ビットコインキャッシュ(BCH)とは?特徴とこれまでの歴史などを紹介
1.ビットコインキャッシュ(BCH)とは?
ビットコインキャッシュ(BCH)とは、2017年にビットコイン(BTC)からハードフォークして誕生した暗号資産です。当時利用者が急増したビットコインは、送金速度の遅延や手数料が高額になる問題を抱えていました。そこでビットコインのコミュニティの一部が新たなコミュニティを作成し、ビットコインキャッシュを誕生させたのです。
2.ビットコインキャッシュが開発された経緯
ビットコインよりも利便性を高くするという目的で開発されたビットコインキャッシュ。その特徴を説明します。2017年ビットコインは、徐々に注目をされ始め利用する人々も増えていました。ユーザーが増えることで、ビットコインの送金時間は遅延するようになります。
ビットコインが1度に処理できる取引データ量は1MBです。通常ビットコインの取引承認はおよそ10分間に1度のペースですが、ユーザー数が増えたことにより1MBを軽く超える取引データ量が発生し、取引を待機せざるを得ないユーザーが増えてしまいました。
またビットコインは高い手数料を払ったユーザーが優先的に承認される特徴を持っています。データ承認の遅延に伴って、少しでも早く取引しようとするユーザーにより、手数料も高騰することになったのです。
このように、暗号資産の利用者が増加することで逆に利便性を失ってしまう問題を、スケーラビリティ問題と言い、ビットコインは正にスケーラビリティ問題に直面していました。このスケーラビリティ問題を緩和し、利便性を高めたいという目的で作られたのがビットコインキャッシュです。
3.ビットコインキャッシュの特徴
では実際にビットコインキャッシュは、ビットコインと比較してどのような特徴を持っているのでしょうか?ビットコインキャッシュの最も大きな特徴は、ブロックサイズが大きくなったところです。
先ほどで説明したように、ビットコインが1度に処理できる取引データ量は1MBです。それに対して、当初ビットコインキャッシュのブロックサイズは8MBでした。
ブロックサイズを8MBまで大きくすることは、1度に取引できるデータ量がビットコインよりも8倍増え、それだけ取引を待機するユーザーも減ると言うことができます。送金速度に困らなくなれば、それだけ手数料を上げる必要もなく、ビットコインと比較して送付コストがかかりません。
さらに2018年5月には、それまで8MBだったブロックサイズを32MBまで大きくするハードフォークが行われました。このことによりビットコインキャッシュの取引速度はより一層上昇し、スケーラビリティ問題のさらなる改善が施されました。
4.ビットコインキャッシュのコミュニティで内部分裂
ビットコインキャッシュはビットコインをハードフォークして誕生した暗号資産ですが、2018年5月にハードフォークでブロックサイズを向上させた後、2018年11月に再びハードフォークを行っています。ビットコインキャッシュからハードフォークして誕生した暗号資産がビットコインABCとビットコインSVです。
中国のマイニング会社 Bitmain社 や投資家ロジャー・バー氏らがコミュニティをリードしているビットコインABCは、ビットコインキャッシュの機能拡張を目指していました。しかし、シンプルで安定したビットコインキャッシュを目指していたグレイブ・ライト氏は、これはビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモト氏の理念に反するとして反抗し、そこから生まれたのがビットコイン SV(Satoshi Vision) でした。
ビットコインABCとビットコインSVはハッシュパワーの奪い合いが勃発していました。ハッシュパワーはマイニングや採掘速度のデータを分析する中で使われる計算式であり、ハッシュパワーが高い方が「もとのビットコインキャッシュのチェーンを引き継げる」のです。
結果的に、ビットコインABCが「ビットコインキャッシュ(BCH)」のティッカーシンボルを引き継ぎ、ビットコインSV(BSV)は独立する形になりました。
5.ビットコインキャッシュのチャート分析
ここではビットコインキャッシュのチャートを分析していきます。上のチャートは2021年のBCH/JPYです。ボラティリティが小さかった2020年の動きとは対照的に、2021年に入り最高値を大きく伸ばした後、5月中旬ごろには急落の値動きへ転じています。その後は夏頃に再び上昇トレンドが形成されますが上げ幅はさほど大きくなく、徐々にボラティリティが小さくなり年末を迎えようとしてます。
2021年の最高値17万円付近と比べると、現在値4万円付近は押し目買いのタイミングと言われる人もいますが、移動平均線や一目雲を見たところ直近価格変動の兆しはなさそうです。
2017年に誕生して、2020年4月に初めての半減期を迎えていたビットコインキャッシュですが、「半減期後は値上がりしやすい」というジンクス通り2021年は高騰しました。
ユーザーに使いやすいよう進化し続ける暗号資産なので、今後のアップデートにも期待したいです。