ここが底?ビットコインの今後を占うFOMCを警戒!
前週からの動向
ビットコインは、年末の特別号や先週号で警戒を促した通りの下落となり、43,000ドル台から一時33,000ドル台を割り込むまでの急落を見せた。現在は37,000ドル台までショートカバーのような動きで反発している。昨年の史上最高値から比べると、半値を割り込むこととなった。
ここ最近のBTCは、ナスダック総合指数との相関係数が0.8台と高く、ハイテク株の下落からの連れ安に加え、世界的な新しい規制強化、世界3位のハッシュレートであるロシアでの中銀からのマイニング規制報道など、ネガティブなニュースが重なっている。
また、カザフスタンの動向に対する不透明感が新たな警戒を生んでいる中で、FOMCの結果発表が26日に控えていたことから、リスク回避姿勢が強まり、レバレッジの清算なども重なり急落する流れとなった。
しかしながら、安値圏ではしっかりとした買いが入っており、ファンドへの資金流入も再び増加が始まったとの報道もあり、割安場面ではしっかりとした需要も伺える。エルサルバドルは依然リスクオン姿勢を見せており、大量の追加購入もしているとの発表をしているが、IMFから批判的なコメントが出ている。
光栄なことに先週から3度も筆者のコメントが日本経済新聞に掲載されており、当レポートでも再三の内容となるが、リスク回避の動向が全体的に後退するかに注目したいところ。
個人的には、テクニカル的に33,000ドル台は逆張りしやすい位置であったことから、一度は反発すると思っていたが、これが「底を打った」と判断できるかはFOMCを見るまでは判断を待ちたいと考えている。
ナスダックとの相関を考えるに、本日のテスラの決算とイーロンマスクのツイートには警戒を忘れずに!こういう時は軽いタッチでメリハリあるトレードが吉だ。
他方のアルトコイン市場は概ねビットコインに連動しているが、ETHは以前のような伸びが足りないように思われる。NFTの市場が拡大しているにも関わらず、反発に力強さが感じられない。NFT市場参加者は、すぐ現金化しているか、それとも他チェーンを利用しているのだろうか?
市場動向
一方、他金融市場では世界的に株が弱気となっている。
東欧の地政学リスクの高まりにより、まるで冷戦時代を思い起こす動きとなっている。ウクライナへの派兵準備が進んでおり、偶発的な衝突すら現実的なモノとなる可能性がある。
この動きやFOMCへの警戒が重なって世界的なリスク回避姿勢の中で、もっともリスクが高いアセットクラスと判断された暗号資産が急落したのは仕方ないことかもしれない。
しかし、それだけポートフォリオにビットコインを選んでいる欧米投資家が多いことに改めて注目してほしい。
ロシアは様々な資源の供給先との依存度が高く、マイニングもそのうちの一つであった。ロシア国内でも有事のビットコイン買いをしている層は多いと予想されるため、ロシア中銀の規制強化は仕方ないものである。
コロナの感染拡大も重なる中、インフレの高まりからFRBは少なくとも年3回の利上げを行う見通しであることを変えてくるような、利上げを急ぐ可能性への警戒感が強まっていることを忘れないようにしたい。
26日は大荒れの可能性があるが、ここまで株価が下落していることを受けて、FRBメンバーが「日和(ひよ)ってる」可能性を忘れずにリスクコントロールにご注意。
筆者:前田慶次
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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