エピソード(7):体節・デルマトーム
エピソード(7):体節・デルマトーム
足芯から会陰部へ、そして肛門からさらに上方へイメージを動かす。
これは、医学を学んだ身としては、「体節」という言葉を想い起こす。
地球上の生物進化の一形態は、身体を同様な単位構造の連続体としてBody planとする。これを体節構造という。
脊椎動物においては発生学的に身体の前後軸に沿って、次々と単位分節構造(すなわち体節)ができる。体節は後に椎骨、骨格筋、さらには皮膚に分化する。
脊椎骨もその体節構造の一つである。実際にはこの体節毎に脊髄から神経が出入、分布し、その部位の筋肉運動を支配する。
(参考;脳科学辞典「脊髄神経」リンクhttps://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%84%8A%E9%AB%84%E7%A5%9E%E7%B5%8C)
体節に関する最近の研究を紹介しよう(リンク、https://ashbi.kyoto-u.ac.jp/ja/wp-content/uploads/sites/4/2022.12.20_Nature_ASHBi_Alev_relj_FINAL.pdf)。
体節形成は、脊椎動物ではマウス、ニワトリ、zebrafish(メダカ)で研究さてきた。
研究の困難なヒトに関しては、2023年2月京都大学のグループが、iPS細胞をもとに、体節構造形成(axioloidという)に成功している。
一つの体節形成が約5時間という周期で、実験的に再現できるという。
一方、脊髄神経の一部は皮膚知覚をカバーし、上位脳へ伝達する。
頸椎から仙椎へ、それぞれの体節(実際には脊髄神経の番号)に対応して、皮膚面を縞状領域として分布する。
この分布を示したものがデルマトームである(実際には多少の個人差もある)。これは体節の身体設計Body planが体表面に及んだもの。
実際の図は立位で示される(例:リンクhttps://www.msdmanuals.com/-/media/manual/home/images/n/e/u/neu_dermatomes_ja.gif?thn=0&sc_lang=ja)。
しかし少し進化を考慮し四肢をイメージすると、体軸は前後軸であるので、デルマトームはシマウマの縞のようになる(例:リンクhttps://cdn.medizzy.com/XA2EbXd2bpux_ML7Ew7kWkaBDgE=/680x879/img/posts/4dd3e3c1-8cad-4ca0-93e3-c18cad8ca03c)。
この図をみると、体幹の尾端としての肛門がBody plan、さらにはBodyworkとして意味をもつ可能性も想像される。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?