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空母

作戦指令
以下は空母打撃群へのOPORD(作戦指令)の例。

FROM: 第二艦隊
TO: 第十八空母打撃群司令官
SUBJ: 作戦任務メッセージ四◯一号 二◯二四年六月十九日
1. A2/PERIOD/六月二十四日二◯◯九◯◯Z-六月二十四日二一◯九◯◯Z
2. A3/ADMIN/第十八空母打撃群は六月二十四日二一◯九◯◯Zまでにデンマーク海峡を渡り、北緯六十八度三十五分西経十七度五十五分の地点へ移動してさらなる指示を待て。
3. B1/CONDUCT/道中は戦闘警戒態勢を維持せよ。アイスランド上空の飛行を許可する。グリーンランドからは十二海里の距離を維持せよ。道中にはロシアの水上及び水中勢力が潜んでいる可能性がある。
(以下略)
BT
NNNN

発艦
「On the fight deck, aircrews have manned for the 2100 launch. Time for all personal to get into the proper flight deck uniform…」
O10レベルにあるプライ・フライから5MC(甲板放送)でエア・ボス(飛行長)の中佐の声が響き渡る。
操縦士はO3からキャプテンズ・ラダーでアイランドのO4に上がる。ちなみにO5には礼拝堂がある。
飛行甲板に出たら、エンジン始動の合図があるまで操縦席で待機する。水兵がポジション・ボードを掲げたら内容をニー・ボードに書きとる。
NEAREST LAND: NORDESTE 231/320
飛行長「Start the go aircraft, start’em up」
着付長の指示でAPUを始動したら、黄シャツの甲板士官の誘導に従ってカタパルトまで移動する。黄シャツの合図で翼を広げる。トラブルシューターがパネルは閉じているか、フラップの角度は適切かを点検する。その後、黄シャツは赤シャツに指揮を渡す。赤が機体に兵装を取り付けている間、操縦士は両手を上げて何も触っていないことを示す。
指揮は再び黄色に戻る。操縦士が黄色の指示で射出バーを下げると、緑シャツが前輪にホールドバック・バーを取り付ける。射出バーをシャトルへ接続した後、機体が少しだけ前へ引かれる。
操縦士はカタパルトにいる間に航法画面でMARKを押す。そうすれば母艦がエムコン実施中でも、タカンでMARKを選択するだけで速度ヴェクターが発艦時にマークした位置を向き、迷わずに帰投出来る。
黄色がテイク・テンションの合図を出したら、操縦士はスロットルをミリタリーまで押し進め、射出バー・スイッチを上げ、操縦桿を回して方向舵ペダルを踏み、計器と飛行制御システムのページでエラーが出ていないか点検する。カタパルト士官、通称シューターが掲げた掌を開いたらバーナーに点火。操縦士は機体に異常がなければシューターに敬礼する(夜の場合は機外灯を点ける)。シューターは答礼し、カタパルト・セイフティ・オブザーバーがワンドで前方を指しているか、トラックに障害物がないか、トラブルシューターが親指を立てているかを確かめる。そして艦首が上がり始めた瞬間に跪いて甲板に触れ、前方を指す。次の瞬間、機体が4Gで撃ち出され、シャトルがウォーター・ブレーキに突っ込んで艦橋やO3レベルまで届く振動と轟音を引き起こす。

着艦
まずはケース1の場合。
着艦には機重制限があり、LRASM装備時などは重過ぎて着艦出来ないので投棄する。兵装を投棄するにはステーションを選択し、SELECT JETTを押す。EMERG JETTを押すと全ての兵装と増槽を一度に投棄出来る。
タワーからチャーリー(着艦許可)信号が出るまで、各編隊は空母の左舷側で直径五海里の円軌道を反時計回りに飛んで待つ。各編隊は千フィートの高度差をとり、編隊が着艦するたびにタワーの指示で高度を千フィートずつ下げる。デルタ・イージー信号が出た場合は空中でそのまま待機する。
チャーリー信号が出たら、テイル・フックを下げ、電波高度計に切り替え、三百五十ノット、八百フィートでイニシャルに入る。MPCD(多目的カラー画面)右上のCRS(針路)スイッチを左右に倒してHSIの針路をBRC(基準着艦針路。要は空母の針路)に合わせる。左旋回して追い風レグへ。二百五十ノットで着陸脚とフラップを下げる。着艦前点検項目を確認する。
「三輪ともダウン・アンド・ロックト、フラップ・フル、フック・ダウン、アンチスキッド・オフ、ハーネス・ロックト」
着陸脚が下りない場合は、百八十ノット以下で着陸脚ハンドルを下げ、時計回りに九十度回し、ディテントまで引く。
六百フィートで水平飛行に移り、百四十ノットに減速する。左旋回して最終アプローチへ。着艦したらボルターに備えて直ちにバーナーに点火。フックがワイアを引っ掛けたらスロットルをアイドルに戻す。ちなみに艦尾側が一番ワイア、艦首側が四番ワイアだ。着艦後、黄色の指示でフックを上げ、ファウル・ラインの外へ出る。駐機場に着いたら、青が車輪止めと鎖で機体を固定し、赤が兵装を取り外す。操縦士は黄色の合図で翼を畳み、エンジンを切る。風防を開けると機付長が梯子をかける。

