クアンタム(QTUM)とは? (その1) ~ 特徴や今後の将来像、ユースケースを一挙大公開! ~
ディーカレットは、2021年9月29日(水)よりクアンタム(QTUM)の取扱いを開始する旨を発表致しました。取扱いに先立ち、クアンタム(QTUM)に関してまとめた内容をお届けします。是非、最後までご覧ください!
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クアンタム(QTUM)とは?
クアンタム(QTUM)とは、シンガポールを拠点とするQtum Foundation(財団)により開発され、2016年12月29日に公開されたオープンソースのブロックチェーンプロジェクトです。
稼働実績として、公開から約4年半にあたる2021年6月26日に記念すべき100万ブロックを完成させ、安定したブロックチェーンプロジェクトであることが示されています。
その通貨単位が「QTUM」となります。
メッセージとして “DEFINING THE BLOCKCHAIN ECONOMY(ブロックチェーン・エコノミーを規定する)” を掲げており、ビットコインの匿名性やプライバシーに配慮した残高管理システム(UTXO)と、イーサリアムがもつスマートコントラクトという仲介者不要の自動契約システムの両方を兼ね備えるブロックチェーンプロジェクトです。
一言でいうと “ビットコインとイーサリアムのいいとこどり” と言えるでしょう。
もう少し詳しく言うと、
“BTCやETHのブロックチェーンプラットフォームで最も問題視されていた4つの課題、①相互運用性、②ガバナンス、③PoWの硬直性とコスト、④スマートコントラクトと現実のアプリケーションとの接続の難しさを解決しようとする汎用ブロックチェーン”です。
クアンタム(QTUM)の特徴は?
いいとこどりと一言でいっても、匿名性やプライバシーに配慮した残高管理を行いながら、自動契約システムも同時に実装するということは、ビットコインの仕組みよりさらに多くの情報を書き込まなければいけません。取引のたびに複雑な残高管理を行うUTXOとスマートコントラクトを両立するのは、非常に難しいことなのです。
この技術的困難さの両立は、UTXOとスマートコントラクトの橋渡しが行える「Account Abstract Layer(AAL/アカウントアブストラクトレイヤ)」という技術によるものです。これはクアンタムが独自開発した技術で、UTXOをベースにしたブロックチェーン上にバーチャルマシンを構築し、そこでスマートコントラクトを実装する仕組みとなっています。
AALという技術は、QTUM.ORG(財団)のファウンダーであるパトリック・ダイ(Patrick Dai)によるところが大きいと考えられます。パトリックは、中国版GAFA「BATH」のひとつであるAlibaba(中国最大手ECモール・サイト運営)のプロダクトマネージャーも務めており、その後、Factom、Vechain、Bitse Group、Meilinkなど一連のブロックチェーンプロジェクトに携わり、ブロックチェーン業界の開発経験が非常に豊富であるというキャリアを持っています。
パトリックはまた、2017年6月にフォーブスが選ぶ30歳以下の若きイノベーター、起業家、リーダー30人に選ばれています。
Qtum’s Patrick Dai Named to Forbes’ “30 Under 30” List /Jun 25 2017
https://blog.qtum.org/qtums-patrick-dai-named-to-forbes-30-under-30-list-2f5c15531209
クアンタム(QTUM)の特徴として、データ承認方法としてビットコインのPoWとは異なり、PoSを採用している点となります。
ビットコインの採用しているPoWは、一斉にマイナー(データ承認作業者)がブロックチェーンにデータをつなぐのに適したパラメータの値を計算します。いち早く計算結果が正しいと認められたマイナーが、報酬としてビットコインを手に入れるのです。一斉にマイナーが計算を行うため、莫大な電気量を消費し環境負荷が大きいとされています。
一方、クアンタム(QTUM)が採用しているPoSは、クアンタムの保有量・時間を自動で判別してマイニング報酬を与えてくれる方法となります。これによりPoWと比較して各段に電力消費量が少なく環境に優しいと言われています。イーサリアムもそのアップグレードであるイーサリアム2.0でPoWからPoSへの変更を予定しています。
クアンタム(QTUM)の目指すところ
クアンタム(QTUM)は、企業がブロックチェーン開発を行う際に、スマートコントラクトコーディング、展開、実行を可能とし、それぞれにカスタマイズ可能なサービス提供を目指しています。
他のブロックチェーンインフラストラクチャと互換性のある分散型アプリケーションプラットフォームでもあり、新しい技術を常に追加できるようにモジュール化されています。
技術的には、DGP(分散型ガバナンスプロトコル)により、スマートコントラクトはブロックチェーンをハードフォークすることなく、ブロックサイズやガス代などのネットワークのコアパラメータを変更することができ、ネットワークが進化していく中で多くの手間を省くことができます。
開発者はアプリケーションを構築し、Ethereum Virtual Machine(EVM)やx86仮想マシンなどでホストすることができます。また、i686命令セットとC、C++、Rust、Pythonなどの複数のプログラミング言語をサポートしているので、既存のアプリを採用してQtum用に変換することが非常に簡単です。チューリング完全なスマートコントラクトを可能にするだけでなく、一般的なプログラミングライブラリをスマートコントラクトの形で統合することを目指しています。
クアンタム(QTUM)のアライアンス
●Amazon Web Service(アマゾンウェブサービス/AWS)とのアライアンス
