
私の乳がんの場合〜放射線科と乳腺外科〜
放射線治療期間中、8日目に乳腺外科、9日目に放射線科の診察があり、最終日は、放射線科→乳腺外科の順で診察があった。
放射線科
わたしの担当の女性医師は、放射線科の科長。表情をいっさい変えず、淡々と診察だけをする、話しかけにくい印象だった。
放射線をうけた私の皮膚は、だんだんと赤い日焼けが残っているような色になっていたが、特に気になることはなかった。
診察室の前で待っていると、顔馴染みになってきた放射線科のナースが、
「今はなんともなくても、治療が終了してからかゆみがでてくるから、先生に保湿剤だしてって言わなあかんよ」
「ステロイドが入った強めの薬も出してもらっといたほうがいいよ」
「先生は、今の様子みて必要ないって言うと思うけど、あとから皮膚のかゆみや痛みを訴える患者さんがものすごく多いから」
と結構強めのアドバイスをくれたので、これからくるかもしれない皮膚トラブルに不安になりながら、診察室に入った。
案の定、医師には、「なんともなければ、何にもしなくていい」と言われた。わたしが念のためほしい旨を伝えると「うちの看護師に言われた?あの看護師は心配症やから」「保湿したかったら別にニベアでもいいのよ」と言いながらも最終的には、2種類の保湿剤を処方された。
『本当に必要ないなら、いらないで統一してよ〜』
『こっちは、この治療はじめてやねんで〜』
『なにが正解なん?考えること増やさんといて〜』
結果、した方が良いのか、しなくて良いのかわからぬまま、自分の皮膚の様子と自分の雑な性格でも楽にできる、化粧水をスプレーするだけの保湿の仕方を考えた。
乳腺外科
一方、すでに雑談的診察になっていた乳腺外科では、女性医師が「放射線どうですか?毎日しんどいでしょう」
「焼けてますね〜」「手術痕は良くなってキレイですね!」と胸のチェック。
さらに、「創部を研修医に見せたいんですけどいいですか?」「実は、結構多くの研修医が手術を見学してたんです」とのこと。
全然いい。全然いいねん。いまさら胸を見せることになんの抵抗もないからね。でもそのまえに、
『見学とか先に言わんでいいのー⁉︎』
と思いつつ、ぞろぞろと入ってきた研修医たちに、術後約2ヶ月経った創部を見せてあげました。
『すぐそばで待機してたやーん。断ったらどうしてたーん』
『この傷跡が、なんの役に立つん?』
ギモンはいろいろありましたが、口々に、キレイ、キレイとわたしのキズを褒めてくれるので、『ヨシ』としました。
そして、その時期いちばんの難題「ホルモン治療どうするか考えていますか?」ときかれた。
ちょうど、父が薬が原因の認知症症状に陥っていた時期と重なっていたので、薬に対して抵抗感があったわたしは、できれば飲みたくないけど、再発の確率が上がるのも怖い。正直どうしたらいいのかわからない。なので、
「先生やったらどうする?」と尋ねた。
「私なら飲まないかな〜」と医師。即答やん!この感じなら飲まなくていいかなと思い、さらに、
「じゃあ、先生のお母さんのことやったら飲ませる?」ときいた。すると、
「んーむずかしい。」と言って、「わたしの母は、きちんと毎日忘れずに薬を飲むタイプなので飲ませてみて様子をみるかも・・」という返事だった。
「飲み忘れるタイプは、飲まなくていいの?」ときくと、「そうですね〜5mm以下の浸潤なら、きちんと毎日飲めないならはじめから飲まないのと一緒かな〜。とにかく絶対飲んでくださいって感じじゃないんで」
『ん?結局飲まんでいいの?それならそう決めてー』
『こっちは、この病気はじめてやねんで〜』
結局どうしたらいいん?
最終的に答えをださなければならないのは、放射線治療を16回終えた日から1ヶ月後の乳腺外科の診察日。その日に、ホルモン治療をするか、しないか、わたしが決めなければならない。