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心拍確認後流産と言われ、手術と自然流産を経験した私が今伝えたいことvol.1

"流産”あなたは経験したことがありますか?流産は多くの女性が経験する辛く悲しく苦しい体験です。

「4週間ぶりの妊婦健診だね、赤ちゃん大きくなってるかなあ」
こんな期待を胸に、ご夫婦または一人で妊婦健診に行く方、いるのではないでしょうか?

私は産婦人科病棟で助産師として当時勤めていました。
仲間たちに囲まれ、妊婦健診を受けに。

そこで告げられたのは「流産」でした。
私の実体験を通して同じ体験をした方、もしくはこれから流産を経験する女性の心に少しでも明るい未来が届くように執筆することにしました。

かなりリアルな実体験ですので、気分を害されると判断したらすぐに読むのをやめてください。ですが、最後まで読んでいただくと、流産の原因や、次の妊娠に向けてできること、流産をどのように受け止めるかについてがわかります。


流産とは?


流産とは、妊娠22週未満で赤ちゃんが亡くなることをいいます。切迫流産は「流産が迫っているということ」なので流産とは違います。

「妊娠検査薬は陽性だったのに受診したら赤ちゃんがお腹の中にいなかった」や「心拍確認後に、心臓の動きが止まっていた」など流産には種類があります。

自分のお腹の中に授かった命が、絶えてしまうのはとても悲しいことです。言葉で簡単に現せるものではありません。

稽流(けいりゅう)流産



私が経験した2度の流産はどちらも稽流流産でした。赤ちゃんの心臓の動きが確認できたけど、その後に心臓が止まっており育っていない状態です。

流産といえば、出血や腹痛をイメージされる方が多いと思いますが、一般的に前兆はほとんどなく、強いて言えばつわりが軽くなることがあります。

妊婦健診に行って、初めて流産がわかることがほとんどです。

流産の原因


「そんなにストレスがあったら流産しちゃうじゃないの!」とか「夫の不倫を知って直後に腹痛と出血で流産」一昔前のドラマのひと場面が思い出されます。

妊娠およそ11週頃までに起こった流産のほとんどが赤ちゃん側の原因、遺伝性疾患、先天性異常によるものです。
12週以降の流産の多くは現在の医療ではまだ原因がはっきりとわかっていません。

ですが、遺伝疾患や先天疾患のある赤ちゃん全てが流産するわけではないですし、11週未満の胎児の疾患なんて調べようがありません。

このように、命に関することは原因がはっきりとしていないのです。
結論、精神的なショックや軽いけが(滑る、転倒するなど)は流産と無関係と言われています。

流産の診断とその後の流れ



「流産はよくあることだから、今回は残念だったね」医師はこのように言います。続けて「最初に受診した時に流産の可能性は誰にでもあるって説明したと思うけど・・」なんてことも言われます。

せっかく授かった命を、流産するかもしれないなんて思いたくない。元気に育って欲しい、性別はどっちかな、胎動はまだかな、陣痛って痛いかな、未来の幸せなイメージで膨らませたいものです。

ですが、医師から最初の妊婦健診で言われるのは流産の可能性についてなんです。これが現実です。

では実際に流産をどのように診断するのか、診断後はどうなるのか解説します。

診断方法



経膣エコーで赤ちゃんの様子をみて流産がどうかを診断します。
大きい病院では、医師が複数人いるため、一人ではなく何人かの目で必ず確認します。

流産診断後



流産と診断されたら、自然に赤ちゃんが出てきてくれるのを待つか、手術で赤ちゃんを出すかの選択をしなければなりません。流産後に自然に出てきてくれる赤ちゃんもいればそうでない赤ちゃんもいます。

大抵の医師は手術を勧めます。ここでなんでかについては伏せましょう・・。
手術のメリットは、日程の調整ができることです。会社に勤めている方は上司に相談しやすいと思います。ですが、全身麻酔での手術になるのでリスクと身体的負担は大きいです。

自然に待つ場合は、環境に注意が必要です。一人でいる時に腹痛や出血があっては冷静に対応するのは難しいため、すぐに駆けつけてくれる人がいるか確認しておくことをおすすめします。会社で急に出血や腹痛が起きることもあるため、上司や同僚に伝える必要も出てきます。

泣いてても、反応ができなくても、流産がわかったら、あとは赤ちゃんをどうするかについて医師から説明されます。

流産後に気をつけることは?



