画しているのは間違いないだろう。
萌子さん美紀さんがモデルやタレントを経験してきたのに対し、亜樹さんは(ミスユニバースセミファイナリストに残ったようだが)芸能活動ではなく官僚としての就業経験がこれまでのメインの経歴である。
そのためか、萌子さんが「自分をもっている、快活、圧倒的なオーラ」。美紀さんが「受け入れてくれる寛容さ、女神」といった言葉で形容される一方で、亜樹さんの場合は「完璧な東大卒元官僚」という肩書きが先行してしまっている印象がある。
性格や人柄は「知性と感性(行動力)をあわせもつ」という言葉で表現されており、彼女のインタビューや言動を見る限り男心をくすぐりそうな乙女な一面もあるんだろうなと思うが、あまりそういった描かれ方はしていない。
そうした見せ方も相まって、理性で物事を考えているなという印象をより受ける。
よく話題に上がるレッドカーペットでの「牛触らない問題」「マヌカハニーあーん拒否事件」などはまさしくその表れで、ノリで許容するのではなく、理性をもって断るという対応をしている。(し、その場面をカットせずきちんと放送している)
また、どこまでも自分の気持ちに嘘がつけなかった真也や私の旅を貫いた萌子さんといったこれまでのバチェラーバチェロレッテと比べると、亜樹さんは私や自分に関する情報が見えてきにくい。「自身のパートナーを探す旅」「ありのままの自分」というワードは使っているものの、具体的にどう思っているのか、どういうことを大事にしているのかが言葉としてあまり伝わってこない。
本人も早い段階での自己開示が苦手と言っているので仕方がないのかもしれないが、伝わってこないだけで、亜樹さん自身の中で大事にしている価値観や事柄があり、自分をしっかりもっていることがまた物事を難しくしているのだと思う。
例えば「バチェロレッテなんだから普通じゃダメ、自分は普通ではないと思っている」亜樹さんにとっては、櫛田さんの普通発言がショックだったのだろうが、周囲からすると亜樹さんの価値観がわからないためなぜ突然ショックを受けたのか最初は理解できなかったのだと思う。
また、自己開示をしないと参加男性も自分のことを話しにくいのも事実だろう。実際、過去の恋愛の話はジーンズ加藤くらいしかしてなかったんじゃないか?というくらいサラッとだし、惹かれるタイプや幼少期、家族、仕事、今後の夢など男性陣のパーソナルな部分が視聴者には伝わってきにくい。
本人が他愛のない会話を好むと言っていたので余計そういった話をしたがらないのかもしれないが、早い段階である程度パーソナルな話をした方が恋愛関係には発展しやすいだろう。
そのため、全体的に淡々と進んでしまっている印象を受けた。(あえてそういう編集にしているという制作側の意図もあるのかもしれないが)
さらに、亜樹さん自身の恋愛観からすると「限られた時間の旅」ではなく「ゆっくり時間をかけて」する恋愛が向いているのだと思う。
限られた時間だからこそ、これまでのバチェラーバチェロレッテが自己開示をし相手を知るということに注力してきたが、結局あまり自分を出さないまま相手のことも知らぬまま終盤に来てしまったので恋愛的要素が薄まってしまったように思う。
ここまでをまとめると亜樹さんのこれらの気質や行動がバチェロレッテという特異なシチュエーションでは活きなかったように感じる。
理性的な言動
自分の思いや価値観など、早い段階での自己開示が得意ではない
ゆっくり時間をかけて恋愛したい
バチェロレッテ内での言動から亜樹さんはモテないハイスペ女性なのでは?と巷で言われていたりもするが、私自身はそんなことはないと思う。
確かに、男性は女性の容姿(美醜ではなく自分のタイプかどうか)を重要視する傾向にあると思うし、学歴や職歴はそこまで重要視しないのでアドバンテージにはなりにくいだろう。(むしろ一部の男性は自分より肩書きが優れている女性を嫌うかもしれないが、今回の参加男性にはそういった考えはなさそうだ)
だが、亜樹さんの場合はあれだけ賢く、お綺麗な方なのだからモテてきたのだと思う。
むしろ賢いが故に、思わせぶりな態度をとらないように心がけていたのではないかと感じる。
愛想はありつつも恋愛関係を匂わせないフランクな言動は、友人や同僚としてであれば心地良いし、一般社会でやり過ごしていくには重要な処世術だと思う。
実際、一般社会で出会ってすぐ恋愛関係に発展することは少ないだろうし、亜樹さん自身ゆっくり時間をかけて恋愛するタイプとのことなのではじめからアクセル全開!恋愛モードに突入することはほぼなかったのだと思う。
ただ、前述したようにバチェロレッテにおいては限られた時間内でよーい、どんで恋愛をスタートさせなければならない。いくら主役といってもこれまでやってきていないことをいざやるのは難しい。
またそうした行動は、亜樹さんのいう「ありのままの自分」から逸れるものだからこそ、これまでの自分のペースでの恋愛を貫いたのだと思う。
真面目でスマートな参加男性たち
シーズン3が異質なのは、バチェロレッテ本人だけではない。バチェロレッテのお相手となる参加男性たちもこれまでのシーズンとは異なる男性揃いだ。
