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③失うことで知った音の意味

吾輩はカラス、青木 空須である。
今日は、少し珍しい光景を見た。
吾輩の目に映る1人の『人間』がふと突然音を失ってしまった…
その人間の心の動きを感じ取る。

昨日までは、友達の笑い声やレジの音、車が横切る音、鳥のさえずり、風の音がはっきりと聞こえたのに。今では耳に水が入っても気が付かない。
昨日と今日の一瞬で世界が遠くに行ってしまったように感じる。
歩いていても平衡感覚がおかしく、地面が波のように揺れる。
音が消えると同時に心の中に鳴り響く雑音は大きすぎる。
音が消えると不安はもっと消えない。本気でそう思う。

将来への希望や夢が目の前で消えていく。でも人生は続く。
これからどうしよう。
カラスならどうする?

吾輩が今伝えたいのは、『人間』は希望さえあれば前に進める。
別に目標なんかなくてもいい。本当に小さいコトでいいんやで。
好きなものを食べる為、好きな番組を見る為、誰かと話す為、
そんな小さい幸せが希望になるんじゃないかな?
誰かと比べる必要性は全くないし、それに比べる人の寿命もわからんやん。
カラスの世界はもっとマイペースやぞ。

心の天気は曇っているかもしれないけど、実際の空は晴れてるで。
吾輩の友達も飛んでいるんじゃないか?
見つけてみてな!


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