自然流産でも手術だとしても、その後の出血による貧血症状に注意しましょう。
少ない出血だとしても、まだ普通なら出血しない時期の出血なので体は貧血になります。
仕事をしている方は、できるだけ休めるよう相談してみてください。

そして何より心を整えることが大切です。流産による悲しみや思いは人それぞれです。心の状態は目で見てわかりません

だからこそ、頼れる人がいつもそばにいることが安心感に繋がり、苦しくなった時にすぐ助けてって言うことができるんです。
あなたの苦しみに寄り添い、次のステップを踏み出す最高の味方でありパートナーがここにいます。

ぜひオンライン助産院であなたの思いを聞かせてくださいね。

流産によってどんな気持ちになるか、赤裸々な声は最後まで読んでいただければわかります。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

稽留流産の実体験



ここからは私の経験した流産についてお話していきます。
私が流産と診断された時、一番最初にしたことはGoogleで「流産 診断ミス」と検索したことです。

医師3人がエコーをみて心拍が確認できないと言っているのに、心拍が確認できないことを受け止められるわけがありません。もしかしたら次、エコーで見たら心臓が動いているんじゃないかって医療者らしからぬことをしていました。

流産の実体験を赤裸々にここに残そうと思います。きっとあなたも乗り越えらえるからね。

流産に気付かないことがある



私の場合は赤ちゃんの成長とつわりの変化で、流産かもしれないと思いました。

出血や腹痛はなかったです。ですが、当時つわりがピークだったのに、すっと気持ち悪さが軽くなったのを感じました。
そして週数に対して胎児の成長が遅れているのも妊娠発覚当時から心配していました。

私の場合、生理周期が30〜45日ですが、排卵検査薬を使用していたため、排卵日はわかります。ですが、医師は生理周期をみてまあこの周期だから1週間くらい成長遅れてても大丈夫だねと言っていました。

排卵検査薬は正確です。この医師の発言で流産が頭の片隅にずっとありました。

流産と診断されて



「よくあることだから、今回は残念だったね」医師はこのように言います。流産と告げられた女性は、泣き崩れてもその場で誰も抱きしめてくれません。

私の場合、同じ産婦人科病棟で一緒に働いている医師に診てもらっていたし、午前中の忙しい時間帯の外来の流れを止めるわけにはいかないと謎の冷静さで、その場で感情を出せず、とにかくここから早くいなくなりたい、一人になりたいという一心で「大丈夫です、流産かなって思ってました」こんなことを医師に言いました。

流産は確かに全妊娠の10〜20%におこります。だからしょうがないなんて割り切れることは決してできません。流産の診断をされた直後、待合室で会計を待つあの時間が地獄でした。

流産と言われクリニックを紹介



流産したら手術が必要。当時はこう思っていたので、手術一択です。

もちろん私の職場でも流産手術はできますが、同僚が気を遣うのは目に見えてたし、1泊するなんて考えられなかったので別のクリニックを選択しました。

大きい病院はだいたい手術の前日から一泊することが多いです。中には、出産を控えるママたちや、生まれたての赤ちゃんの声が聞こえることもあります。

流産の手術の日を迎えるまでの思い



流産の手術を迎えるまで、夫とどのような会話をしたか、どのような日々を過ごしたか覚えていません。
流産の診断を受けて手術の日まで4日程度ありました。

流産の診断を受けたのがちょうど夜勤明けで、その後2日間休みのシフトでした。その後は日勤を2日、夜勤を1回同僚に変わってもらいました。

師長からは、流産したことを勤務交代してくれる人に言っても良いかと聞かれ、いいですよと答えました。

蓋を返してみれば、みんなが目にする勤務表に流産手術日と書かれていたようで後日先輩が怒りながら教えてくれました・・。

手術日を迎えるまで、赤ちゃんが生きてるんじゃないかって体験談をSNSで検索したり、つわりがまだあるからまだ赤ちゃんが生きてるんじゃないかって思ったり。

逆に、赤ちゃんがもう生きていないのにつわりで苦しむなんて酷だなとも思いました。

ここまでご覧いただきありがとうございます。
今でもこの子のことを思うと涙がでます。受け入れられているのか受け入れられていないのかわかりません。心臓は止まっていたけど12週間あなたのママでした。
私と夫を選んでくれてありがとう。
短い命ってわかっててママとパパの子になりたかったんだよね。
嬉しかったよ。でもおめでとうって笑顔であなたに会いたかったよ、抱きしめてあげたかったよ。

