
私の乳がんの場合〜ホルモン治療〜
ホルモン治療はしないことに決めた
私の乳がんは、早期発見で、予後の良いタイプだけど、ずいぶん経ってから再発することがあるらしい。
非浸潤癌のままなら悩まずに済んだのに、手術後、微小浸潤癌になったからすごく悩んだ。
すこしでも再発の可能性をなくすために飲んだほうがいいのかもしれない。
でも、主治医が私にとって必要か否か悩ましい、と言った状態で薬を飲みたくはない。
数ヶ月の間、全力で検査、手術、治療をこなしてきた自分が治療をしないと決めることは、とても勇気がいった。
とにかくわたしは、飲まなくていい理由を探し、飲まなくていいとハッキリ言ってくれるひとを探した。
更年期にあたる自分が、ホルモン剤を飲むことのメリット、デメリットを暗記できるくらい読み込んでいたので、気持ちはほぼ固まっていたが、もうひと押しが欲しかった。
そこで、ネットで情報を探したことのある乳がん患者なら一度は目にしたことがあると思う『東京の乳腺外科の医師』のことを思い出した。
この方は、乳がんに関するあらゆる角度からの質問に回答していて、全国の乳がん患者本人からはもちろん、その家族、そしてまだ乳がん未確定の人からの悩み、質問、相談にハッキリと答えを出してくれていた。
乳がんの疑いと言われたときから、よく読みあさっていたのだが、あまりいろんな情報をみたくない時期もあり、少し距離をおいていた。
でもホルモン剤のことは、「あの先生にきいてみよう」と直感が働いた。
今もそうなのかわからないが、その当時、先生に質問メールを送れるのは、1日に3人まで。
前もって、自分の病状、治療の段階、年齢やホルモン治療に対する考え方などをまとめて、質問の受付時間がオープンになると同時に入力し、送信した。
次の日、自分の質問と先生の回答がサイトにアップされた。
「わたしはおすすめしません」
と端的に飲む必要なしと書かれていた。主治医に言って欲しかった言葉を、パソコン越しに、一方的に信頼している医師に言ってもらえた。
『ありがとうございます!!!!』
やっと気持ちが固まった。
「ホルモン治療、やーめよ」っと、一瞬で悩みが吹っ飛んだ。