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Yola - Walk Through Fire
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田植え真っ最中の辺鄙な里山の風景をアテに、水で薄めた焼酎を舐めながら、日に焼けた百姓は多様性について考えている。
Jazzだろうと、Countryだろうと、R&Bだろうと、好きなヴォーカリストのトップ10リストは、ほぼ女性で占められるかもしれない。カレン・カーペンターや山口百恵の声に耳を傾け恍惚としていた記憶があるから、思えば小さい頃からそうだった。
ジェンダーレスとか、ジェンダーフリーとかが叫ばれる時代にあって、こんなことを言うのは適切ではないのかもしれないが、やはり歌は女性のものだと、本能的に思うところがある。
もともと歌というのは祈りであり、人々の嘆きや悲しみに寄り添い、あの世とこの世をつなぐものであるとするならば、女性特有のセンチメンタリズムとリアリズムのバランスに優れた声がふさわしいのかもしれない。世界の認識の仕方がおそらく男女では全く異なるはずだし、歌にはそうした感性が反映されるのだろう。その違いをありのままに受け入れることこそが、大事なんだと思うのだけど、どうだろう。
Youtubeにおすすめされて見たライブ映像がカッコよかったので手にとったのが、これ。Dan AuerbachがプロデュースしたというYolaの1stアルバム。大好きなArethaや、Etta James、Ann Peeples、Irma Thomasにも匹敵するようなソウルに、僕はとにかく圧倒されたのだ。
それなりにソウルを聴いてきたつもりだったが、こんなにすごいシンガー知らなかった! どこのレーベルから出していたんだろうとか、アメリカってのはやっぱすごい国だな、と思って検索したら、彼女はデビューしたてのシンガーで、しかも英国出身だった。
Glen Campbellが歌うJimmy Webb作のバラードみたいな楽曲ではじまり、Dan PennとかOtis Clay的なサザンソウル、1980年代のSmokey Robinsonみたいなメロウなソウルナンバーだったりがちりばめられていて、Dan Auerbachらしくそつなくまとめられている。Jack Whiteだったらどんなアルバムになっていたのだろうかと想像しなくもない。
ライブに比べると幾分抑制気味の彼女のソウルは、それでも静かに燃えているし、その様が好ましくもあるのだけど、このアルバムを手に取るきっかけになった“I Don't Wanna Lie”が収録されていない。“I Don't Wanna Lie”のシングルがほしい。もうすぐリリースされるらしい、2ndアルバムも待ち遠しい。