ライフ・イズ・ミラクル
今日は、部屋でレコーディングの続きをしていた。
新しいマイクで歌入れの準備とコーラス録り。
ポップガードを変えてみたりして、音を聴いたり。ああでもないこうでもない、といったことをしていた。思ったよりも時間がかかる。でも進まないことには慣れてるので、そんなに焦りもない。地味なことの連続だ。
自前のポップガードよりも、ゴックでもらったモワモワのスポンジのやつが、よさそうかも。
スポンジは見た目よりも弱くて、つい鷲掴みしようものなら、しっかり爪が食い込み、4本分の爪痕を残したままだ。
たぶん、このスポンジ、相当年季が入っている。さすがはゴックだ。その歴史は侮れない。
今日はそんな地味な下準備だったので、明日の朝から、やっと本気を出します。きっと。
今日は以前、痴人(知人ではなく痴人と書けと)に送ってもらっていた映画を一本観た。
エミール・クストリッツァの、"Life is a Miracle"
これがまた最高の映画だったのだ!!
まさにタイトルの通り!
不条理の連続なのに喜劇。どこか可笑しくて笑っちゃう。
なのに切なくて儚くて、そして愛が溢れている。
冒頭から出てくるロバが愛らしくて。
失恋で絶望して、線路の上から動かなくなってしまったロバ。どうやら死のうとしているらしい。
まさか最後に、こんなふうにこのシーンに舞い戻るように繋がっていくとは。
人間や動物の境目なく、クストリッツァの生命体に対する愛情の熱量が膨大で、わたしの心まで熱を帯びてくる。
人を愛することに纏わる悲劇と喜劇。悲劇に傾くと線路の上に横たわって死にたくなってしまうのも、また愛ゆえか。
それでも感情に抗いがたく、人を愛してしまうこと。戦争や、家族が既にいるといった、不条理な背景によって悲劇という言葉でひとくくりにしてしまうには、あまりに言葉足らずで、書ききれない喜びがあることを、ロバとロバに乗った2人の後ろ姿に思ったのでした。
今夜もよく眠れそう。