前週からの動向
ビットコインは先週明けからレンジを切り上げるような上昇を遂げたが、32,000ドル付近で反落。6月6日に急騰局面が見られたが、7日朝から反落し、30,000ドルを割り込む価格帯まで売り戻される展開となった。2020,2021年と揉み合いが強かった価格帯であっただけに、上抜けるには相応の買い圧力が必要となってきそうだ。
しかしながら、下落時の底値は固まってきたような印象を受ける。
3日に発表された米雇用統計では、4月の水準を下回ったものの、市場予想を大きく上回る39万人増という結果となった。米国の利上げ観測の高まりにより資金流出が起きている暗号資産相場だが、好調であった雇用統計後の暗号資産市場の値動きを見てみると、下落幅は限定的となっており、6月7月の50bpsの利上げはすでに織り込み済みの市場になったといえるだろう。
ドルインデックス(主要通貨に対する米ドルの為替レート指数)は再び上昇してきている中でのこのBTC価格を考えると、短期の投げ売りは出尽くしたのではないだろうか。
他金融市場
USD/JPYは一時1ドル=133円を付けるまでの急騰となり、5月高値を超える展開となっている。好調な米雇用統計を受け、米ドルの強さが際立っていることに加え、黒田日銀総裁が、強力な金融緩和を粘り強く続けるという旨の発言が円売りに拍車をかけた。
商品市場では、いったんは落ち着きを見せたように思えた原油相場もじり高を続けており、ロシアによるウクライナ侵攻開始前後に付けた高値の更新も見えてきたような価格帯まで来ている。世界的なインフレ局面は、もうしばらく続くとの見方が増えそうだ。
ビットコインのインフレヘッジ資産としての側面に再び注目が集まるのは、まだ先になりそうか。
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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