ここからは、流産当日のお話を続けていきたいと思います。
かなりリアルに、素直な思いを綴っています。

ここから先は見たい人だけ、知りたい人だけ進んでください。

流産の手術当日の体験談



「私から赤ちゃんを取り上げないで」
泣きながら本当は内診台の上で暴れたかったです。

流産の苦しみは一言では現せません。心も体も苦しいんです。

前処置の痛み



流産の手術で赤ちゃんが出てくるには、まずは閉じている子宮口を器具で無理やり広げる必要があります。これが前処置です。

前処置が必要なので朝1で病院入りします。私が手術をしたクリニックでは、他の患者となるべく顔を合わせないように、受診開始時間の30分前に行く決まりでした。

この前処置、私は激痛でした。中にはそんなに痛くなかったという方もいます。子宮口を無理やり広げて、広がった一口にさらに棒を入れます。この棒は水分を含むと膨らむ仕組みになっているので、さらに無理やり広げられてる痛みを感じました。

赤ちゃんだって出てきたくなったら自分で陣痛起こして出てきてくれる、こんなふうに思いながら助産師をしていたので、とても辛かったです。

処置後2時間くらいはずっとうずくまってお腹を温め、毛布をかぶっていました。
手術前にトイレに行きたくなり、待合室を通ってトイレへ。待合室には多くの妊婦さんや幸せそうな夫婦が目に入りました。

「なんで私なんだろう・・」こんなふうに思ったこともありました。

手術


いよいよ手術の時間です。この直前、本当に心が苦しくて、逃げ出そうとも思いました。一生お腹の中にいてほしいとさえ思ったんです。
麻酔がかかるよと医師の一言があってから意識がなくなるまでほんの数秒だったと思います。

気づいたら目が覚めていて、もう全てが終わってました。
「終わったんだ・・」直後は少し解放されたような思いでした。
解放されたなんて思ってる自分が嫌になったのも覚えています。

少し目が覚めてからトイレに歩き、出血を確認して帰宅。
あっという間の1日でした。

夫の支え



絶対に夫の支えや同じ気持ちでいてくれるって思えることが必要です。流産だとわかってから、夫へ電話し報告しました。夜勤明けで、「流産してます」って言われて、逃げるように病院を後にして。

家までトボトボ歩きながら夫に電話。
「わかった、すぐ帰るから、一緒に病院行こう」

電話は切らずに、私のことを常に気にかけてくれました。
そして強く抱きしめてくれました。

正直なんて声かけていいか、どうしたらいいかわからなかったと思う。
想像してみてください。
もしも友達が流産したって打ち明けてきた時に、こう声かけすれば大丈夫って言えることありますか?ないですよね。

簡単に辛かったねとか言われても、辛いんだけどさって思われて終わりです。
自分でもなんて言ってほしいかなんて正直わからないし、どうしてほしいかもわからない。

それが大切な人ならなおさらです。大切なあなたからの支えが絶対必要なんです。一緒に泣いてほしい、辛いよって言ったら一緒に辛いよねって言ってほしい。

ただそれだけでいいんです。同じように我が子を愛おしんで、愛おしい我が子とお別れをしなきゃいけない状況を乗り越えてほしいんです。

悲しみを体験した人の心理状態は複雑です。
急に元気になったり急に悲しくなったりします。

夫婦お互いが、どんな気持ちも共有して理解し合うことが乗り越える一つの近道になると信じています。

あなたのところにきてくれた赤ちゃんはどんなに短い命だったとしてもあなたの大切な子どもです。

ここからは助産師として一言。
どんな受け止め方も正解。

「悲しくて悲しくて仕方がない」
「早く忘れたい」
「思い出に何も残したくない」
「次頑張ろう」

など。自分の素直な思いを誰かに話してがっかりされたり軽蔑されないかなって不安になる人も多いですがそんなことはありません。

素直な思いを誰かに話して少しずつ受け止めていけばいいんです。
もちろん、夫婦で同じ思いじゃないことの方が多いです。

夫婦で違う思いだと苦しくなることがあります。どうして私たち夫婦のことなのに・・って思いますよね。

助産師の私が、あなたの頼れる存在となり、分かり合える心友となり、伴走します。

まずは一歩踏み出すところから。
何か困ってる、聞いてほしい、そんな時はいつでもご連絡くださいね。


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