Still Brazyを今から聴け
”MUSTAAAAAARRRRRD”
といえば、YGという時代もありましたね。でもなぜか一緒じゃないアルバム、それがYGの最高で至高の一作。
でも、それもそのはず、”My Krazy Life(2014)"の頃はDJ Mustardサウンドで溢れていた。クランクアンドクランクの時代。ただ、それが西海岸かと言われたら疑問符もつくだろう。
2016年はどんな時だっただろう、ラップファンは記憶力が無いし、シーンは3回寝ると変わるぐらいのスピードなので思い出そう(ついてけないよ)。
ネタバレにもなるが、16年頃はトランプ旋風が吹いていた。故ニプシー・ハッスルが参加した”FDT”が出た頃はテッド・クルーズを倒しかけていた頃だ。覚えてないよ。倒した後にはG-Eazyとマクルモアというブイブイいわしていた白人ラッパーを引き連れたリミックスをリリース。マクルモアだけが2025年でマトモなムーブをしているよ。で、この年のアルバム達はこんなのだった。
という時代背景があったが、YGが突然思い出したかのように”あの頃”の西海岸サウンドを連れて帰ってきた。世間はTLOPだ!とかBITTSMだ!とか言ってる時に。
Introを超えてやってくるのは”Don't Come To LA"というド直球の曲。
よそ者はやって来るなと言っていますね。でもDrakeにLil Wanyeがいるけれども。
あと、個人的に大好きなSadBoy Lokoが参加しているので好き。
I don't give a fuck who you niggas paying
お前らが誰に金を払ってるかなんて知ったこっちゃない
Who name you saying, you ain't good around here
誰の名前を出そうが、ここでは通用しない
'Cause y'all niggas fucking up the rep
お前らは評判を落としてる
Y'all playing with the set, it's really war around here
お前らはギャングにちょっかいを出してる、ここはマジで戦争だ
Shit, I'm even having problems in the set
クソ、俺でさえ自分のセットで問題を抱えてる
But I'm really from the set, and y'all don't come around here
でも俺はマジでこのセット出身、お前らはここに来るな
ラッパーの大義名分、地元アゲ。あいつらは俺達と違うんだって。今も昔もアメリカで一番危ない場所と有名なコンプトンを利用する人を言っているわけですね。でも、著者は行きました、聖地巡礼。申し訳ございません。
で、LAに来るなと言ったら、次はスタジオで襲撃されたことについての”Who Shot Me?” まんまビギーオマージュのタイトル。撃たれてからのYGの内省的な考え、哲学的にもなる考え。それを導き出したインタールード。
After all the wicked shit I did
俺がやってきた全ての悪事の後で
I knew karma was gon' catch up with a nigga
カルマが俺に追いつくってわかってた
Damn, I ain't know it was gon' happen like this
こんな風に起こるとは思わなかった
Some niggas really tried to set me up
何人かの奴らが本当に俺をハメようとした
I know shit get wicked in the street sometimes
ストリートでは時々、酷いことが起こるってわかってる
Like I said, "You never know when it might brack off"
俺が言ったように、「いつ何が起こるかわからない」
But I guess God has some other plans for me
でも神は俺のために別の計画を持ってるんだと思う
'Cause that shit ain't stop me
だって、あれは俺を止めなかったから
実際に腰辺りに3発撃たれ搬送されるも、警察には完黙。ギャングスタすぎる。でも、疑心暗鬼でパラノイアになったらしい。そらそうでしょうに。
次は”Word Is Bond”、なぜかMVが東京で撮影、日本語字幕付き。
東京の どこかで
でも、これもSlim 400が好きなので大好き。そしてビートはP-Lo。やるじゃん。
そして、YGの言葉は絶対であり、YGに二言は無いのである。
So I ain't talkin' 'bout no orders 'til the contract closed
だから契約が完了するまで、指示については話さない
Lookin' in the mirror like, "Am I wrong?"
鏡を見て、「俺は間違ってるか?」
Nah, it's business, nigga, don't take it personal
いや、これはビジネスだ、個人的に受け取るな
とあり、MVでは ”これは絶対的なビジネスで、感情的になってはいけない、奴らは大金を払っている”と注釈を入れている。
”Nothing personal, it’s just business”というマイケル・コルレオーネのセリフを引用し、襲撃犯もYGもギャングスタであり、襲撃をする立場も理解できるというわけである。個人的な怨讐での襲撃であれば、報復に出ないといけないのがギャングスタ(マフィア)の掟、ただ、これがビジネスであると話が別で、ビジネス・金で解決できるというルールを作ることによって、復讐の連鎖を止めているのである。そういうシステムに組み込まれた人間は、感情があろうとなかろうと、そのシステムに最適化された振る舞いをすることを求められるのである。これが、上記した完黙に繋がるんだね☆。