シーズン1、2と参加男性たちは、売名か?と思うくらいキャラが濃かったり、無職をオブラートに包んだかのようなあまり聞き馴染みのない職業の人も多かった。だが、今回は内科医、歯科医、獣医、実業家、経営者などいわゆるハイスペックな職業の男性が多く、スマートな言動と真摯に向き合う姿勢を感じさせてくれる。
シーズン1.2と序盤からテンションが高かった男性陣と比べると落ち着いているなという印象を受けた。
落ち着いていること自体悪いことではないのだが、恋愛においては本能的になる瞬間も必要だと思うので、そういった瞬間があまり来ずに序盤から一定のテンションで進んでしまった感がある。
萌子さんのときはある種宗教のような崇拝っぷり、美紀さんはキャバ嬢と揶揄されていたモテっぷりだったが、今回はそうした熱狂さに欠けるのだ。
男性陣のテンションが高ければ、また亜樹さんが男性陣を鼓舞することができれば、恋愛モードに突入したのかもしれないが、お互い良くも悪くも空気を読んでしまったのかなと思う。
亜樹さんと今回の男性陣のハイスペ×ハイスペの組み合わせだと、冷静になれる時間が多すぎたのかもしれない。
男性陣が亜樹さんのことタイプじゃないだけでは?という意見もあり、人の好みはさまざまなので難しいところなのだが、これまでのシーズンでもバチェロレッテにハマっていなかった参加者はいた気がする。
また、今回の飯野さん小川さんのように愛を注いでくれる男性はしっかりといるのだ。
亜樹さんに足りなかったのは、自分にハマっていない人を早めに見極めて切り捨てる、もしくは愛を注いでくれる人はある程度残して他の人にも対抗意識をもたせるといった、取捨選択や見極め能力だったのかもしれない。
逆にいうと萌子さんはそうした見極め能力にもの凄く長けた人だったのだと思う。
男性陣の性格の話に戻ると、その真摯さが1番仇となったのは、真摯に向き合うがあまり、男性陣が「亜樹さんのことを好きになれていない」という自分の気持ちに嘘をつけなかったことだと思う。
番組と真摯に向き合うという意味では、最後まで亜樹さんを立て、亜樹さんに選んでもらう=番組としての綺麗な終わり方に徹することもできたと思うが、これまでのバチェラーバチェロレッテであれだけ終了後のふたりの行方が気にされていたら、好きじゃないのに嘘をついて選んでもらうことは彼らにはできなかったのではないだろうか。
ある意味「もっといい人選出できたんじゃないの?」と思っていたオブラート無職男性たちもバチェロレッテにおいては必要なのかもしれない。
滞在期間1ヶ月?制作上の都合
最後は制作側の話だ。
具体的にどういう意図で制作したかなど全く知らないのでほぼ推測になってしまうがご了承いただきたい。
まず、今回のバチェロレッテ3を制作するにあたりバチェロレッテのキャスティングは悩んだことと思う。
シーズン2の美紀さんが「モテオーラ全開、強くて自立した女性じゃなくない?」と騒がれたり、5代目バチェラー長谷川さんが「バチェラーっぽくない」と言われたりと主役を誰にするかで評価が大きく変わるからだ。
結論、才色兼備な自立した女性という視聴者の感覚ともあまり相違のない、いわゆるバチェロレッテ像にあった女性をキャスティングできていると思う。
ただ、バチェロレッテ像にあっている女性だからといって視聴層が思い描くバチェロレッテのストーリーになるかというのはまた話が別だったということだろう。
その他、1番きついなと感じたのは滞在期間だ。
予算の削減なのか出演者の休みがとれなかったのかはたまた両方なのかわからないが、1ヶ月という滞在期間は厳しいものがある。
ぼーっとしていても1ヶ月はあっという間に過ぎるのに、その間に運命の相手を見つけて両親に挨拶してなど一気に物事を進めるのは慎重派な今回のバチェロレッテのメンバーとの相性が特にあわなかった気がする。
期間が短いからこそ、ロマンチックで劇的な展開で緩急をつけないと余計になあなあになってしまうと思うが、デート内容も料理や田植えなど日常的なものが多く、ヘリなどの非日常的なデートがなかったのも恋愛的要素を感じにくかった部分だと思う。
さいごに
さいごにまとめると、ここまで恋愛要素が薄くなってしまったのは「亜樹さんの気質・性格」と「参加男性の気質・性格」「制作上の都合」によって上手いこと化学反応が起こらずに、淡々と進んでしまったことに起因していると思う。
誰が原因、ここが大きなきっかけとかではなく、最初からそういう空気があってそのままその流れが変わらなかったのではないだろうか。
恋愛要素が少ないことを嘆く声も多いが、ある意味、そうした煮え切らない感じも含めこれまでのバチェロレッテ市場1番リアルな恋愛に近いのだと思う。
確かに、私たち視聴者はそうしたバチェロレッテを観たいのかと言われればそうでもないのかもしれないが、その現実味がかえって面白かったり応援したくなったりもする。
事実、賛否両論がありながらもこうして話題になって、あーだこーだ言いながらみてしまうのも巧妙な制作側の意図なのかもしれない。
そして、まだ最終回はどうなるかわからないのだ。もしかしたら日本に帰ってきてゆっくりと愛を育む・・・なんて展開もあるかもしれない。
これまで以上の怒涛の展開を期待して最終回を待ちたいと思う。