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チェジュ航空墜落事故:原因調査と今後の課題
2024年12月29日、韓国南西部の務安空港でチェジュ航空のボーイング737-800型旅客機が墜落する事故が発生した。この事故で乗客175人と乗員4人の計179人が死亡、生存者はわずか2人だった。事故原因は現在も調査中だが、複数の要因が絡んだ可能性が指摘されている。
事故の概要
事故機はタイ・バンコク発、韓国・務安空港行きの便だった。午前9時過ぎに着陸態勢に入った際、管制塔はバードストライク(鳥との衝突)の危険を警告し、着陸を待つよう指示。しかしその直後、機体は緊急信号「メーデー」を発信し、胴体着陸を試みた。機体は滑走路をオーバーランして空港外壁に衝突、炎上した。
被害状況
搭乗していた181人のうち、乗客175人と乗員4人の計179人が死亡した。生存者は後部から救出された乗員2人のみ。乗客の大半が韓国人で、タイ人乗客も含まれていた。
事故原因の調査
韓国国土交通部は、フライトレコーダーを回収し、事故原因の調査を進めている。事故直前、パイロットが「鳥との衝突」を報告していたことから、バードストライクが原因の一つと見られている。また、胴体着陸が発生した背景には、着陸装置の故障や整備不良の可能性も考えられている。さらに、同型機で事故後に着陸装置の異常信号が報告されており、同型機全体の緊急点検が開始された。
過去の問題と安全対策
事故機は2021年にも機体後部を損傷する事故を起こしており、整備管理の不備が懸念されている。このようなトラブルの履歴を踏まえ、航空会社の安全管理体制や整備基準の見直しが求められる。韓国政府は全国的な服喪期間を設け、航空業界全体で安全対策を強化する方針を示している。
今後の課題
今回の事故を受け、バードストライク防止のための空港周辺環境の整備や、航空機の整備・運用基準の徹底が求められている。また、パイロットの緊急時対応能力を高めるための訓練強化も急務とされる。韓国航空業界にとって、利用者の信頼を取り戻すための迅速かつ透明性のある対応が不可欠だ。
被害者の冥福を祈るとともに、今回の教訓を活かし、安全な航空運行の実現に向けた取り組みが進められることを期待したい。
執筆:藤崎真帆