私の乳がんの場合〜術後診断〜
約24時間の入院で手術を終え、1週間後に傷口チェック、それからさらに1週間後、病理検査の結果を聞きに乳腺外科の診察をうけた。
傷口チェック
手術直前に挨拶して以来、女性医師と対面。雑談をしながらの傷口チェックは、緊張感がまったくないラフなものだった。
「本当は4cmくらい切ればいけるかなと思ってたら、倍ほど切ることになったんですよね〜」と医師。『なんで?読みが甘かったん?』と私。
マンモトーム生検で、ガンの位置をマークするために胸の中にチタンを残していた。手術では、その周辺を切り取って、チタンを取り出すことができれば、その時点で手術は終了の予定だった。が、切り取った肉片のなかにチタンがなかったとのこと。
『的、はずしたんやー(笑顔)』
「いやいや、早期は、ほんとにむずかしいんですってー (笑顔)」
結局、手術をしている時間よりも、その組織の検査結果を待っている時間が長かったらしい。一回目でチタンもないし、ガンもないとの結果がでて、もう少し大きく切り直した二回目でチタンがみつかり、手術終了となった。
全部で1時間もかからないときいていた手術が、2時間かかった理由がわかり、悪いことがあったわけじゃないのだとホッとした。詳しい内容は来週わかるということで、傷跡用のテープの種類や貼り方をきいて帰った。
術後診断
ガンと診断され、手術を終えた私は、次の治療である放射線に気持ちが向いていた。今日は、特にコワイことを言われることはないだろうと、術後の病理検査の結果を気軽に聞きに行った。
「まずホルモンをエサにするガンでした」
「結構マンモトームでガンがとれてたんですけど、今回取って少し乳管からでてたことがわかりました」
「なので、ステージ0ではなく、ステージ1です」
「浸潤は2mmなので、ホルモン治療を積極的にすすめるほどではないのですが、テン、テンと散らばっていたので悩ましいところです」
「散らばっていたということもあり、放射線治療は必ずお願いします」
「放射線治療を受けている期間に、ホルモン治療をどうするか考えてください」
ざっと、こんな感じの説明をされ、ホルモン治療の飲み薬のパンフレットを渡された。
『えっ、ステージ1なんや』
『悩ましい治療は、わたしが決めなあかんのか』
この大きな病院では最初、ガンじゃないと思うという見立てだった。でも、実際は非浸潤癌でもなくステージ1の浸潤癌だった。
『検査するたびに、悪くなるやん』
ガンは診断の確定が難しく、治療は選択の連続だと改めて思い知った。
切り取った画像をみてみると、一回目のものは、何もないところだったため、キレイな肉片だったが、二回目のもう少し大きく取った肉片は、ドット柄のように黒いテンテンがあった。
その黒さは、素人でも普通じゃない、何かあるなと思う黒さだった。
まだ、この黒いのが胸のどこかにあるかもしれない。
『コワいー』
『やっぱり検査結果の日は、コワい思いをするな』
翌月からの放射線治療のための、前段階の検査の予約をとって帰宅した。