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【マッチレビュー】福岡県大会決勝 東福岡 2-0 筑陽学園【高校サッカー】

高校サッカー選手権福岡県大会決勝に行ってきました。実に4年ぶり。行きたくなった理由はミクスタでの開催だったから。ものすごく寒かったけれど、最高のスタジアムでした。

結果は赤い彗星が2-0勝ちで5年連続で全国への切符を手にすることに。スコア以上の差を感じる試合でした。(ちなみに5年連続の前は3年連続で全国へ行けていません)

3つのシーンを引用して、この試合のポイントを解説できればと思います。

まずはキックオフ直後のこのシーンから。

守備時の筑陽学園は4-4-1-1。中盤の4枚は基本はフラット、セントラルの片方が前を捕まえにいくときはダイヤっぽく。2トップの片方が東福岡のアンカーを捕まえるために、縦並びに表記しました。また、前半の入りは相手に蹴っ飛ばさせることを目的としたハイプレスでした。強度が維持されていた15分頃までは、相手陣地でプレーを行えていたので、その意味では狙い通りだったのではないでしょうか。攻撃時は4-2-2-2のライプツィヒ式だったように思います。2トップの高さ・速さを軸に手数と頭数をかけずに縦へ!というイメージ。岡山内定の阿部くんとの接触に勝って、チャンスは何度か作れていました。セットプレーが多くあったので、もっとその練度を高めておく必要はあったように思います。特に相手が格上のときは尚更。

対する東福岡は伝統の4-1-4-1。簡単に言うとオランダ式。5レーンの理論も踏襲した素晴らしいプレーモデルを仕込んであるなぁという印象です。この試合でもその強さを遺憾なく発揮できていました。ただ、しっかりと準備してくるチームに勝つためには、質的優位をどれだけ確保できるかが大切であるような気がしています。

では2つ目のシーンの紹介に移ります。

これはカウンター返しのような状況であったと思います。4バック+セントラルハーフの残りの筑陽の守備に対して、東福岡は1トップ+2シャドー+2ウィング+ボールホルダーの右サイドバックの計6人。数的優位やん!ってツッコミは置いておいて、サイドバックと同サイドのシャドーがオレンジの矢印で示されたハーススペースに、大外のレーンにウィング、真ん中のレーンにCF。縦に隣り合っているポジションの選手が同じレーンに入らない、5レーン理論を何気なく実践できています。

大外のレーンにいるウィングの選手がボールを持ったとき、シャドーはハーススペースからパラレラの動きで同サイドのCBを釣ることで、CFへの斜めのパスのチャンネルを開ける。また、パスを出したサイドバックは相手のセントラルハーフを連れて逆のシャドーへのチャンネルを開ける。

同サイドのシャドーとサイドバックの動きのおかげで、相手が動いたことを認識したウィングはあえて斜め後ろ方向にゆっくりドリブルをすることで、逆のシャドーへのパスコースを作る。このサイドバック⇄ウィング⇄シャドーの循環がたまにへドンドに見えた。

ガンバ内定の福田くんがここで前を向いてミドル。入らなかったけれど、このシーンはなかなかよかった。

最後のシーンの解説に移りたいと思います。

GKのスローがCBに渡ったところから、筑陽のプレスがスタート。

ボールホルダーに前のFWが、もう片方がアンカーとデート。指示通り!

しかしながら!アンカーの子が上手い&プレスの強度が低いため、逆のCBに変えられてしまう。ここで重要なのはボールが運ばれてきたサイドのサイドハーフ。勢いで前に出るか、もしくはスライドを待つために、自分の背中にいる選手へのパスコースを消しに引きながら対応するの2つの選択を迫られる。

それがいっちゃうんだよね〜多分ユース時代の原口元気でも勢いで前に出ていたと思う。しかしながら、これは最悪の選択。後手の後手を踏んでいる感。また、アンカーは逆サイドの状況を認識。これはのちのプレーの大きなヒントとなる。最後にSBの立ち位置について。ハーフスペースに立って、ハーフスペースへの侵入を狙う。多分バルサが流行っていた5年前だったら、SBが大外のレーンに入ってウィングがハーフスペースに入っていた。

相手サイドハーフが気合でかけてきたため、ウィングが高さを調節。相手のSBとプレッシングにいっているサイドハーフの中間に落ちることで、前or斜めor横に運ぶことができる。また、シャドーはCFの準備を認知。

相手SBまで気合いでプレッシングに。後手の後手の後手。斜めのパスが入りますよ〜はいはいアンカーがレイオフでしょ。って感じでプレーモデルをある練習で組み込まれている。

練習通りにCFがアンカーへ丁寧に落とす。同サイドのシャドーは相手のセントラルハーフを連れて、レイオフが受けられる位置に抜ける。また、この動きのカバーに入ったもう1人のCBをも動かすことに成功。この6番の選手は地味だけど何事においてもタイミングがいいからすごく効いてた。チビデブなトーマス・ミュラー!

さて、このアンカーはダイレクトでどちらにボールを振り分けたでしょうか!?体は同サイドへ向いていました。ヒントは前のキャプチャーに隠されています。

答えは逆サイドでした!このサイドチェンジには会場も沸いていました。そして相手SBが出ていった背後へシャドーがパラレラ。このハイライトを見て、我が妹はウイイレみたいだね、と言いました。

綺麗に縦に流して、ビッグチャンスに。このパスをダイレクトで適切な長さ・強さで出せる技術は流石。

切り返して、シュートを打とうとするものの、後ろから帰ってきた選手にボールを触られ、流れてきたボールを9番は無人のゴールに決めきれず。おかげさまで、最後まで緊張感のあるゲームを観ることができました。

以上!長くなったがこれにて終了!ここまで読み切った人数が3人いれば幸せだ!

#レビュー #雑感 #高校サッカー #東福岡 #筑陽学園

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