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プリンセスは大体みんな実家暮らし
わたしは今家族と同居している。
所謂実家暮らし。
わたしの家族はそれはもうみんな個性的でパワフルなメンバーなのだが、それはまた今度。
うちの家族の特徴を1つに絞るなら、とにかく愛情が強いこと。
もっというと、心配症である。
就職後実家を出て、およそ5年ぶりに家族と共に暮らすわたしだが、アラサーに片足を突っ込み始めているにも関わらず、掃除洗濯食事など身の回りのことはやっていただいて、帰りの時間を心配してもらったり、外泊には報告が必要だったりする。
さらには最寄り駅までの送迎がついている。
怖い夢を見たといえば、妹がそっと抱きしめてくれるだろう。
姫だ。
姫になってしまった。
あんたいい歳なんだから自分のことは自分でやりなさいよ
と口酸っぱく檄を飛ばすパーマ頭のオカンはうちには存在しない。
化粧をしながら「今日は目が小さいから外に出たくないよう」と泣き言を言おうものなら、大丈夫だよ可愛いよとチヤホヤされる。
いやもしかするとこれは…
プリンセスよりもガストンの方がちかい境遇かもしれない。
基本的に全肯定されているし、私は自分で自分を褒めちぎってるし、あまりに大胆な行動は周囲から心配される。
ガストンだった。プリンセスではなかった。
このままでは家事炊事のスキルを失ったまま、自己肯定感だけ大きく育ち、自分の正しさを振りかざすバケモノになってプリンセスたちに討伐されてしまう。
そうなる前に、生涯を添い遂げてくれる私のルーフウを見つけたい。