ケース1着艦

続いてケース3の場合。
ケース3では空母の十海里手前からストレート・インで着艦する。マーシャルにチェックインするところまではケース1と変わらない。
マーシャル「レイヴン四◯一、ケース3着艦、CV1アプローチ。BRC一三一、母艦の天候は一面曇り、雲底五百フィート、雨と霙で視程は二マイル、高度補正値二十九・八二、方位二六二に進め」
LSOプラットフォームでは慌ただしく着艦の用意が進められている。
「ギア・セット、ライノ」
フォン・トーカーが用意が整ったことを告げる。
マーシャル「レイヴン四◯一、方位二七◯へ進め。一番ボタンでアプローチ(LSO)にチェックインせよ」
「アプローチ、レイヴン四◯一。燃料五・三」
着艦一分前。
LSO「レイヴン四◯一、三海里、降下を開始せよ」
十五秒前。機体がグルーヴ、つまり最後の四分の三海里に入った。
「四◯一、 四分の三海里、コール・ザ・ボール」
「四◯一、ホーネット・ボール、四・二」
LSOはボール了解の合図に緑のカット・ライトを点灯させる。

レンズ

ボールが見えない場合はクララとコールする。
「クララ」
「パドル(LSO)捕捉、着艦続行」
「ボール」
LSOはプラットの白黒画面で機体が十字の中心に来るように操縦士に指示を出す。画面の端には風速や時刻が表示されている。
「グライドスロープに乗った。少し高い(低い)。出力を上げろ」
時化っている場合はレンズの代わりにMOVLAS(手動操作式視覚的着艦支援システム)を使う。
プラットフォーム前の甲板情況灯が赤く点灯すると、フォン・トーカーが「ファウル・デッキ(着艦中止)」と叫ぶ。
着艦の様子はプラットに表示される。プラットはプライ・フライ、艦橋、司令艦橋、CIC、エア・オプス、TFCC、サプロット、各士官室、士官食堂などあらゆる場所に設置されている。プラットには現在地や速力が表示される慣性航法チャンネルもある。
着艦後、プラットの視点がセンターライン、続いてアイランドに切り替わる。
一分後には次の機が下りてくるので、操縦士は黄色の誘導に従い急いでファウル・ラインの外に出る。

ケース3着艦

その他
・出航時は1MCで「underway, shift colors」
・当直は深夜零時に始まり四時間ごとに交代する。当直中は三十分ごとに1MCで船鐘が鳴る。鐘の回数は鳴るたびに増えていき、交代時間の八点鐘でリセットされる。
・毎日二二◯◯に神父が艦橋から1MCで夜の祈りを捧げる。
・フラッグ・メス 司令食堂。O3レベルにある。専属の兵曹が給仕を務める。
・Jダイアル 艦内各所を繋ぐ無電池電話
・SUPPLOT 提督の会議室。ウォー・ルームとも。TFCCと並び空母で最も機密性の高い部屋の一つ。右舷側にはスクリーンがあり、情報士官(少佐)がスクリーン上の地図にカーソルで矩形(くけい)を作って離すと、選択した地域の経緯度やシーレーン、航空路が表示される。司令食堂やTFCCとは扉で通じている。
・TFCC 戦術司令指揮センター。フラッグ・プロットとも。正面には二枚のスクリーンがあり、リンクやGCCS(全地球指揮管制システム。ギークスと発音する)、COP(共通作戦図)、AISなどが表示される。部屋の後方にはバトル・ウォッチ・キャプテン(少佐)のコンソールがあり、その前に四つのコンソールが並んでいる。

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