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分かるようで分からない、'Hustle' という単語の意味や使い方・・・
最近 'Side Hustle' (副業) という表現に出会いました。
しかしなぜ「業」(仕事) が 'Hustle' なのか気になります。
Hustle の語源
1680s (trans.), "to shake to and fro" (especially of money in a cap, as part of a game called hustle-cap), metathesized from Dutch hutselen, husseln "to shake, to toss," frequentative of hutsen, variant of hotsen "to shake." "The stems hot-, hut- appear in a number of formations in both High and Low German dialects, all implying a shaking movement" [OED]. Related: Hustled; hustling. Meaning "push roughly, shove" first recorded 1751. Intransitive sense "bustle, work busily, move quickly" is from 1821.
上記によると、hot-, hut-という接頭辞はドイツ語で「(何か対象物を)ゆさゆさと揺する」動きを示し、350年前頃、'hustle-cap' という表現などは、「帽子に入ったお金を繰り返し揺すったり放ったりするゲーム (放り出さずあくまでも帽子の中で遊ぶイメージ)」を指して使用される習慣があったようです。その後280年前頃から、hustleと言う単語は「荒っぽく押す」や「せわしく忙しく、動く」というイメージ を持つようになったようです。
熟語は hustle into/against/through, hustle out が前面に
前置詞に関係なく言えるのは、「強く押し込む動作」や、「骨折って(苦労して)獲得する」動作のようです。
hustle into は「押し入る」「無理に売りつける」「強要する」「だまして誘い込む」「言い寄る」など、ネガティブな意味での使用頻度が高いイメージですが、「仕事をどんどん前に進める」という意味などもあるようです。
一方 hustle out は hustle intoと動作の方向性が変わり、「押しのける」という外側への方向性になります。outは外側という意味ですが、広義では、「対象エリアにあるものを外に押し出し対象エリアを空にする」というようなイメージを持った前置詞ですので、「仕事をてきぱき捌く」という意味でも使われるようです。最近観たアメリカドラマで、'We can, if we muscle out the locals.' 「私たちが出来るよ。地元の人たちを追いやればね。」という表現がありました。 muscle になっていますが、hustle とだいたい同じ気持ちで発言されていると思います。
hustle into, hustle out ともに、その他スラングで博打や売春関係の表現も持っているようです。
画像検索は映画のジャケット
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hutsle という単語のコアイメージを掴むヒントを期待しましたが、おおむね3種類の映画、ドラマのジャケットがgoogle 画像検索結果を埋めています。
それぞれのオリジナルタイトルとあらすじは下記の通り:
HUSLE:
運命に見放されたバスケットボールのスカウトが、スペインで才能を持つ若者と出会う。互いに最後のチャンスを手にした2人は、NBAでの栄光を目指して共に歩み始める。
THE HUSTLE:
南フランスの海辺の町で、男を騙して小銭を稼ぐ(言い寄る)ペニーは、プロの詐欺師ジョセフィーヌと出会い、彼女から詐欺の技を学び共に仕事を始める。次々と金を手に入れる二人だったが、分け前がもらえないことに業を煮やしたペニーは、ジョセフィーヌと決別。純朴そうな青年トーマスをターゲットにして、詐欺の腕を競い合うことになるが…。
Hustle:
強欲で堕落した富裕層を相手に、巧妙な詐欺を繰り広げる(巧妙に売りつける)ミッキー・ストーンと彼の魅力的な5人の仲間たち。実業家やカジノ経営者、アートコレクターなど、悪党たちを次々と騙し金を手に入れていく!
確かに太字部分はどれも、「強く押し込む動作」、「骨折って(苦労して)獲得する」ニュアンスを含んでいますね。
慣用表現 'side hustle' 以外に 'hustle and bustle' なども
side hustle も結局、「仕事をどんどん前に進める」精力的に取り組む」と言う意味が込められていると想像できます。
ほかにもhustle and bustle 「都会の喧騒」や、hustle culture vs slow living 「仕事第一の人生か、ゆったり楽しむ人生か」などがありますが、冒頭の「せわしく忙しく、動く」というイメージから成り立った慣用表現と捉えてよさそうです。
キン肉マンのテーマソングは 'Hustle Muscle' らしい
ここまでくるとキン肉マンのテーマソングが 'Huslte Muscle' であることはあまり違和感がありませんね。もっともこれは日本の曲ですが。
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以上、英会話で使う場合は hustle into/against/through, hustle out 辺りの熟語がメイン、話題よっては、慣用表現の 'side hustle' 、 'hustle and bustle'、ドラマの題名としての 'Hustle' というワードの登場、この辺りがを 'hustle' 運用の相場のようです。