前週からの動向
ビットコイン(BTC)は安値を切り上げており、560万を挟んだレンジで推移している。
ウクライナ情勢が和平に向かうべく各国の交渉期待や、インフレヘッジのニーズで上昇してきたが、ここで一服の状況。
下がったところでは強い買い需要も観測されており底堅く動きそうだが、戦争は終わってはいない。民間人に対する凄惨なニュースにより、未だに天然ガスをロシアから輸入しているドイツに対する、完全禁輸の圧力や更なる経済制裁を求める声が高まりつつあるなど、リスクを十分に取れる環境下ではない。
アルトコインの春はもう少し先となりそうだが、英国王立造幣局によるNFTの発行計画公表は、長らく既存金融を守るべく、暗号資産(仮想通貨)に厳しい姿勢を見せてきた英国が、EU離脱後に発生した金融プロフェッショナル人材の流出や金融のハブとしての地位低下に対して、危機感と野心に燃えて動いてきた形になっている。
これは業界としては非常に追い風であり、これから各国でもNFTへの取組は出てくるものと考えられる。その時にどのチェーンが選ばれるのかにも注目してきたい。
市場動向
エネルギー価格は落ち着きを取り戻しつつある。これはバイデン政権がかつてない規模の戦略備蓄原油の放出を決定したことによる効果だが、サウジアラビアとUAE(アラブ首長国連邦)の石油施設に対する攻撃が再び報じられた場合、このムードが破壊される恐れがある。ロシア産が調達出来ない分は、備蓄だけでは完全にはカバーできない点が意識されるのも不安要素だ。
その他、米国債の逆イールドが話題となるなど、相場の見通しは立てづらい状況が続いている。
筆者:前田慶次
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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