Bridge Over Troubled Water - Simon & Garfunkel
夜遅くにアマプラで『ベイビー・ドライバー』を鑑賞し、改めていい映画だなあと思い、よし、明日の朝はコーヒーを飲みながら、サイモン&ガーファンクルの『Bridge over Troubled Water』を聴くとしよう!と心に誓い眠りにつき、目が覚めたら嵐だった。
ガラス窓を木の枝が叩く音がうるさいので、ヘッドフォンを装着し、Baby Driverに針を落とすも、何度か聴くうちに「So Long, Frank Lloyd Wright」が気になり始めた。ヘッドフォンのおかげで、普段よりも歌詞が耳に入ってきたからかもしれない。
フランク・ロイド・ライトといえば、誰もが知る近代建築の巨匠。水平ラインが印象的な重厚なものから、グッゲンハイム美術館のような奇抜な建築でひと時代を築いたアーティスティックな建築家である。だから、そんな巨匠の偉業を称える歌なのかと思っていたのだが……。
全体的なリズムやコード進行はボサノバ風だが、出だしのSo long, Frank Lloyd Wrightの箇所は、出だしが変則的だが、その後は力強い進行。なるほど、これはこれで新たな建築の時代を切り拓いた巨匠へのオマージュなのかなと思っていると、I can't believe your song is gone so soonとくる。
フランク・ロイド・ライトって作曲もしていたんだっけ? などと思うも、もちろん建築の暗喩なのだろうと己を納得させつつ、続きを聞くと、All of the nights we'd harmonize till dawn、I never laughed so longときて、親しい間柄であったことが描かれる。となると、相棒であるアート・ガーファンクル、あるいはサイモン&ガーファンクルそのものへの決別の歌なのか。
そんな想像をすることもできるのだろうけど、おそらくはリスナーのそうした安易な解釈や、批評家による的外れな詮索への決別だったと解釈するほうがよほどしっくりくる。I Wanna Be With You!と熱唱するだけの歌にも感動してしまう、あまり歌詞には頓着しない音楽聴きのいうことなので、真に受けてもらっては困るのだが。