2018年10月、クアンタム(QTUM)はAmazon Web Service(アマゾンウェブサービス/AWS)とのアライアンスを発表しています。
クアンタム(QTUM) は、AWS でスマートコントラクト開発プラットフォームを提供し、AWS ユーザーと開発者は、Qtum コア、Solidity、Qmix Web IDE を含むAmazon マシンイメージ(AMI) を介してスマートコントラクトを開発し、機能を迅速、効率的、効率的なコストで実現できるようになります。プラットフォームの成長と発展に伴い、AWS と QTUM はエンドユーザー、開発者、および企業向けにサービスの提供を拡大することを計画しているようです。
・QTUM Announces a Historic Partnership with Amazon Web Services Oct 18 2018
https://blog.qtum.org/qtum-announces-a-historic-partnership-with-amazon-web-services-6a197568f6a0
・aws marketplace Qtum AMI
https://aws.amazon.com/marketplace/pp/prodview-kyex46n7zggp4
●Google Cloudとのアライアンス
2019年5月、Google Cloudとのアライアンスを発表しています。
クアンタム(QTUM)をGoogle Cloud上で実行することで、クラウドコストを削減し、更新プログラムの公開時間を短縮し、顧客がビットコインの動きを追跡できる分析を提供しするとともにオープンソースのブロックチェーンプラットフォームを提供することを目的としています。
以下のような効果が挙げられています。
- 以前のプロバイダーに比べてクラウド コストを30%削減
- Google Cloud を最適化し、更新プログラムの公開時間を2週間から4日間に短縮
- データ転送料金を18%引き下げ
・Cloud to Launch Suite of Developer Tools May 2 2019
https://blog.qtum.org/qtum-partners-with-google-cloud-to-launch-suite-of-developer-tools-91ef68090a4
・Google Cloud Qtum: promoting an efficient blockchain economy with Google Cloud
https://cloud.google.com/customers/qtum
クアンタム(QTUM)の将来像(2021年のロードマップ)
Qtum 2021 ロードマップの5つの柱は次のとおりです。
● Qtum Core
より高速な処理の実現やハードウェアウォレット・仮想マシンの実施といったクアンタムの基盤となる技術
● Qtum Infrastructure
イーサリアムやクロスチェーンブリッジとのスマートコントラクト統合
● Neutron
仮想マシンインターフェースの更新
● DeFi & DApp Partnerships
DeFiやDAppといったシステムとの連携
● Community Activities
報酬や役割の見直し、コミュニティへの関与
・Qtum 2021 Roadmap Explanation Apr 23 2021
https://qtum.org/en/post/qtum-2021-roadmap-explanation
ディーカレットのクアンタム(QTUM)取扱いについて
クアンタム(QTUM)を2021年9月29日(水)より取扱いを開始する旨を発表致しました。
ディーカレットは、日本を代表する35社の企業から出資を受けており、安定した資本のもと運営されております。
もし、アカウントをお持ちで無い方は、是非この機会に新規登録(無料)をご検討下さい。
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ディーカレットの株主構成一覧
株式会社インターネットイニシアティブ/KDDI株式会社/日本電信電話株式会社(NTT)/株式会社三井住友銀行/株式会社三菱UFJ銀行/株式会社ゆうちょ銀行/伊藤忠商事株式会社/株式会社オプテージ/株式会社 QTnet/コナミホールディングス株式会社/住友生命保険相互会社/綜合警備保障株式会社/SOMPOホールディングス株式会社/第一生命保険株式会社/大同生命保険株式会社/株式会社大和証券グループ本社/東京海上日動火災保険株式会社/日本生命保険相互会社/野村ホールディングス株式会社/東日本旅客鉄道株式会社/株式会社ビックカメラ/三井住友海上火災保険株式会社/三井不動産株式会社/三菱商事株式会社/明治安田生命保険相互会社/ヤマトホールディングス株式会社/伊藤忠テクノソリューションズ株式会社/中部電力株式会社/株式会社電通グループ/阪急阪神ホールディングス株式会社/松井証券株式会社/株式会社エネルギア・コミュニケーションズ/凸版印刷株式会社/SBIホールディングス株式会社/セコム株式会社
APPENDIX:Qtum Foundationの財務データ開示
ブロックチェーンプロジェクトでは数が少ない財務データを四半期で開示して透明性をはかっています。
支出は、技術開発費、PR・マーケティング費、運用コスト、コンプライアンスコスト9、事業開発費、技術協力の6つの項目に分けられています。
2021年度第二四半期(202104-06)の比率は、それぞれ技術開発費64.4%、PR・マーケティング費8.9%、運用コスト3.1%、コンプライアンスコスト9.2%、事業開発費11.8%、技術協力費2.6%となっています。
・Qtum Chain Foundation Second Quarter 2021 Expenditures Jul 7 2021
https://blog.qtum.org/qtum-chain-foundation-second-quarter-2021-expenditures-1f45d9d1278e